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スカラ Research Memo(9):2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円目標(1)

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

2. 中期経営計画について
スカラ<4845>は2019年8月に2030年までの中期経営計画を発表した。業績が順調に成長を続け財務基盤も含めて安定化してきたなかで、更なる成長を目指すため経営理念の再定義し壮大な目標を掲げることで、社員のモチベーションを高め、成長の原動力にしていくことが狙いとなっている。

(1) 新経営理念
a) ビジョン(目指すもの):人々の幸せと人類の進歩に貢献する
「価値が溢れ出てくる社会」を実現することにより経営ビジョンを達成する。具体的には、価値とそれを認める人を発見し、適切なタイミングで届けること、また、既存の価値を超えるものと創造し続け、新たな価値や技術が生まれるサイクルを促進することを指す。

同社ではビジネスと社会貢献を両立するCSVの考え方を「共創」により世の中に広めていくSCSV(Scala Co-creating Shared Value)を提唱しており、同様の考えを持つ企業とともに事業を展開していく方針を示している。

b) ミッション(果たすべき役割):世界に求められる理想的な企業へ
IT事業領域における直接的な社会貢献に加え、様々な領域で人々の幸せに間接的に貢献していくことを日本だけでなく、世界規模で取り組んでいく。また、埋もれた価値を同社独自の仕組みで掘り起して顕在化させ、世の中の発展スピードのアクセラレータとなり、また、それに必要となるコミュニケーションツールやサービスを創り出し、「ITを利用した新しいビジネス展開モデルで世界のトップ」を目指していく。

c) バリュー(価値観・行動指針):挑み続ける人に無限の可能性を
目標を達成するためにあるべき社員の価値観・行動指針として、「夢にこだわる、正々堂々、あきらめない、互い高め合う」といった4つを掲げている。

同社では「価値が溢れ出てくる世界」を実現していくために必要な「コミュニケーションの促進」「価値の見える化」を含む『価値創造プラットフォーム』をIT/AI/IoT技術、外部リソースを含む人財、企業や個人が持つ知財、投資ファンドの資金等を活用して構築し、展開していくことで成長を目指して方針だ。

(2) 基本方針
中期経営計画の中で基本方針として、同社は自身が持つケイパビリティを「真の課題を探り出す」「リソースの埋もれた価値を炙り出す」「課題とリソースの最適な組み合わせを提案・実行し、価値を最大化する」の3つに分類し、それぞれのケイパビリティごとに方針を掲げ、事業展開していく戦略となっている。なかでも、既存事業がベースとなるAI/IoTに関する分野とSDGs(持続可能な開発目標)※に関する分野に注力していく方針だ。

※SDGs(Sustainable Development Goals):2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標を指す。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットで構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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