テクノスJPN Research Memo(1):旺盛な投資意欲により足元業績は過去最高業績を更新
[19/08/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
テクノスジャパン<3666>は、ERP(基幹業務システム)導入支援関連事業(以下、ERP関連事業)を主力とするほか、ビッグデータ・IoT・ブロックチェーン等の活用を含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業(以下、DX推進事業)を柱に、グローバルビジネスの拡大にも注力する独立系のICTシステムサービス企業である。質の高いコンサルティング力や技術力、独自テンプレートの活用などに強みがあり、SAPを軸としたERP導入支援では、製造業を中心に200社を超える実績を誇る。デジタル化の流れが加速するなかで、ERP(企業最適)とDX(企業間連携)との組み合わせによる業界最適型の協創プラットフォームの構築や、そこで蓄積されたデータ活用による価値提供(顧客のビジネス変革)にも取り組んでいる。
なお、2018年6月に米国Lirik,Inc.(米国を中心にSIビジネスを展開)の買収により北米市場でのビジネス拡大とインドのIT人材の積極活用に向けて体制を整備した一方、TDSE(テクノスデータサイエンス・エンジニアリング<7046>)については、2018年12月に東証マザーズ市場へ上場したことに伴い、保有株式を一部売却したことから、グループ会社の範囲から除外されている(ただし、事業戦略上の関係に変化はない)。
2. 2019年3月期の連結業績
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比28.6%増の6,975百万円、営業利益が同5.4%増の782百万円と増収増益となり、過去最高業績を更新した。売上高は、TDSEを持分法適用関連会社の範囲から除外したことによる影響を受けたものの、旺盛な投資意欲を背景として、製造業、商社・小売業向けのERP関連事業が順調に伸びた。また、Lirikの連結化も増収に寄与している。利益面では、外注費の増加等により営業利益率が若干低下したものの、増収により営業増益を確保した。
3. 2020年3月期の連結業績予想
2020年3月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比17.6%増の8,200百万円、営業利益を同6.1%増の830百万円と増収増益により、過去最高の売上高、営業利益を更新する見通しである。売上高は、働き方改革の推進や労働力不足に対応したIT投資ニーズの高まりや、AIやIoTなどのICT技術の進展を背景に好調な市場環境が続くなかで、引き続きERP関連事業が大きく伸びる想定となっている。また、Lirikの連結効果を含め、海外売上高の拡大にも取り組む。利益面でも、外注費の高止まりやDX推進事業への先行投資(独自プラットフォームの構築など)により利益率は若干低下するものの、増収効果により営業増益を確保する見通しとなっている。
4. 成長戦略
同社は、会社設立25周年を迎えたことや、今後の環境変化等を見据えて、新たにミッション及びビジョンを再定義した。「企業・人・データをつなぎ社会の発展に貢献する」ことをミッションとして、「LEAD THE CONNECTED SOCIETY TO THE FUTURE 〜つながる社会の未来をリードする企業へ〜」(ビジョン)を目指す方向性である。すなわち、従来型のERP(経営情報の一元化による企業最適の基幹システム)だけでなく、DXによって企業間をデータでつなぐ業界最適型(業務の標準化や優位性の確立などに貢献)のプラットフォームビジネス構想を強く打ち出している。また、成長に向けた今後の投資領域として、「プラットフォームビジネス」のほか、「グローバルビジネス」、「人財・組織」の3つのポイントを挙げている。
弊社でも、外部要因及び内部要因の両面において、同社が持続的な成長を実現する可能性は高いとみている。特に、国内経済が成熟化を迎えるなかで、北米を中心としたグローバルビジネスの拡大やDXの本格展開を見据えた独自プラットフォームの構築により、新たな成長軸の確立を目指す戦略は理にかなっていると評価できる。今後もLirikとのシナジー創出や独自プラットフォームの具体的な進捗のほか、それに伴う収益構造の変化などにも注目していきたい。
■Key Points
・2019年3月期業績は、旺盛な投資意欲を背景に増収増益となり、過去最高業績を更新
・米国企業の買収やグループ会社の上場などでも一定の成果
・2020年3月期の業績も引き続き増収増益を見込む
・会社設立25周年を迎え、新たにミッション、ビジョンを再定義。DXの本格展開を見据え、ERP(企業最適)と独自の協創プラットフォーム(業界最適)の組み合わせでDX推進を加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
テクノスジャパン<3666>は、ERP(基幹業務システム)導入支援関連事業(以下、ERP関連事業)を主力とするほか、ビッグデータ・IoT・ブロックチェーン等の活用を含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業(以下、DX推進事業)を柱に、グローバルビジネスの拡大にも注力する独立系のICTシステムサービス企業である。質の高いコンサルティング力や技術力、独自テンプレートの活用などに強みがあり、SAPを軸としたERP導入支援では、製造業を中心に200社を超える実績を誇る。デジタル化の流れが加速するなかで、ERP(企業最適)とDX(企業間連携)との組み合わせによる業界最適型の協創プラットフォームの構築や、そこで蓄積されたデータ活用による価値提供(顧客のビジネス変革)にも取り組んでいる。
なお、2018年6月に米国Lirik,Inc.(米国を中心にSIビジネスを展開)の買収により北米市場でのビジネス拡大とインドのIT人材の積極活用に向けて体制を整備した一方、TDSE(テクノスデータサイエンス・エンジニアリング<7046>)については、2018年12月に東証マザーズ市場へ上場したことに伴い、保有株式を一部売却したことから、グループ会社の範囲から除外されている(ただし、事業戦略上の関係に変化はない)。
2. 2019年3月期の連結業績
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比28.6%増の6,975百万円、営業利益が同5.4%増の782百万円と増収増益となり、過去最高業績を更新した。売上高は、TDSEを持分法適用関連会社の範囲から除外したことによる影響を受けたものの、旺盛な投資意欲を背景として、製造業、商社・小売業向けのERP関連事業が順調に伸びた。また、Lirikの連結化も増収に寄与している。利益面では、外注費の増加等により営業利益率が若干低下したものの、増収により営業増益を確保した。
3. 2020年3月期の連結業績予想
2020年3月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比17.6%増の8,200百万円、営業利益を同6.1%増の830百万円と増収増益により、過去最高の売上高、営業利益を更新する見通しである。売上高は、働き方改革の推進や労働力不足に対応したIT投資ニーズの高まりや、AIやIoTなどのICT技術の進展を背景に好調な市場環境が続くなかで、引き続きERP関連事業が大きく伸びる想定となっている。また、Lirikの連結効果を含め、海外売上高の拡大にも取り組む。利益面でも、外注費の高止まりやDX推進事業への先行投資(独自プラットフォームの構築など)により利益率は若干低下するものの、増収効果により営業増益を確保する見通しとなっている。
4. 成長戦略
同社は、会社設立25周年を迎えたことや、今後の環境変化等を見据えて、新たにミッション及びビジョンを再定義した。「企業・人・データをつなぎ社会の発展に貢献する」ことをミッションとして、「LEAD THE CONNECTED SOCIETY TO THE FUTURE 〜つながる社会の未来をリードする企業へ〜」(ビジョン)を目指す方向性である。すなわち、従来型のERP(経営情報の一元化による企業最適の基幹システム)だけでなく、DXによって企業間をデータでつなぐ業界最適型(業務の標準化や優位性の確立などに貢献)のプラットフォームビジネス構想を強く打ち出している。また、成長に向けた今後の投資領域として、「プラットフォームビジネス」のほか、「グローバルビジネス」、「人財・組織」の3つのポイントを挙げている。
弊社でも、外部要因及び内部要因の両面において、同社が持続的な成長を実現する可能性は高いとみている。特に、国内経済が成熟化を迎えるなかで、北米を中心としたグローバルビジネスの拡大やDXの本格展開を見据えた独自プラットフォームの構築により、新たな成長軸の確立を目指す戦略は理にかなっていると評価できる。今後もLirikとのシナジー創出や独自プラットフォームの具体的な進捗のほか、それに伴う収益構造の変化などにも注目していきたい。
■Key Points
・2019年3月期業績は、旺盛な投資意欲を背景に増収増益となり、過去最高業績を更新
・米国企業の買収やグループ会社の上場などでも一定の成果
・2020年3月期の業績も引き続き増収増益を見込む
・会社設立25周年を迎え、新たにミッション、ビジョンを再定義。DXの本格展開を見据え、ERP(企業最適)と独自の協創プラットフォーム(業界最適)の組み合わせでDX推進を加速
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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