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プラッツ Research Memo(1):一段の生産コストダウンで着実な利益の成長を実現し、株主還元の拡充を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

プラッツ<7813>は福岡県に本拠を置く介護用電動ベッドの専業メーカー。1992年創業で、介護用ベッド市場への参入は1997年と後発ながら、国内の在宅介護用ベッド市場において、市場シェア第2位(販売台数ベース)のポジションを占めている。

1. 増収増益で着地。好採算の新製品が順調に売上を伸ばして全社の利益を押し上げ
同社の2019年6月期決算は、売上高5,940百万円(前期比6.9%増)、営業利益236百万円(同78.9%増)と、増収増益で着地した。売上高は主力の福祉用具流通市場(介護用品レンタル市場)向けの売上高が前期比9.3%増収と着実に伸長し、海外市場向けや医療・高齢者施設市場向け売上の伸び悩みを吸収した。利益面では、利益率を高めたボリュームゾーンの介護用ベッドの新製品『Miolet III』が計画を上回る販売となった。プロダクトミクス改善により売上総利益率が上昇し、営業利益の前期比大幅増益につながった。期初予想に対しては売上高と営業利益が未達となったものの、中核の介護用品レンタル市場で期待の新製品が想定以上に伸びたことで、素直に良い決算だったと評価できる内容だったと弊社では考えている。

2. 2022年6月期に10%の営業利益率を目指す。利益率改善への自信の表れとみる
同社は毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画(ローリング中期経営計画)を発表している。2020年6月期−2022年6月期の3ヶ年では、国内販売体制強化や製品コストダウンなど4つの項目に重点的に取り組み、収益の安定成長の実現を目指す計画だ。計数目標として同社は、2022年6月において、売上高7,500百万円、営業利益750百万円、営業利益率10%の達成を掲げている。今回の中期経営計画では、2019年6月期決算を踏まえて2020年6月期と2021年6月期の業績計画において、売上高を下方修正しているが、営業利益率については逆に引き上げられている。弊社ではここが最大の注目点だと考えている。同社が属する医療・介護業界は国の制度変更の影響受けやすい面を有する。一方、収益性に関してはコストダウンなどの自助努力で改善を図ることが可能だ。今回の中期経営計画からは、同社の利益率重視の姿勢とともに、利益率改善への自信の高まりを、弊社では読み取った。

3. Miolet IIIと生産体制再編で2020年6月期も増収増益を計画
2020年6月期について同社は、売上高6,330百万円(前期比6.6%増)、営業利益500百万円(同111.6%増)と増収増益を予想している。営業利益は前期比111.6%増を計画しているが、これは前述の新製品効果とベトナムの生産拠点の再編によるコストダウン効果の2つが理由となっている。これらは実際に効果が一部発現している事項であり、2020年6月期に再現される可能性は高いと弊社では考えている。前述のように、同社は利益率の改善を今後の3年間の大きなテーマにしている。その方向性を決めるのは前述した2020年6月期の2つのファクターと、2021年6月期に予定される高級ラインの介護用ベッド『Rafio』の新製品だと弊社では考えている。トップライングロース(売上高の成長)については営業部門の組織改編が期待どおりの成果を実現できるかが最大の注目点だ。

■Key Points
・新3ヶ年中期経営計画を発表。2022年6月期に売上高75億円、営業利益率10%を目指す
・国内販売体制強化の一環で、高齢者施設市場の営業担当者を専任制
・ベトナム生産体制を見直し、生産効率・業務効率アップによるコストダウンを目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)




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