OKウェイヴ Research Memo(1):顧客資産やビッグデータにフィンテックを掛け合わせ新たな経済圏の創出目指す
[19/09/19]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
オウケイウェイヴ<3808>は、個人向けのQ&Aシステムや法人向けのFAQサービスを軸にサービスを提供するソリューションプロバイダーである。
個人向けには2000年1月より日本初最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」を運営し、利用者の問い合わせに回答することでサービスを提供している。また、利用者の質問に専門家や企業も回答する「OKWAVE PROFESSIONAL.」も提供している。
法人向けには、「OKWAVE」の運営ノウハウをもとに、国内シェアNo.1のFAQシステム「OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support」、Q&Aコミュニティの解決力を活用する顧客参加型サポートコミュニティツール「OKBIZ. for Community Support」などを提供し、大手企業や自治体など600サイト以上に導入している。2017年より始めたブロックチェーンや金融関係企業の子会社化に加え、2019年7月からは代表取締役社長の松田氏が中心となりフィンテック事業の確立を目指す。M&Aで子会社化した各社と既存事業とのシナジーを強化し、同社ならではの感謝の気持ちを価値として利用できる経済圏「感謝経済」の創出を目指す。
1. 事業概要
同社の事業セグメントは、コンシューマー・サービス事業、エンタープライズ・ソリューション事業、インバウンド・ソリューション事業、フィンテック事業の4事業である。
コンシューマー・サービス事業では、日本初、最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」、3,000名以上の専門家が質問者に回答する「OKWAVE PROFESSIONAL.」などのサービス運営を行っている。加えて、感謝されている人を可視化し、賛同企業等からの優待が受けられる感謝経済プラットフォーム、「OKWAVE GRATICA」の導入や、ブロックチェーン導入・運用のコンサルティング、マーケティングのサポートを行っている。
エンタープライズ・ソリューション事業では、企業への問い合わせの中でよくある質問を管理・編集し、回答をインターネット上に公開することで、問い合わせを減少させるという企業向けソリューション「OKBIZ.」を提供している。
インバウンド・ソリューション事業は、連結子会社の(株)ブリックスが運営する24時間365日体制の多言語コンタクトセンターである。通訳センターでのバイリンガルスタッフによる多言語対応や、官公庁からの多言語システム開発業務を請負っている。
フィンテック事業では、子会社OKfinc LTD.とOBC(社名:OK BLOCKCHAIN CENTRE SDN.BHD.)にてブロックチェーン・ベースのシステムの受託開発を行っている。
2. 2019年6月期業績
2019年6月期の全社業績は売上高4,892百万円(前期比29.2%増、計画比11.0%減)、営業利益1,071百万円(前期比11.9%減、計画比28.6%減)、経常利益901百万円(前期比24.5%減、計画比39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益629百万円(前期比41.3%減、計画比58.0%減)となった。
フィンテック事業において前期ほどの大型案件の受注には至らなかったこと、新たな成長に向けた新規事業構築や人材に関する費用がかさんだこと、有価証券評価損などを計上したことなどもあり、計画は未達であった。
しかし、子会社における専門性の高い付加価値サービスの提供、開発案件による原価構造の改善を始め、業務効率の改善、外注費や広告宣伝費等の適正な運用が進み、すべてのセグメントで増収増益を達成した。事業基盤、収益基盤は着実に強化されている。
3. 今後の見通し
2020年6月期の業績予想は未開示となっている。フィンテック事業について、市場環境に収益が左右される面があること、投資、育成フェーズにあり、今後さらに資源配分を強化し、更なる投資の可能性もあり、業績が大きく変動する可能性もあるためである。
しかし、フィンテック以外の事業(コンシューマー・サービス事業、エンタープライズ・ソリューション事業、インバウンド・ソリューション事業)では、OKBIZ.シリーズによる法人向けサービスの伸長、Palantir Technologies Inc.(以下、パランティア)の製品拡販による新たな収益の創出、インバウンド向け需要の更なる拡大などにより、2019年6月期に比べ2ケタの増収成長を目指しており、着実な上積みが見込まれる。
同社は2019年8月に3ヶ年の中期経営計画を発表した。1)感謝コミュニティの拡大と収益力の向上、2)Palantir Technologies Inc.のサービス展開、3)フィンテック事業の確立、という3つの取り組みを中心に各事業のシナジーを模索する。また、2019年7月に事業セグメントをソリューション事業(仮称)、フィンテック事業、インバウンド・ソリューション事業の3つに変更し、成長性の高いフィンテック事業を軸として育てる体制を作っている。顧客基盤や蓄積されたビッグデータという同社ならではの強みにフィンテック事業を掛け合わせることで、感謝の気持ちを価値として利用できる経済圏「感謝経済」の実現を目指す。
■Key Points
・日本最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」、法人向けFAQシステム「OKBIZ.」など安定したサービスで収益基盤を築きつつ、フィンテックを積極的に取り込み新たなシナジーを狙う
・2019年6月期は計画未達も全セグメントで増収増益を達成し、基盤強化に成功
・同社ならではの強みにフィンテックを掛け合わせることで、感謝の気持ちを価値として利用できる経済圏「感謝経済」の実現を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
<YM>
オウケイウェイヴ<3808>は、個人向けのQ&Aシステムや法人向けのFAQサービスを軸にサービスを提供するソリューションプロバイダーである。
個人向けには2000年1月より日本初最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」を運営し、利用者の問い合わせに回答することでサービスを提供している。また、利用者の質問に専門家や企業も回答する「OKWAVE PROFESSIONAL.」も提供している。
法人向けには、「OKWAVE」の運営ノウハウをもとに、国内シェアNo.1のFAQシステム「OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support」、Q&Aコミュニティの解決力を活用する顧客参加型サポートコミュニティツール「OKBIZ. for Community Support」などを提供し、大手企業や自治体など600サイト以上に導入している。2017年より始めたブロックチェーンや金融関係企業の子会社化に加え、2019年7月からは代表取締役社長の松田氏が中心となりフィンテック事業の確立を目指す。M&Aで子会社化した各社と既存事業とのシナジーを強化し、同社ならではの感謝の気持ちを価値として利用できる経済圏「感謝経済」の創出を目指す。
1. 事業概要
同社の事業セグメントは、コンシューマー・サービス事業、エンタープライズ・ソリューション事業、インバウンド・ソリューション事業、フィンテック事業の4事業である。
コンシューマー・サービス事業では、日本初、最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」、3,000名以上の専門家が質問者に回答する「OKWAVE PROFESSIONAL.」などのサービス運営を行っている。加えて、感謝されている人を可視化し、賛同企業等からの優待が受けられる感謝経済プラットフォーム、「OKWAVE GRATICA」の導入や、ブロックチェーン導入・運用のコンサルティング、マーケティングのサポートを行っている。
エンタープライズ・ソリューション事業では、企業への問い合わせの中でよくある質問を管理・編集し、回答をインターネット上に公開することで、問い合わせを減少させるという企業向けソリューション「OKBIZ.」を提供している。
インバウンド・ソリューション事業は、連結子会社の(株)ブリックスが運営する24時間365日体制の多言語コンタクトセンターである。通訳センターでのバイリンガルスタッフによる多言語対応や、官公庁からの多言語システム開発業務を請負っている。
フィンテック事業では、子会社OKfinc LTD.とOBC(社名:OK BLOCKCHAIN CENTRE SDN.BHD.)にてブロックチェーン・ベースのシステムの受託開発を行っている。
2. 2019年6月期業績
2019年6月期の全社業績は売上高4,892百万円(前期比29.2%増、計画比11.0%減)、営業利益1,071百万円(前期比11.9%減、計画比28.6%減)、経常利益901百万円(前期比24.5%減、計画比39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益629百万円(前期比41.3%減、計画比58.0%減)となった。
フィンテック事業において前期ほどの大型案件の受注には至らなかったこと、新たな成長に向けた新規事業構築や人材に関する費用がかさんだこと、有価証券評価損などを計上したことなどもあり、計画は未達であった。
しかし、子会社における専門性の高い付加価値サービスの提供、開発案件による原価構造の改善を始め、業務効率の改善、外注費や広告宣伝費等の適正な運用が進み、すべてのセグメントで増収増益を達成した。事業基盤、収益基盤は着実に強化されている。
3. 今後の見通し
2020年6月期の業績予想は未開示となっている。フィンテック事業について、市場環境に収益が左右される面があること、投資、育成フェーズにあり、今後さらに資源配分を強化し、更なる投資の可能性もあり、業績が大きく変動する可能性もあるためである。
しかし、フィンテック以外の事業(コンシューマー・サービス事業、エンタープライズ・ソリューション事業、インバウンド・ソリューション事業)では、OKBIZ.シリーズによる法人向けサービスの伸長、Palantir Technologies Inc.(以下、パランティア)の製品拡販による新たな収益の創出、インバウンド向け需要の更なる拡大などにより、2019年6月期に比べ2ケタの増収成長を目指しており、着実な上積みが見込まれる。
同社は2019年8月に3ヶ年の中期経営計画を発表した。1)感謝コミュニティの拡大と収益力の向上、2)Palantir Technologies Inc.のサービス展開、3)フィンテック事業の確立、という3つの取り組みを中心に各事業のシナジーを模索する。また、2019年7月に事業セグメントをソリューション事業(仮称)、フィンテック事業、インバウンド・ソリューション事業の3つに変更し、成長性の高いフィンテック事業を軸として育てる体制を作っている。顧客基盤や蓄積されたビッグデータという同社ならではの強みにフィンテック事業を掛け合わせることで、感謝の気持ちを価値として利用できる経済圏「感謝経済」の実現を目指す。
■Key Points
・日本最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」、法人向けFAQシステム「OKBIZ.」など安定したサービスで収益基盤を築きつつ、フィンテックを積極的に取り込み新たなシナジーを狙う
・2019年6月期は計画未達も全セグメントで増収増益を達成し、基盤強化に成功
・同社ならではの強みにフィンテックを掛け合わせることで、感謝の気持ちを価値として利用できる経済圏「感謝経済」の実現を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
<YM>