明光ネット Research Memo(1):明光義塾事業は2020年8月期以降の再成長に向けた事業基盤を構築中
[19/07/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
明光ネットワークジャパン<4668>は、個別指導学習塾「明光義塾」の直営及びフランチャイズ(FC)事業を主軸に、医科系予備校やサッカースクール、学童保育、外国人向け日本語学校など各種教育サービスを展開する。FCの運営ノウハウに強みを持ち、M&Aによる事業領域の拡大も進めながら「人づくりのトップカンパニー」を目指している。
1. 2019年8月期第3四半期累計業績
2019年8月期第3四半期累計(2018年9月-2019年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の14,051百万円、営業利益が同34.4%増の893百万円と増収増益決算となった。売上高は明光義塾事業において、FC運営会社の(株)ケイラインを前第4四半期から、(株)ケイ・エム・ジーコーポレーション(以下、KMG)を当第3四半期から連結子会社として業績に取り込んだことで996百万円の増収要因となった。一方、営業利益はこれら2社の子会社化により、のれん償却額も含めて81百万円の減益要因となったものの、販促費の減少により全体では2ケタ増益となった。なお、2019年8月期第3四半期末における明光義塾事業(FC事業含む)の教室数は前年同期末比4.2%減の1,946教室、在籍生徒数は同4.1%減の98,438名と減少傾向が続いたが、教室当たり平均生徒数については同0.1%増の50.6名とわずかながらも増加に転じている。
2. 2019年8月期業績見通し
2019年8月期の連結業績は、売上高で前期比6.3%増の20,320百万円、営業利益で同29.0%増の1,860百万円と期初会社計画を据え置いた。ケイラインとKMGの子会社化による影響額は、売上高で12〜13億円の増収、営業利益で数千万円の減益要因になると見られる。会社計画を達成するためには、2019年8月期第4四半期に売上高で前年同期比13.1%増、営業利益で同24.4%増が必要となる。同社は7月−8月に新規生徒募集や夏期講習の取り組み等を強化して、会社計画の達成を目指して行く考えだ。
3. 明光義塾事業の再構築に向けた取り組み
2016年8月期以降、減少傾向が続く明光義塾事業の立て直しを図るため、同社は差別化戦略として2017年秋以降、新学習指導法となる「MEIKO式コーチング」※を直営教室から導入し、2019年4月からFC教室を含むすべての教室に導入した。また、ICTを活用した学習プログラムの拡充や教務力の強化を図るための教育研修会の開催頻度を増やすなどサービス品質の向上、地域特性に合わせたマーケティング施策等にも取り組んでいる。教室のスクラップ&ビルドを進めており、全体では教室数、生徒数の減少傾向が続く可能性があるものの、教室当たり生徒数の増加によって収益力を回復し、2020年8月期には再成長に向けた基盤を整える方針となっている。
※「MEIKO式コーチング」とは、「振り返り授業」とeポートフォリオシステム(明光eポ)を組み合わせることで、効果的に生徒の学力向上を実現する学習システム。「振り返り授業」とは講師が生徒に問題のヒントを出し、生徒が自らの力で解答を導き、理解したことを自身の言葉で講師に説明し、振り返りノートに記録することで、学習の理解度をより高める学習指導法となる。「明光eポ」は学習したことや計画等を生徒が記録していく専用アプリで、保護者も子どもの学習状況や成績等をいつでも自身のスマートフォン等を使って確認することが可能となる。
4. 株主還元策について
株主還元については積極的に実施していく方針に変わりない。2019年8月期の1株当たり配当金は前期比12.0円減の30.0円(配当性向78.1%)と、株式上場以来初の減配となるが、配当性向の水準は80%を目安に実施していく方針となっている。また、株主優待については従来と変わらず、8月末の株主に対して、保有株数、継続保有期間によって1,000〜5,000円相当のQUOカードを贈呈する。株主優待も含めた単元当たりの投資利回りは、現在の株価水準(2019年7月12日時点で973円)で4〜6%の水準となる。
■Key Points
・2019年8月期第3四半期累計業績は販促費の減少により2ケタ増益に
・明光義塾事業は2020年8月期に教室数・生徒数が底打ちする可能性
・増配記録は一旦途絶えるものの、積極的な株主還元策は維持する方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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明光ネットワークジャパン<4668>は、個別指導学習塾「明光義塾」の直営及びフランチャイズ(FC)事業を主軸に、医科系予備校やサッカースクール、学童保育、外国人向け日本語学校など各種教育サービスを展開する。FCの運営ノウハウに強みを持ち、M&Aによる事業領域の拡大も進めながら「人づくりのトップカンパニー」を目指している。
1. 2019年8月期第3四半期累計業績
2019年8月期第3四半期累計(2018年9月-2019年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の14,051百万円、営業利益が同34.4%増の893百万円と増収増益決算となった。売上高は明光義塾事業において、FC運営会社の(株)ケイラインを前第4四半期から、(株)ケイ・エム・ジーコーポレーション(以下、KMG)を当第3四半期から連結子会社として業績に取り込んだことで996百万円の増収要因となった。一方、営業利益はこれら2社の子会社化により、のれん償却額も含めて81百万円の減益要因となったものの、販促費の減少により全体では2ケタ増益となった。なお、2019年8月期第3四半期末における明光義塾事業(FC事業含む)の教室数は前年同期末比4.2%減の1,946教室、在籍生徒数は同4.1%減の98,438名と減少傾向が続いたが、教室当たり平均生徒数については同0.1%増の50.6名とわずかながらも増加に転じている。
2. 2019年8月期業績見通し
2019年8月期の連結業績は、売上高で前期比6.3%増の20,320百万円、営業利益で同29.0%増の1,860百万円と期初会社計画を据え置いた。ケイラインとKMGの子会社化による影響額は、売上高で12〜13億円の増収、営業利益で数千万円の減益要因になると見られる。会社計画を達成するためには、2019年8月期第4四半期に売上高で前年同期比13.1%増、営業利益で同24.4%増が必要となる。同社は7月−8月に新規生徒募集や夏期講習の取り組み等を強化して、会社計画の達成を目指して行く考えだ。
3. 明光義塾事業の再構築に向けた取り組み
2016年8月期以降、減少傾向が続く明光義塾事業の立て直しを図るため、同社は差別化戦略として2017年秋以降、新学習指導法となる「MEIKO式コーチング」※を直営教室から導入し、2019年4月からFC教室を含むすべての教室に導入した。また、ICTを活用した学習プログラムの拡充や教務力の強化を図るための教育研修会の開催頻度を増やすなどサービス品質の向上、地域特性に合わせたマーケティング施策等にも取り組んでいる。教室のスクラップ&ビルドを進めており、全体では教室数、生徒数の減少傾向が続く可能性があるものの、教室当たり生徒数の増加によって収益力を回復し、2020年8月期には再成長に向けた基盤を整える方針となっている。
※「MEIKO式コーチング」とは、「振り返り授業」とeポートフォリオシステム(明光eポ)を組み合わせることで、効果的に生徒の学力向上を実現する学習システム。「振り返り授業」とは講師が生徒に問題のヒントを出し、生徒が自らの力で解答を導き、理解したことを自身の言葉で講師に説明し、振り返りノートに記録することで、学習の理解度をより高める学習指導法となる。「明光eポ」は学習したことや計画等を生徒が記録していく専用アプリで、保護者も子どもの学習状況や成績等をいつでも自身のスマートフォン等を使って確認することが可能となる。
4. 株主還元策について
株主還元については積極的に実施していく方針に変わりない。2019年8月期の1株当たり配当金は前期比12.0円減の30.0円(配当性向78.1%)と、株式上場以来初の減配となるが、配当性向の水準は80%を目安に実施していく方針となっている。また、株主優待については従来と変わらず、8月末の株主に対して、保有株数、継続保有期間によって1,000〜5,000円相当のQUOカードを贈呈する。株主優待も含めた単元当たりの投資利回りは、現在の株価水準(2019年7月12日時点で973円)で4〜6%の水準となる。
■Key Points
・2019年8月期第3四半期累計業績は販促費の減少により2ケタ増益に
・明光義塾事業は2020年8月期に教室数・生徒数が底打ちする可能性
・増配記録は一旦途絶えるものの、積極的な株主還元策は維持する方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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