アイエスビー Research Memo(2):情報サービス、セキュリティシステムの両セグメントが順調に拡大し、増収増益
[19/09/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
1. 2019年12月期第2四半期決算の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2019年12月期第2四半期決算は、売上高10,992百万円(前年同期比26.5%増)、営業利益583百万円(同12.3%増)、経常利益601百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益325百万円(同9.8%減)と、増収増益で着地した。
期初予想に対しては、売上高はほぼ計画線だったが、営業利益以下の各利益項目は計画を大きく上回った。
同社は情報サービスとセキュリティシステムの2つのセグメントからなるが、そのセグメント別動向は以下のとおり。
情報サービスセグメントは売上高9,175百万円(前年同期比32.0%増)、営業利益405百万円(同9.4%増)となった。好調な企業収益を背景にSIやソフト開等の需要が旺盛な中、技術力もさることながら、グループ会社を生かしたコスト競争力や、M&Aによる能力拡大などの利点を生かして受注拡大に努め、売上高を伸ばした。利益面では、ニアショア・オフショア戦略の効果や外部のパートナー企業との連携、新規連結効果等により増益を確保した。売上高営業利益率は4.4%と前年同期の5.4%から低下しているが、これは新規連結2社ののれん償却によるもので、実態ベース(例えばEBITDAマージン)で見た場合には収益力は着実に改善しているとみられる。
セキュリティシステムセグメントは、売上高1,860百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益165百万円(同17.7%増)と増収増益となった。このセグメントは子会社の(株)アートが手掛けるセキュリティシステムがその内容だが、出入管理、入退室管理等の新型プラットフォーム「ALLIGATE」を活用した、各種新製品や駐車場向けゲート自動開閉システム「シェアゲート」の販売が好調で、収益が伸長した。売上高営業利益率は8.9%と、前年同期の7.9%から拡大したが、上記の新製品のリリースが利益率の面でもプラスに寄与したとみられる。
新規連結効果もあり、「業務システム」や「フィールドサービス」が大幅増収。主力の「組込み」も車載向け需要にけん引されて順調に拡大
2. 分野別動向
(1) 「組込み」
車載と医療、家電・AVなどの業界向けに順調な成長が続いており、この3分野で売上の約半分を占めている。下期は上期(第2四半期累計期間。以下同じ)比増収を予想しているが、その主要なけん引役は車載系業務で、同社の狙いどおりの動きが続いている。
(2) 「携帯端末」・「モバイルインフラ」
両分野とも携帯端末市場における日本勢の勢力減退に伴い、同社の売上高も長期縮小傾向にある。しかしながら、「携帯端末」においては機器向け組込みからアプリ開発へのシフトにより、また「モバイルインフラ」については保守・メンテナンス需要により、ともに2019年12月期辺りをベースラインの水準として下げ止まりの方向にある。
(3) 「業務システム」
企業の旺盛なIT投資需要が続くなか、(株)テイクスとコンピュータハウス(株)の子会社化によって上期は大幅増収となった。下期はグループ連携を強化し、更なる増収を計画している。
(4) 「金融」・「公共」
「金融」はテイクスの新規連結、「公共」については改元効果などによって上期は、前年同期比増収となったものの、下期は上期比では減収を見込んでいる。両分野ともに投資抑制や案件数の減少で、需要が弱い状況にあることが背景にある。
(5) 「フィールドサービス」
上期はテイクス分の貢献で増収となった。下期もクラウド関連などの強い需要を背景に受注・売上をさらに伸長させる計画だ。
(6) 「プロダクト事業」
上期は中核のアート(セキュリティシステム事業)を始め、MDM事業、L-Share事業などが伸びて前年同期比増収を確保した。下期も上期と同様の事業環境のなか、前年同期比増収を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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1. 2019年12月期第2四半期決算の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2019年12月期第2四半期決算は、売上高10,992百万円(前年同期比26.5%増)、営業利益583百万円(同12.3%増)、経常利益601百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益325百万円(同9.8%減)と、増収増益で着地した。
期初予想に対しては、売上高はほぼ計画線だったが、営業利益以下の各利益項目は計画を大きく上回った。
同社は情報サービスとセキュリティシステムの2つのセグメントからなるが、そのセグメント別動向は以下のとおり。
情報サービスセグメントは売上高9,175百万円(前年同期比32.0%増)、営業利益405百万円(同9.4%増)となった。好調な企業収益を背景にSIやソフト開等の需要が旺盛な中、技術力もさることながら、グループ会社を生かしたコスト競争力や、M&Aによる能力拡大などの利点を生かして受注拡大に努め、売上高を伸ばした。利益面では、ニアショア・オフショア戦略の効果や外部のパートナー企業との連携、新規連結効果等により増益を確保した。売上高営業利益率は4.4%と前年同期の5.4%から低下しているが、これは新規連結2社ののれん償却によるもので、実態ベース(例えばEBITDAマージン)で見た場合には収益力は着実に改善しているとみられる。
セキュリティシステムセグメントは、売上高1,860百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益165百万円(同17.7%増)と増収増益となった。このセグメントは子会社の(株)アートが手掛けるセキュリティシステムがその内容だが、出入管理、入退室管理等の新型プラットフォーム「ALLIGATE」を活用した、各種新製品や駐車場向けゲート自動開閉システム「シェアゲート」の販売が好調で、収益が伸長した。売上高営業利益率は8.9%と、前年同期の7.9%から拡大したが、上記の新製品のリリースが利益率の面でもプラスに寄与したとみられる。
新規連結効果もあり、「業務システム」や「フィールドサービス」が大幅増収。主力の「組込み」も車載向け需要にけん引されて順調に拡大
2. 分野別動向
(1) 「組込み」
車載と医療、家電・AVなどの業界向けに順調な成長が続いており、この3分野で売上の約半分を占めている。下期は上期(第2四半期累計期間。以下同じ)比増収を予想しているが、その主要なけん引役は車載系業務で、同社の狙いどおりの動きが続いている。
(2) 「携帯端末」・「モバイルインフラ」
両分野とも携帯端末市場における日本勢の勢力減退に伴い、同社の売上高も長期縮小傾向にある。しかしながら、「携帯端末」においては機器向け組込みからアプリ開発へのシフトにより、また「モバイルインフラ」については保守・メンテナンス需要により、ともに2019年12月期辺りをベースラインの水準として下げ止まりの方向にある。
(3) 「業務システム」
企業の旺盛なIT投資需要が続くなか、(株)テイクスとコンピュータハウス(株)の子会社化によって上期は大幅増収となった。下期はグループ連携を強化し、更なる増収を計画している。
(4) 「金融」・「公共」
「金融」はテイクスの新規連結、「公共」については改元効果などによって上期は、前年同期比増収となったものの、下期は上期比では減収を見込んでいる。両分野ともに投資抑制や案件数の減少で、需要が弱い状況にあることが背景にある。
(5) 「フィールドサービス」
上期はテイクス分の貢献で増収となった。下期もクラウド関連などの強い需要を背景に受注・売上をさらに伸長させる計画だ。
(6) 「プロダクト事業」
上期は中核のアート(セキュリティシステム事業)を始め、MDM事業、L-Share事業などが伸びて前年同期比増収を確保した。下期も上期と同様の事業環境のなか、前年同期比増収を計画している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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