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GMOペパボ Research Memo(3):ストック型のホスティング事業とEC支援事業を両輪に成長

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. 事業セグメント
GMOペパボ<3633>が手掛ける事業は、レンタルサーバー「ロリポップ!」、ドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」などのホスティング事業、ネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」などのEC支援事業、ハンドメイドマーケット「minne」から成るハンドメイド事業の3つの事業セグメントと、その他の事業(ブログサービス「JUGEM」、フリーランス向け金融支援サービス「FREENANCE」など)で構成されている。2019年12月期第2四半期累計の事業セグメント別売上構成比は、ホスティング事業51.4%、EC支援事業26.8%、ハンドメイド事業18.9%、その他2.9%となっている。

(1) ホスティング事業
Webサイトやホームページを開設するためのサーバーや各種機能、ドメイン等を提供し、各サービスの利用料を売上として計上するストック型のビジネスモデルとなる。主要サービスは以下のとおり。

a) ロリポップ!
インターネット初心者からヘビーユーザーまで幅広い層をターゲットとしたレンタルサーバーサービスで、同事業セグメントの売上高の4割弱、利益の6割強を占める主力サービス。敷居の高かったホスティングサービスを誰でも気楽に使えるように月額100円※からという低価格帯で提供したことで、個人向けレンタルサーバー市場を開拓する先駆者となった。簡単にホームページを作成できる豊富なマニュアルやレスポンスの早いカスタマーサービスに加えて、ホームページ作成のために必要なソフトウェアや各種ASPサービスも提供する。足元は様々な料金プランやオプションサービスの提供により、個人事業主から中小企業まで顧客対象を広げている。

※月額基本料金プランは、100円、250円、500円(標準プラン)、2,000円の4プランに加えて、2019年9月より1,000円の「ハイスピード」プランを提供開始している。


また、2018年4月には新サービスとして「ロリポップ!マネージドクラウド」の正式版をリリースしている。独自開発したコンテナ型仮想化技術を活用して、一時的なアクセス集中時でも高速かつ安定的な稼働を実現したサービスとなる。顧客ターゲットはWebサイトへのアクセスが集中し、閲覧不能となるリスクがあるユーザー(個人のクリエイターや中小企業等)となる。料金プランは月額基本料金980円+従量課金制となっている。

b) ムームードメイン
低価格のドメイン取得代行サービスで、ドメイン登録をオンライン上で簡単に行えることが特徴となっている。従来は、ドメイン取得までに申請書類の郵送など手続きに手間が掛かったが、同サービスの開始により個人によるドメイン取得が一気に広がり、2019年6月末の契約数は122万件に達している。同事業セグメントの売上高の5割弱、利益の2割弱を占めている。代行サービスのため利益率は他のサービスよりも相対的に低い。

(2) EC支援事業
EC(電子商取引)の運営を支援するネットショップ開業・作成サービスなどを格安の料金で提供する。サービスの利用料金や手数料を売上計上するストック型のビジネスモデルとなる。主要サービスは以下のとおり。

a) カラーミーショップ
ネットショップの運営初心者でもブログを作成する感覚で簡単かつ低料金で開店できるシステムとなっているのが特徴で、2019年6月末の契約件数は4.2万件と国内の有料サービス※では最大手となっている。個人商店から大規模販売店まで幅広いニーズに応える豊富な機能を備えているほか、デザインを細かくカスタマイズすることが可能なため、クリエイターが作品や自主CDを販売するなど自己表現の場としても活用されている。同事業セグメント売上高の6割弱、利益の9割強を占める主力サービスとなっている。また、2017年11月よりリピート通販サービス「カラーミーリピート」のサービス提供も開始している。

※月額基本料金プランは、834円、1,234円、3,000円(標準プラン)、7,223円と4つのプランを用意している。


b) SUZURI(スズリ)
自身で制作したイラストや写真の画像をサイトにアップロードするだけで、Tシャツ、マグカップ、スマートフォンケースなど様々なオリジナルグッズを作成・販売できるサービス。初期投資費用や在庫管理などのリスクがなく、アイテムの作成(製作は外部委託)から配送までを「SUZURI」で一貫してサポートするため、安心して作品の販売や購入ができる。

c) Canvath(キャンバス)
自身がデザインしたイラストや撮影した写真をアップロードするだけで、スマートフォンアクセサリーやマグカップ、Tシャツなどオリジナルのグッズが作成できるサービス。ネットショップオーナーやクリエイターが「Canvath」を利用することで、オリジナルグッズを1個から最安値で仕入れることができる。ネットショップを運営している場合には、オリジナルグッズがショップで売れた後に、「Canvath」上で発注することで在庫リスクなく、ショップ運営することが可能となる。2018年4月に(株)ベーシックから譲受した事業となる。

d) グーペ
簡単ホームページ作成サービス。飲食店を始め、美容院、マッサージ、ネイルサロンなどのひな形が用意されており、ホームページ作成経験のない初心者でもデザイン性の高いホームページを作成することが可能となっている。

(3) ハンドメイド事業
インターネット上で手軽に手作り作品の展示・販売ができる国内最大のハンドメイドマーケット「minne」の事業で、販売手数料(取引額の10%)が主な売上となる。「minne」の特徴は、ホームページ作成経験のない初心者でも簡単に販売機能を備えたギャラリーページの作成ができることにあり、決済は「minne」が代行するため作家と購入者が安心して作品を売買できる場として利用されている。カテゴリー別売上比率(2018年)は、アクセサリーが25%、バッグ・財布・小物が13%と両カテゴリーで3割強を占め、また、ハンドメイド作品の製作に必要となる生地・糸や各種パーツなど素材の売上比率も11%を占めている。流通量の拡大とともに、取扱ジャンルも多岐に広がってきている。2019年6月末時点の登録作家数は54万人、登録作品数は998万点、アプリダウンロード数は1,073万件となっている。

(4) その他
ブログなどインターネット上でのコミュニケーションを軸とした各種サービスを提供しており、無料サービスについては広告掲載料、有料サービスについては利用料金や手数料を主な売上としている。主要サービスとなる JUGEM(ジュゲム)は、デザイン性の高さと使いやすいインターフェースを強みとするブログサービスで、細部までカスタマイズできる自由度の高いシステムが特徴となっている。ユーザーの用途によって手軽な無料プラン(ブログに広告が表示される)と、多くの機能が利用でき、広告が表示されない有料プラン「JUGEM PLUS」(月額300円)がある。

また、2019年2月に子会社化したGMOクリエイターズネットワークの事業も2019年12月期より加わっている。現在の主力サービスは編集プロダクションサービスとなる「studio woofoo(スタジオウーフー)」※だが、今後は新サービスとなるフリーランス向け金融支援サービス「FREENANCE」に注力していく方針。同サービスはフリーランスと取引先の間に立ち、フリーランスが取引先に請求する金額(報酬額)を取引先に代わって即日支払するサービスで、請求額の3〜10%を手数料として利用者から受け取るビジネスモデルとなる。請求書(売掛債権)の買取限度額は1回につき300万円までとし、各種補償サービス(業務遂行中の事故や情報漏えい等によって生じた損害補償等)も無料で付いている。

※原稿やWebサイトの制作、撮影等の各種コンテンツ制作をクライアント企業から受注し、約2万人の登録クリエイターに発注、同社が品質チェックを行った上で、クライアント企業に納品するビジネスモデルとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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