城南進研 Research Memo(2):2019年3月期は事業ポートフォリオ改革に注力、期初予想どおりの減収減益
[19/07/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
城南進学研究社<4720>の2019年3月期決算は、売上高6,941百万円(前期比1.2%減)、営業損失385百万円(前期は304百万円の利益)、経常損失359百万円(同352百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失540百万円(同141百万円の利益)と減収減益となった。
営業利益以下の赤字転落については期初予想どおりであり、特段のサプライズはない。親会社株主に帰属する当期純損失は、事業構造改革に伴う特別損失の計上により期初予想から拡大したが、これも想定内の動きと言える。
2019年3月期は、同社が中期経営計画で掲げる基本戦略に沿って、様々な施策を推進した。なかでも収益面で影響が大きかったのは、旧来型ビジネスモデルである「城南予備校」の統廃合を進め、時代のニーズに合った新業態の「城南予備校DUO」や「河合塾マナビス」の出店を加速させたことだ。「城南予備校」の統廃合でダイレクトに売上高が減少する一方、新規開校の施設は一定の充足率に達するまでに時間がかかり、その間は費用が先行する形となる。これが2019年3月期に営業損失となった主たる要因だ。
赤字を避けながらゆっくり進めるという選択肢も可能ではあったが、同社はそうした問題先送り的な策ではなく、少子化の進行スピードの速さや、2020年度から始まる大学入試制度改革及び学習指導要領の大規模改訂といった事業環境の変化にしっかりと対応できる体制づくりを急ぐべく、一時的な損失計上を甘受する方針を採用したということだ。いわゆる“ハードランディング”の策とも言えるが、それを実行に移す体力と覚悟があればこそと、弊社ではポジティブに評価している。
事業セグメント別では、主力の教育事業は売上高6,591百万円(前期比1.6%減)、営業損失492百万円(前期は200百万円の利益)と減収減益となった。内容は前述のとおりだ。スポーツ事業は売上高349百万円(前期比6.9%増)、営業利益108百万円(同4.5%増)と増収増益で着地した。スポーツ事業の事業主体である(株)久ケ原スポーツクラブは、主力のスイミングスクールでは、ほぼ定員いっぱいの会員数を維持したことことに加え、新規に開始した学童保育でも定員を超える集客に成功し、高稼働率を維持できた。久ケ原スポーツクラブでは、自社のWeb学習システム「デキタス」を導入して勉強とスポーツの両立を実現し、“小4の壁”(塾通いのためにスポーツクラブを退会してしまう)を乗り越えることに取り組んできたが、それが奏功したとみられる。「デキタス」会員数が350名を突破した点がその証左と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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城南進学研究社<4720>の2019年3月期決算は、売上高6,941百万円(前期比1.2%減)、営業損失385百万円(前期は304百万円の利益)、経常損失359百万円(同352百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失540百万円(同141百万円の利益)と減収減益となった。
営業利益以下の赤字転落については期初予想どおりであり、特段のサプライズはない。親会社株主に帰属する当期純損失は、事業構造改革に伴う特別損失の計上により期初予想から拡大したが、これも想定内の動きと言える。
2019年3月期は、同社が中期経営計画で掲げる基本戦略に沿って、様々な施策を推進した。なかでも収益面で影響が大きかったのは、旧来型ビジネスモデルである「城南予備校」の統廃合を進め、時代のニーズに合った新業態の「城南予備校DUO」や「河合塾マナビス」の出店を加速させたことだ。「城南予備校」の統廃合でダイレクトに売上高が減少する一方、新規開校の施設は一定の充足率に達するまでに時間がかかり、その間は費用が先行する形となる。これが2019年3月期に営業損失となった主たる要因だ。
赤字を避けながらゆっくり進めるという選択肢も可能ではあったが、同社はそうした問題先送り的な策ではなく、少子化の進行スピードの速さや、2020年度から始まる大学入試制度改革及び学習指導要領の大規模改訂といった事業環境の変化にしっかりと対応できる体制づくりを急ぐべく、一時的な損失計上を甘受する方針を採用したということだ。いわゆる“ハードランディング”の策とも言えるが、それを実行に移す体力と覚悟があればこそと、弊社ではポジティブに評価している。
事業セグメント別では、主力の教育事業は売上高6,591百万円(前期比1.6%減)、営業損失492百万円(前期は200百万円の利益)と減収減益となった。内容は前述のとおりだ。スポーツ事業は売上高349百万円(前期比6.9%増)、営業利益108百万円(同4.5%増)と増収増益で着地した。スポーツ事業の事業主体である(株)久ケ原スポーツクラブは、主力のスイミングスクールでは、ほぼ定員いっぱいの会員数を維持したことことに加え、新規に開始した学童保育でも定員を超える集客に成功し、高稼働率を維持できた。久ケ原スポーツクラブでは、自社のWeb学習システム「デキタス」を導入して勉強とスポーツの両立を実現し、“小4の壁”(塾通いのためにスポーツクラブを退会してしまう)を乗り越えることに取り組んできたが、それが奏功したとみられる。「デキタス」会員数が350名を突破した点がその証左と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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