TOKAI Research Memo(4):顧客獲得施策と成長投資に注力するため20年3月期業績は期初計画を据え置く
[19/08/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2020年3月期業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.8%増の200,800百万円、営業利益が同8.5%増の14,170百万円、経常利益が同5.9%増の14,040百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%増の8,230百万円と期初計画を据え置いている。第1四半期の営業利益は社内計画比では6.5憶円程度上回ったが、グループ顧客件数で前期末比10万件増の300万件を達成すべく、第2四半期以降に顧客獲得及び解約防止コストの積み増しを予定しているためだ。また、2021年3月期以降の成長戦略となる「ABCIR+S」関連の投資費用で約5億円、エンジニアを中心とした人材の積極採用による人件費の増加で約14億円を見込んでいる。「ABCIR+S」に関してはデジタルマーケティング活用推進本部を立ち上げ、グループ会社の本部長を集めてプロジェクトの検討を開始している。
主要事業の業績見通しについては以下のとおり。
(1) ガス及び石油事業
ガス及び石油事業に関しては顧客件数の拡大や仕入コスト減少等により増収増益を見込んでいる。LPガス事業の顧客件数は前期末比56千件増の684千件を見込んでいる。純増分のうち32千件は既存営業エリアで、23千件は新規営業エリアでそれぞれ商圏買収を進めながら獲得していく方針だ。新規営業エリアに関しては、2019年4月に三重県津市で営業を開始したのに続き、第4四半期に愛知県愛西市に進出する予定となっている。新規営業エリアは合計10拠点となるが、今後もM&Aも視野に入れながら拡大していく予定となっている。新規営業エリアは進出後、5年間で1万件の顧客獲得を目標としており、今のところ順調に進んでいる。新規営業エリアの顧客件数については、2019年3月期末の27千件から2020年3月期は50千件、2021年3月期は70件に拡大する計画となっている。なお、LPガスの原材料価格は今後も変動する可能性があるものの、2020年3月期の仕入れ分の一部(家庭用のみ)については前期水準を下回る価格で予約を終えており増益要因となる。
一方、都市ガス事業については顧客件数で前期末比5千件増の61千件を計画している。ただ、この5千件の増加分は2020年4月より事業譲受により営業を開始する秋田県にかほ市の顧客分となるため、売上に寄与するのは2021年3月期からとなる。2020年3月期については群馬県下仁田町の約1千件分、売上高で1.4億円程度の増収効果が見込まれる。
(2) 情報及び通信サービス事業
情報通信サービス事業は1ケタ台前半の増収増益となる見通し。コンシューマー向けについては顧客件数で前期末比1千件減の1,003千件(内訳は従来型ISP等で35千件減の384千件、光コラボで18千件増の345千件、「LIBMO」で21千件増の62千件、モバイルで5千件減の212千件)を見込んでいるが、減少幅は4千件程度に拡大する可能性がある。光コラボが競争激化で若干ながら減少に転じているほか、「LIBMO」の増加ペースも緩やかなためだ。光コラボに関しては大手携帯キャリアとの競争が激しいため、コストコントロールを行いながら現状水準をキープしていく考えだ。一方、法人向けについては引き続きクラウドサービス市場の拡大を追い風に、好調な業績を見込んでいる。
(3) CATV事業、アクア事業
CATV事業は、携帯キャリアとの連携によるセット販売施策により、顧客件数で前期末比27千件増の1,090千件を見込んでおり、業績については若干の増収増益を見込んでいる。4K/8K放送に対応した光化投資(前期比3億円増の58億円)をグループ各社で進めていく計画となっており、利益率もほぼ前期並みの水準となる見通しだ。
アクア事業は、主要都市における大型商業施設等での店頭実演販売により、顧客件数で前期末比11千件増の167千件を見込んでいる。第1四半期は前期末比で1千件の増加にとどまったため、第2四半期以降は顧客獲得コストを積み増して、顧客獲得を強化していく方針となっている。このため、売上高は顧客件数増により前期比1ケタ台後半の増収となるが、利益面では横ばい水準にとどまる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
1. 2020年3月期業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.8%増の200,800百万円、営業利益が同8.5%増の14,170百万円、経常利益が同5.9%増の14,040百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%増の8,230百万円と期初計画を据え置いている。第1四半期の営業利益は社内計画比では6.5憶円程度上回ったが、グループ顧客件数で前期末比10万件増の300万件を達成すべく、第2四半期以降に顧客獲得及び解約防止コストの積み増しを予定しているためだ。また、2021年3月期以降の成長戦略となる「ABCIR+S」関連の投資費用で約5億円、エンジニアを中心とした人材の積極採用による人件費の増加で約14億円を見込んでいる。「ABCIR+S」に関してはデジタルマーケティング活用推進本部を立ち上げ、グループ会社の本部長を集めてプロジェクトの検討を開始している。
主要事業の業績見通しについては以下のとおり。
(1) ガス及び石油事業
ガス及び石油事業に関しては顧客件数の拡大や仕入コスト減少等により増収増益を見込んでいる。LPガス事業の顧客件数は前期末比56千件増の684千件を見込んでいる。純増分のうち32千件は既存営業エリアで、23千件は新規営業エリアでそれぞれ商圏買収を進めながら獲得していく方針だ。新規営業エリアに関しては、2019年4月に三重県津市で営業を開始したのに続き、第4四半期に愛知県愛西市に進出する予定となっている。新規営業エリアは合計10拠点となるが、今後もM&Aも視野に入れながら拡大していく予定となっている。新規営業エリアは進出後、5年間で1万件の顧客獲得を目標としており、今のところ順調に進んでいる。新規営業エリアの顧客件数については、2019年3月期末の27千件から2020年3月期は50千件、2021年3月期は70件に拡大する計画となっている。なお、LPガスの原材料価格は今後も変動する可能性があるものの、2020年3月期の仕入れ分の一部(家庭用のみ)については前期水準を下回る価格で予約を終えており増益要因となる。
一方、都市ガス事業については顧客件数で前期末比5千件増の61千件を計画している。ただ、この5千件の増加分は2020年4月より事業譲受により営業を開始する秋田県にかほ市の顧客分となるため、売上に寄与するのは2021年3月期からとなる。2020年3月期については群馬県下仁田町の約1千件分、売上高で1.4億円程度の増収効果が見込まれる。
(2) 情報及び通信サービス事業
情報通信サービス事業は1ケタ台前半の増収増益となる見通し。コンシューマー向けについては顧客件数で前期末比1千件減の1,003千件(内訳は従来型ISP等で35千件減の384千件、光コラボで18千件増の345千件、「LIBMO」で21千件増の62千件、モバイルで5千件減の212千件)を見込んでいるが、減少幅は4千件程度に拡大する可能性がある。光コラボが競争激化で若干ながら減少に転じているほか、「LIBMO」の増加ペースも緩やかなためだ。光コラボに関しては大手携帯キャリアとの競争が激しいため、コストコントロールを行いながら現状水準をキープしていく考えだ。一方、法人向けについては引き続きクラウドサービス市場の拡大を追い風に、好調な業績を見込んでいる。
(3) CATV事業、アクア事業
CATV事業は、携帯キャリアとの連携によるセット販売施策により、顧客件数で前期末比27千件増の1,090千件を見込んでおり、業績については若干の増収増益を見込んでいる。4K/8K放送に対応した光化投資(前期比3億円増の58億円)をグループ各社で進めていく計画となっており、利益率もほぼ前期並みの水準となる見通しだ。
アクア事業は、主要都市における大型商業施設等での店頭実演販売により、顧客件数で前期末比11千件増の167千件を見込んでいる。第1四半期は前期末比で1千件の増加にとどまったため、第2四半期以降は顧客獲得コストを積み増して、顧客獲得を強化していく方針となっている。このため、売上高は顧客件数増により前期比1ケタ台後半の増収となるが、利益面では横ばい水準にとどまる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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