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プラッツ Research Memo(4):新3ヶ年中期経営計画を発表。2022年6月期に売上高75億円を目指す

注目トピックス 日本株
■中期経営計画と中長期の成長戦略

1. 中期経営計画の概要
プラッツ<7813>は毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画(ローリング中期経営計画)を策定している。2019年6月期の決算発表に際しては、2020年6月期−2022年6月期の新3ヶ年中期経営計画を発表した。

計数目標として同社は、2022年6月期において、売上高7,500百万円、営業利益750百万円を業績計画として掲げている。今回の中期経営計画では、2019年6月期決算を踏まえて2020年6月期と2021年6月期の業績計画において、売上高を下方修正しているが、営業利益率については逆に、各年とも引き上げられており、最終年度の2022年6月期においては営業利益率10%を計画している。

弊社では、この営業利益率の改善こそが新中期経営計画の最大の注目点だと考えている。トップライングロースすなわち売上高の成長については、介護保険制度の改定や景気動向などの外部環境の影響もあって計画どおりに進捗しないことはしばしば起こる。しかし収益性については、各種コストダウンなど自社でコントロールが可能な施策が多く、自助努力で実現につなげることができることが多い。今回の新中期経営計画は、売上高に関しては足元の状況を踏まえてより現実的な値に修正し、利益については、絶対額では売上高修正の影響は避けられないにしても、利益率は自助努力によって着実に改善させ、競争力や経営体質の強化を図るという強い意思を示したものと言えるだろう。

また、売上高の市場別内訳を見ると、主力の福祉用具流通市場は、2019年6月期を起点に、2022年6月期までの3年間の年平均成長率(CAGR)を3.6%と計画している。これは若干低い印象だが、同社がこの市場で30%を超えるシェアを既に得ていることを考慮したとみられる。医療・高齢者施設市場のCAGRは17.2%と高成長を見込んでいる。これは発射台となる2019年6月期の水準が低いことも理由の1つだが、事業が立ち上がったばかりの医療用ベッドで高成長が見込まれることや、高齢者施設向けでは後述する国内販売体制の強化の効果が出ると期待されていることが背景にある。海外市場については従来どおり、中国を中心に積極的な拡販に取り組むことで、構成実現を目指している。家具流通市場は自費購入市場であるため、緩やかな成長を想定している。

この中期経営計画の実現に向けた経営方針・戦略として同社は、以下の4点を掲げている。すなわち、1)国内販売体制の強化、2)製品ラインナップ、事業領域の拡大、3)生産性の向上・業務効率アップによる製品コストダウン、4)海外市場の強化、の4点だ。これらは項目名としては従来から引き継いだものも多いが、内容についてはこれまでの進捗などを踏まえて変更されている。以下ではそれぞれの項目の詳細について述べる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)




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