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グリムス Research Memo(1):小売電気事業を原動力にエネルギーソリューションカンパニーとして持続的な成長へ

注目トピックス 日本株
■要約

1. エネルギーソリューションカンパニー
グリムス<3150>は、一般家庭から工場、オフィス等の幅広い顧客を対象に、高圧から低圧まですべての電力種別の領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。創業以来、エネルギーに関する豊富な知識を有する営業社員により、顧客のニーズに合った的確なコンサルティングを続けてきたことによる、「豊富な顧客基盤による営業展開力」「他社との差別化による収益力の強さ「市場環境と成長機会」が同社グループの強みである。これまで、エネルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業による着実な収益と小売電気事業の成長により増収増益決算を続けてきたが、今後も小売電気事業を原動力にさらに業績を伸ばす計画である。加えて、次の成長戦略として、経済産業省のバーチャルパワープラント(VPP)実証事業にも参画している。

2. 2019年3月期は4期連続の最高益を達成
2019年3月期の連結業績は、売上高が121億円(前期比35.2%増)、営業利益が14億円(同37.5%増)と、創業以来14期連続の増収及び4期連続の最高益を達成し、売上高は期初計画比5.4%増、営業利益は同10.0%増の着地となった。セグメント別には小売電気事業が計画を大きく上回る増収増益であったことが好決算につながった。ROEは27.4%で収益性が高く、自己資本比率は55.4%で財務の健全性も高い。好決算を反映して、中間配当5.0円、期末配当12.0円、合計17.0円へと、3期連続で増配した。

3. 2020年3月期も更なる増収増益を予想
2020年3月期の業績予想は、売上高158億円(前期比30.4%増)、営業利益16億円(同14.2%増)と、引き続き増収増益決算を予想している。エネルギーコストソリューション事業及びスマートハウスプロジェクト事業では安定的な利益を確保する一方、本格稼働を始めた小売電気事業は、収益性の高い低圧電力需要家の顧客基盤を活用して、営業利益を大きく伸ばす見込みだ。それでも、電力契約口数の増加を保守的に見積もった控え目の業績予想である。通期の配当金は前期並みの年間17.0円を予想しているが、業績予想を達成すれば、今期も増配の可能性がありそうだ。

4. 中期経営計画では小売電気事業を原動力に成長を続ける一方、次の成長戦略にも着手
2019年6月26日に発表した2019中期経営計画では、これまで築いてきた顧客基盤を活用し急成長している小売電気事業を中心とするストック収益の拡大により、売上と利益の増加を目指す。2022年3月期には、売上高210億円(2019年3月期実績比1.73倍)、営業利益21億円(同1.50倍)を計画する。

さらに、同社では経済産業省のVPP(いくつかの小規模発電所や、電力の需要抑制システムを1つの発電所のようにまとめて制御を行うこと)実証事業に参画し、次の成長戦略にも着手している。

■Key Points
・エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供し、エルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業、小売電気事業を展開
・2019年3月期では小売電気事業が好決算をけん引、4期連続で最高益を更新し、増配を実施。財務の健全性が高く、収益性も高い
・2020年3月期も小売電気事業を中心に引き続き増収増益を予想するが、電力契約口数の増加を保守的に見積もった、控え目の業績予想である
・中期経営計画では、小売電気事業を原動力に、グループの飛躍的成長を目指す。次の成長戦略として、VPP実証事業に参画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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