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プラッツ Research Memo(3):低コスト構造、及び戦略的な製品ラインナップと流通体制が強み

注目トピックス 日本株
■会社概要

3. プラッツ<7813>の特長と強み
前述のように同社のメイン市場は福祉用具流通市場、すなわち、在宅介護用のレンタルベッドとしての利用だ。利用者は、介護保険制度の下で保険給付を受けながらレンタル利用者から介護ベッドをレンタルし、1割の自己負担で利用することができる(ただし現役並所得者は3割負担)。

ベッドの価格はレンタル事業者のレンタル価格に影響する。一方、利用者からすればレンタル価格が低い方がそれだけ自己負担額も小さくなる。こうした市場構造の中、同社は後発メーカーということもあり、価格ゾーンを競合メーカーよりも20%〜30%低くする低価格戦略で切り込み、それを武器に市場シェアを拡大してきた。同社に対抗すべく競合他社も低価格モデルをラインナップし、価格差は縮小してきているが依然として10%以上の価格差は存在し、平均価格ではやはり20%程度の価格差はあるとみられる。高機能ながら低価格というブランドイメージが確立されているものと弊社ではみている。

同社の低価格戦略を可能としているのは、1)主たる生産拠点をベトナムに展開、2)アッセンブリ・品質検査に特化した自社工場と、海外の優良協力工場・仕入先との連携、3)顧客・利用者が求める機能に的を絞った商品バリエーション、の3つの要因だ。特に大きいのはベトナム生産の要因で、同国の人件費は中国に比べても約半分と低いことが大きく寄与している。この点については、2019年9月現在で、ベトナムの現地法人と持分法適用会社である製造会社とを経営統合し、抜本的なコストダウンを図る構造改革が進行中である。

同社はまた、流通においても戦略的に独自のスタイルを採用してきている。他の大手メーカーが子会社にレンタル事業者を有し、製造からレンタルまでを一貫して行っているのに対し、同社は製造に特化し、販売についてはレンタル事業者及びレンタル卸事業者を顧客と位置づけて販売をしてきている。レンタル事業者の業界の中では、専門事業者のほうがメーカー系列事業者よりも強い状況にあり、同社はそれらレンタル専門事業者と良い関係を築くことに成功している。

このように価格戦略や販売戦略で戦略的なアプローチを一貫して行ってきたことが、介護ベッド業界で2位のシェアを獲得する大きな原動力になったとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)




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