明光ネット Research Memo(5):日本語学校事業やキッズ事業の収益拡大続く(2)
[19/07/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■明光ネットワークジャパン<4668>の業績動向
(3) 予備校・その他事業
2019年8月期第3四半期累計期間における予備校・その他事業の売上高は前年同期比2.9%減の3,202百万円、セグメント利益は同5.4%減の166百万円となった。日本語学校事業やキッズ事業については順調に拡大しているものの、予備校事業や学校支援及び学術専門書出版事業の低迷が減収減益要因となった。事業別の動向は以下のとおり。
a) 日本語学校事業
外国人向け日本語学校事業は売上高で前年同期比3.7%増の1,017百万円、営業利益で同28.6%増の81百万円となった。連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」と国際人材開発(株)が運営する「JCLI日本語学校」の2校を運営しており、2019年8月期第3四半期末の生徒数は2校合計で前年同期末比5.1%増の1,494名と増加基調が続いた。生徒数の増加に加えて前年同期に計上した校舎移転費用等が一巡したことも増益要因となっている。のれん償却費として127百万円を計上しているため、実際の収益力を示すのれん償却前営業利益率は約20%と高収益事業となっている。
なお、入国管理局によるビザ発給の厳格化が進み、2019年4月の新規入学生徒数への影響が懸念されたが、同社においてはスリランカやミャンマー等一部の国からの入学生徒数が減少したものの、中国やベトナムからの増加でカバーし、全体で見ると影響は限定された。今回の問題によって外国人留学生に関するチェック体制が強化されるものの、日本語学校そのものの需要拡大基調は変わらず、同社では今後も日本語教育だけでなく進学に関する指導を徹底するなどサービス面での強化に取り組むことで、事業を拡大していく方針となっている。
b) 学校支援事業及び学術専門書出版事業
学校支援事業及び学術専門書出版事業は売上高で前年同期比11.5%減の1,084百万円、営業利益で同55.1%減の109百万円となった。連結子会社の古藤事務所は大学入試問題査定やサンプル問題の作成等の引き合いが堅調に推移したものの、ユーデックが進学模擬試験サービスの減少、晃洋書房が新刊発行点数の減少により、それぞれ軟調に推移したことが響いた。
c) 予備校事業
連結子会社の(株)東京医進学院による予備校事業は、売上高で前年同期比11.9%減の276百万円、セグメント損失で28百万円(前年同期は36百万円の損失)となった。医科系予備校においても生徒獲得競争が年々激化しており、生徒数の減少が減収要因となった。また、利益面では通学生、現役高校生向けの2校舎を1校舎に集約するなど費用削減に取り組んだことにより、損失額が縮小している。2019年8月期第3四半期末における生徒数は前年同期末比21.5%減の62名となっており、当面は厳しい収益が続く可能性が高いものの、夏期講習での外部生徒の取り込みを強化するなどして減収幅を最小限に食い止めていく方針となっている。
d) 早稲田アカデミー個別進学館事業
早稲田アカデミー個別進学館事業の売上高は前年同期比2.7%増の375百万円、営業損失は8百万円(前年同期は21百万円の損失)となった。2019年8月期第3四半期末の校舎数は前年同期末比横ばいの35校(同社直営8校、MAXIS5校、FC10校、早稲田アカデミー直営12校)、在籍生徒数は全校舎で同10.1%増の2,435名、1校舎当たり平均生徒数も同10.1%増の69.6名と順調に増加した。2019年8月期はFC校の新設がなく(前期は第2四半期に2校新設)、売上高が微増収にとどまったものの、第3四半期だけで見るとFC校を1校、直営校に異動したこともあり前年同期比14.6%増収となっている。
今後も早稲田アカデミー<4718>との教務運営会議や広告宣伝会議、合同講師研修等のアライアンスを強化し、受験指導サービスの質の向上に取り組むことで難関校への合格実績を積み上げ、生徒数の拡大を目指して行く。また、教室展開についてはFC校を増やしていく方針だ。
e) キッズ事業
キッズ事業の売上高は前年同期比30.2%増の267百万円、営業利益は6百万円(前年同期は4百万円の損失)となった。2019年8月期第3四半期末のスクール数は25スクール(直営7スクール、学童クラブ3施設、FC及び運営受託等15施設)となり、前年同期末比で6スクール増加した(学童クラブ2施設増、FC及び運営受託等で4施設増)。また、在籍スクール生数も同15.8%増の1,122名と順調に拡大している。学童保育の需要は依然旺盛なことから、同社は早期に収益化が可能なFC及び運営受託サービスでの展開を今後も強化していく方針となっている。
f) サッカー事業
サッカー事業の売上高は前年同期比1.0%減の103百万円、営業利益は8百万円(前年同期は1百万円の利益)となった。2019年8月期第3四半期末のスクール数は前年同期末比1校増の14校(直営13校、FC1校)となり、在籍スクール生数も同2.7%増の873名と13四半期ぶりに増加に転じた。スクール運営力の強化とコーチ育成に取り組むとともに、体験レッスンや春期キャンプ等のイベント実施による入会促進活動に取り組んだことが奏効した。
2019年夏には初めてスペインキャンプを開催する(8月17日−25日、募集5名)。現地プロチームの下部組織が行っている合同キャンプに約1週間参加するほか、スタジアムツアーを予定している。募集開始後、すぐに定員が一杯となるなど反響が大きかったことから、今回のキャンプが成功すれば規模を拡大して継続的に開催していくことを検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(3) 予備校・その他事業
2019年8月期第3四半期累計期間における予備校・その他事業の売上高は前年同期比2.9%減の3,202百万円、セグメント利益は同5.4%減の166百万円となった。日本語学校事業やキッズ事業については順調に拡大しているものの、予備校事業や学校支援及び学術専門書出版事業の低迷が減収減益要因となった。事業別の動向は以下のとおり。
a) 日本語学校事業
外国人向け日本語学校事業は売上高で前年同期比3.7%増の1,017百万円、営業利益で同28.6%増の81百万円となった。連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」と国際人材開発(株)が運営する「JCLI日本語学校」の2校を運営しており、2019年8月期第3四半期末の生徒数は2校合計で前年同期末比5.1%増の1,494名と増加基調が続いた。生徒数の増加に加えて前年同期に計上した校舎移転費用等が一巡したことも増益要因となっている。のれん償却費として127百万円を計上しているため、実際の収益力を示すのれん償却前営業利益率は約20%と高収益事業となっている。
なお、入国管理局によるビザ発給の厳格化が進み、2019年4月の新規入学生徒数への影響が懸念されたが、同社においてはスリランカやミャンマー等一部の国からの入学生徒数が減少したものの、中国やベトナムからの増加でカバーし、全体で見ると影響は限定された。今回の問題によって外国人留学生に関するチェック体制が強化されるものの、日本語学校そのものの需要拡大基調は変わらず、同社では今後も日本語教育だけでなく進学に関する指導を徹底するなどサービス面での強化に取り組むことで、事業を拡大していく方針となっている。
b) 学校支援事業及び学術専門書出版事業
学校支援事業及び学術専門書出版事業は売上高で前年同期比11.5%減の1,084百万円、営業利益で同55.1%減の109百万円となった。連結子会社の古藤事務所は大学入試問題査定やサンプル問題の作成等の引き合いが堅調に推移したものの、ユーデックが進学模擬試験サービスの減少、晃洋書房が新刊発行点数の減少により、それぞれ軟調に推移したことが響いた。
c) 予備校事業
連結子会社の(株)東京医進学院による予備校事業は、売上高で前年同期比11.9%減の276百万円、セグメント損失で28百万円(前年同期は36百万円の損失)となった。医科系予備校においても生徒獲得競争が年々激化しており、生徒数の減少が減収要因となった。また、利益面では通学生、現役高校生向けの2校舎を1校舎に集約するなど費用削減に取り組んだことにより、損失額が縮小している。2019年8月期第3四半期末における生徒数は前年同期末比21.5%減の62名となっており、当面は厳しい収益が続く可能性が高いものの、夏期講習での外部生徒の取り込みを強化するなどして減収幅を最小限に食い止めていく方針となっている。
d) 早稲田アカデミー個別進学館事業
早稲田アカデミー個別進学館事業の売上高は前年同期比2.7%増の375百万円、営業損失は8百万円(前年同期は21百万円の損失)となった。2019年8月期第3四半期末の校舎数は前年同期末比横ばいの35校(同社直営8校、MAXIS5校、FC10校、早稲田アカデミー直営12校)、在籍生徒数は全校舎で同10.1%増の2,435名、1校舎当たり平均生徒数も同10.1%増の69.6名と順調に増加した。2019年8月期はFC校の新設がなく(前期は第2四半期に2校新設)、売上高が微増収にとどまったものの、第3四半期だけで見るとFC校を1校、直営校に異動したこともあり前年同期比14.6%増収となっている。
今後も早稲田アカデミー<4718>との教務運営会議や広告宣伝会議、合同講師研修等のアライアンスを強化し、受験指導サービスの質の向上に取り組むことで難関校への合格実績を積み上げ、生徒数の拡大を目指して行く。また、教室展開についてはFC校を増やしていく方針だ。
e) キッズ事業
キッズ事業の売上高は前年同期比30.2%増の267百万円、営業利益は6百万円(前年同期は4百万円の損失)となった。2019年8月期第3四半期末のスクール数は25スクール(直営7スクール、学童クラブ3施設、FC及び運営受託等15施設)となり、前年同期末比で6スクール増加した(学童クラブ2施設増、FC及び運営受託等で4施設増)。また、在籍スクール生数も同15.8%増の1,122名と順調に拡大している。学童保育の需要は依然旺盛なことから、同社は早期に収益化が可能なFC及び運営受託サービスでの展開を今後も強化していく方針となっている。
f) サッカー事業
サッカー事業の売上高は前年同期比1.0%減の103百万円、営業利益は8百万円(前年同期は1百万円の利益)となった。2019年8月期第3四半期末のスクール数は前年同期末比1校増の14校(直営13校、FC1校)となり、在籍スクール生数も同2.7%増の873名と13四半期ぶりに増加に転じた。スクール運営力の強化とコーチ育成に取り組むとともに、体験レッスンや春期キャンプ等のイベント実施による入会促進活動に取り組んだことが奏効した。
2019年夏には初めてスペインキャンプを開催する(8月17日−25日、募集5名)。現地プロチームの下部組織が行っている合同キャンプに約1週間参加するほか、スタジアムツアーを予定している。募集開始後、すぐに定員が一杯となるなど反響が大きかったことから、今回のキャンプが成功すれば規模を拡大して継続的に開催していくことを検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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