城南進研 Research Memo(8):2020年3月期は個別指導部門や乳幼児・児童教育部門などの伸長で増収増益予想
[19/07/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2020年3月期について城南進学研究社<4720>は、売上高7,459百万円(前期比7.5%増)、営業利益19百万円(前期は385百万円の損失)、経常利益34百万円(前期は359百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失90百万円(前期は540百万円の損失)と増収増益を予想している。
売上高については前期比518百万円の増収予想となっている。同社は部門別の売上高予想を開示していないが、個別指導、映像授業(マナビス)の各部門及び各子会社で増収を想定し、これによって予備校部門の減収を吸収して増収を達成する計画と推測される。
前述のように、個別指導については、直営教室数の底打ち反転及びリニューアル効果による増収に加え、「城南予備校DUO」の充足率上昇によって前期比1億円を超える増収が見込まれる状況にある。またマナビスにおいても、前期に新規開校した6校が通期寄与するほか、2019年6月までに2校を新規開校したことでその増収効果も期待される。
英語教育関連子会社では、2018年8月に子会社化したアイベックが12ヶ月間のフル寄与となるため、前期(約7ヶ月間の寄与)に比べ大幅増収が期待される。
乳幼児・児童教育部門(本体及び子会社)では、「くぼたのうけん」が7教室体制のフル寄与とソリューション事業の増収により2020年3月期の売上高が200百万円の大台に乗る可能性がある。子会社では、リトルランド(2019年1月グループ入り)とフェアリィー(2018年9月グループ入り)のフル寄与が期待される。これらの結果、同社本体と子会社を合わせた乳幼児・児童教育部門全体の増収インパクトは4億円前後に達するものと弊社では推測している。
予備校部門については、仮に校舎数が維持されたとしても生徒数の減少により減収基調が続くと考えられる。そこに校舎の統廃合が行われれば減収ペースが加速することになる。同社は具体的な統廃合の計画を開示していないため、どの程度の減収になるかは想定が難しい。仮に前期並みの減収(約5億円)となれば、増収効果のかなりの部分が相殺され、全社ベースの売上高は同社の予想に届かない可能性もあると弊社では考えている。
一方利益面では、予備校部門の生徒数減少と校舎の統廃合は、2020年3月期も収益面に大きなマイナス影響を及ぼすと懸念される。また、前期同様、「マナビス」や「城南予備校DUO」の新規開校の増加に伴う費用増加も予想される。こうした要因から2020年3月期の営業利益については、ぎりぎり水面上へ浮上する水準にとどまる予想になっているとみられる。
新規開校については、不動産物件の取得がボトルネックとなり新規開校が進まない可能性もある。その場合には新規開校費用の減少により、営業利益が想定を上回る可能性がある。しかし重要なことは2020年3月期のボトム圏でのわずかな利益上振れなどではなく、2021年3月期以降に営業利益率5%前後という同社のこれまでの収益性を回復できるかであり、それに向けた準備を2020年3月期中に整えることができるかどうかだと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<HN>
2020年3月期について城南進学研究社<4720>は、売上高7,459百万円(前期比7.5%増)、営業利益19百万円(前期は385百万円の損失)、経常利益34百万円(前期は359百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失90百万円(前期は540百万円の損失)と増収増益を予想している。
売上高については前期比518百万円の増収予想となっている。同社は部門別の売上高予想を開示していないが、個別指導、映像授業(マナビス)の各部門及び各子会社で増収を想定し、これによって予備校部門の減収を吸収して増収を達成する計画と推測される。
前述のように、個別指導については、直営教室数の底打ち反転及びリニューアル効果による増収に加え、「城南予備校DUO」の充足率上昇によって前期比1億円を超える増収が見込まれる状況にある。またマナビスにおいても、前期に新規開校した6校が通期寄与するほか、2019年6月までに2校を新規開校したことでその増収効果も期待される。
英語教育関連子会社では、2018年8月に子会社化したアイベックが12ヶ月間のフル寄与となるため、前期(約7ヶ月間の寄与)に比べ大幅増収が期待される。
乳幼児・児童教育部門(本体及び子会社)では、「くぼたのうけん」が7教室体制のフル寄与とソリューション事業の増収により2020年3月期の売上高が200百万円の大台に乗る可能性がある。子会社では、リトルランド(2019年1月グループ入り)とフェアリィー(2018年9月グループ入り)のフル寄与が期待される。これらの結果、同社本体と子会社を合わせた乳幼児・児童教育部門全体の増収インパクトは4億円前後に達するものと弊社では推測している。
予備校部門については、仮に校舎数が維持されたとしても生徒数の減少により減収基調が続くと考えられる。そこに校舎の統廃合が行われれば減収ペースが加速することになる。同社は具体的な統廃合の計画を開示していないため、どの程度の減収になるかは想定が難しい。仮に前期並みの減収(約5億円)となれば、増収効果のかなりの部分が相殺され、全社ベースの売上高は同社の予想に届かない可能性もあると弊社では考えている。
一方利益面では、予備校部門の生徒数減少と校舎の統廃合は、2020年3月期も収益面に大きなマイナス影響を及ぼすと懸念される。また、前期同様、「マナビス」や「城南予備校DUO」の新規開校の増加に伴う費用増加も予想される。こうした要因から2020年3月期の営業利益については、ぎりぎり水面上へ浮上する水準にとどまる予想になっているとみられる。
新規開校については、不動産物件の取得がボトルネックとなり新規開校が進まない可能性もある。その場合には新規開校費用の減少により、営業利益が想定を上回る可能性がある。しかし重要なことは2020年3月期のボトム圏でのわずかな利益上振れなどではなく、2021年3月期以降に営業利益率5%前後という同社のこれまでの収益性を回復できるかであり、それに向けた準備を2020年3月期中に整えることができるかどうかだと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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