タナベ経営 Research Memo(1):中期経営計画1年目は順調な滑り出し 2020年3月期も増収増益が続く見通し
[19/07/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
タナベ経営<9644>は、創業62年目を迎える日本の民間経営コンサルティングのパイオニアで、大手の一角を占める。経営ミッションとして、「『ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社』をともに」を掲げている。「ドメイン(事業領域・業種)×ファンクション(組織・経営機能)×リージョン(地域)を最適化するチームコンサルティング」を、主に中堅企業へ提供することで持続的成長を実現している。中期事業戦略として、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化)、そしてそれらを全国津々浦々へと展開していく「コンサルティングプラットフォーム戦略」を推進している。
1. 2020年3月期業績
2019年3月期業績は売上高で前期比2.8%増の9,046百万円、営業利益で同3.6%増の970百万円とほぼ会社計画どおりの増収増益決算となった。「人材採用・育成・活躍」「中期経営計画(ビジョン)策定・推進」「事業承継・後継体制づくり」等のテーマに加えて、「ブランディング戦略」「営業戦略」等をテーマとした経営コンサルティングニーズが堅調に推移したほか、ジュニアボード(次世代経営チーム育成)コンサルティングやFCCアカデミー(企業内大学)設立コンサルティング等の人材開発コンサルティング、プロモーション戦略やブランディング戦略の立案・実行推進支援等のSP(セールスプロモーション)コンサルティングの契約件数が順調に増加したことが増収増益要因となった。なお、主要KPIとしているチームコンサルティング※の期中平均契約社数は前期比20社増の591社となり、売上高も同4.6%増の3,990百万円と伸張した。
※チームコンサルティング=経営コンサルティング+人材開発コンサルティング+セールスプロモーションコンサルティング(月契約型)
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期は売上高で前期比2.8%増の9,300百万円、営業利益で同3.1%増の1,000百万円と増収増益が続く見通し。FCCアカデミー、ジュニアボード、SPコンサルティング等のチームコンサルティングの重点12テーマを「チームコンサルティングブランド(以下、TCB)」として推進し、経営コンサルティング事業、SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業ともに増収増益を見込んでいる。また、収益拡大に向けた業務提携の取組みも推進していく。RPA導入支援サービスを展開するキューアンドエーワークス(株)と共同で、RPAを活用した業務改善コンサルティング「Robo Working」を開発し、中堅・中小企業向けに提供開始しているほか、スタートアップ企業向けアクセラレーションプログラムを提供しているPlug and Play Japan(株)と「Brand & Retail」分野における「エコシステム・パートナーシップ」契約を締結し、同分野におけるスタートアップ企業と中堅・中小企業とをつなぐ「スタートアップファーストコンサルティング」に関する取り組みも強化していく。また、昨年より提携している(株)大和総研と共同開発した中堅・中小企業向けの「SDGsコンサルティング」も推進していく予定である。
3. 中期経営計画
中期経営計画「Tanabe Vision 2020(2018-2020)」では、「コンサルティングプラットフォーム戦略」を全国規模で推進し、顧客基盤を拡大しながら、チームコンサルティング売上高を伸ばしていくことで持続的な成長を目指していく方針となっており、1年目となる2019年3月期は順調な滑り出しとなった。2021年3月期の業績目標は売上高9,600百万円、営業利益1,040百万円を掲げており、年平均成長率で約3%の堅実な成長を見込んでいる。成長の原動力となるコンサルタント人員は、2019年3月期末の233名から2021年3月期末に291名と約25%の増員を計画している。新卒採用だけでなく各業界に精通するプロフェショナル人材の中途採用も強化しており、当面は人材投資が先行するため、利益率は横ばいで推移する見込みとなっているが、これら人材が戦力化してくれば収益性も向上し、持続的成長を実現していくものと予想される。
4. 株主還元策
株主還元策として、同社は配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては配当性向60%を目安に、業績等を勘案しながら検討していくとしており、2020年3月期は前期比1.0円増配の43.0円(配当性向52.9%)と8期連続の増配を予定している。また、株主優待制度として毎年9月末時点の株主に対してオリジナル手帳「ブルーダイアリー」を1冊(3,000円相当)贈呈している。2019年7月26日の株価水準(1,215円)を基準にすると、配当利回りは3.5%、株主優待も含めると6.0%の投資利回りとなる。
■Key Points
・チームコンサルティングが順調に増加し、2019年3月期はほぼ会社計画どおりの増収増益を達成
・他社とのアライアンス(提携)によるコンサルティングメニューの拡充に取り組み、経営コンサルティング、SPコンサルティングとも増収増益を目指す
・中期経営計画1年目は順調な滑り出しとなり、コンサルティングプラットフォーム戦略の推進により2020年以降も持続的成長を実現していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
タナベ経営<9644>は、創業62年目を迎える日本の民間経営コンサルティングのパイオニアで、大手の一角を占める。経営ミッションとして、「『ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社』をともに」を掲げている。「ドメイン(事業領域・業種)×ファンクション(組織・経営機能)×リージョン(地域)を最適化するチームコンサルティング」を、主に中堅企業へ提供することで持続的成長を実現している。中期事業戦略として、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化)、そしてそれらを全国津々浦々へと展開していく「コンサルティングプラットフォーム戦略」を推進している。
1. 2020年3月期業績
2019年3月期業績は売上高で前期比2.8%増の9,046百万円、営業利益で同3.6%増の970百万円とほぼ会社計画どおりの増収増益決算となった。「人材採用・育成・活躍」「中期経営計画(ビジョン)策定・推進」「事業承継・後継体制づくり」等のテーマに加えて、「ブランディング戦略」「営業戦略」等をテーマとした経営コンサルティングニーズが堅調に推移したほか、ジュニアボード(次世代経営チーム育成)コンサルティングやFCCアカデミー(企業内大学)設立コンサルティング等の人材開発コンサルティング、プロモーション戦略やブランディング戦略の立案・実行推進支援等のSP(セールスプロモーション)コンサルティングの契約件数が順調に増加したことが増収増益要因となった。なお、主要KPIとしているチームコンサルティング※の期中平均契約社数は前期比20社増の591社となり、売上高も同4.6%増の3,990百万円と伸張した。
※チームコンサルティング=経営コンサルティング+人材開発コンサルティング+セールスプロモーションコンサルティング(月契約型)
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期は売上高で前期比2.8%増の9,300百万円、営業利益で同3.1%増の1,000百万円と増収増益が続く見通し。FCCアカデミー、ジュニアボード、SPコンサルティング等のチームコンサルティングの重点12テーマを「チームコンサルティングブランド(以下、TCB)」として推進し、経営コンサルティング事業、SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業ともに増収増益を見込んでいる。また、収益拡大に向けた業務提携の取組みも推進していく。RPA導入支援サービスを展開するキューアンドエーワークス(株)と共同で、RPAを活用した業務改善コンサルティング「Robo Working」を開発し、中堅・中小企業向けに提供開始しているほか、スタートアップ企業向けアクセラレーションプログラムを提供しているPlug and Play Japan(株)と「Brand & Retail」分野における「エコシステム・パートナーシップ」契約を締結し、同分野におけるスタートアップ企業と中堅・中小企業とをつなぐ「スタートアップファーストコンサルティング」に関する取り組みも強化していく。また、昨年より提携している(株)大和総研と共同開発した中堅・中小企業向けの「SDGsコンサルティング」も推進していく予定である。
3. 中期経営計画
中期経営計画「Tanabe Vision 2020(2018-2020)」では、「コンサルティングプラットフォーム戦略」を全国規模で推進し、顧客基盤を拡大しながら、チームコンサルティング売上高を伸ばしていくことで持続的な成長を目指していく方針となっており、1年目となる2019年3月期は順調な滑り出しとなった。2021年3月期の業績目標は売上高9,600百万円、営業利益1,040百万円を掲げており、年平均成長率で約3%の堅実な成長を見込んでいる。成長の原動力となるコンサルタント人員は、2019年3月期末の233名から2021年3月期末に291名と約25%の増員を計画している。新卒採用だけでなく各業界に精通するプロフェショナル人材の中途採用も強化しており、当面は人材投資が先行するため、利益率は横ばいで推移する見込みとなっているが、これら人材が戦力化してくれば収益性も向上し、持続的成長を実現していくものと予想される。
4. 株主還元策
株主還元策として、同社は配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては配当性向60%を目安に、業績等を勘案しながら検討していくとしており、2020年3月期は前期比1.0円増配の43.0円(配当性向52.9%)と8期連続の増配を予定している。また、株主優待制度として毎年9月末時点の株主に対してオリジナル手帳「ブルーダイアリー」を1冊(3,000円相当)贈呈している。2019年7月26日の株価水準(1,215円)を基準にすると、配当利回りは3.5%、株主優待も含めると6.0%の投資利回りとなる。
■Key Points
・チームコンサルティングが順調に増加し、2019年3月期はほぼ会社計画どおりの増収増益を達成
・他社とのアライアンス(提携)によるコンサルティングメニューの拡充に取り組み、経営コンサルティング、SPコンサルティングとも増収増益を目指す
・中期経営計画1年目は順調な滑り出しとなり、コンサルティングプラットフォーム戦略の推進により2020年以降も持続的成長を実現していく方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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