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すららネット Research Memo(1):中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

すららネット<3998>の主力事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校に対して、オンライン学習教材「すらら」サービスを提供することである。「すらら」を導入する顧客に対して、「すらら」を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、経営支援サービス等も行っている。また、近年では独立行政法人国際協力機構(JICA)からの採択を契機にスリランカ、インドネシア等の海外でも事業展開を開始している。

契約する学習塾や学校から毎月サービス利用料を徴収すると同時に、同社のシステムを利用する生徒一人ひとりに対してIDを発行し、毎月その利用料を徴収するのが基本的なビジネスモデルとなる。したがって契約学校数と発行ID数が増加すれば収益増となる。クラウドでサービスを提供していることから、損益分岐点を超えてからの限界利益率は高い。

1. 2019年12月期第2四半期(実績):58百万円の営業損失だが想定内
2019年12月期第2四半期の業績は、売上高541百万円(前年同期比24.1%増)、営業損失58百万円(前年同期は88百万円の利益)、経常損失58百万円(同90百万円の利益)、四半期純損失41百万円(同61百万円の利益)となった。重要な指標である契約学校数(2019年12月期第2四半期末)は1,006(前年同期末比140増)、ID数(同)は66,542(同7,678増)と順調に増加したことで増収となったが、先行的な投資が増加したことから営業損失を計上した。しかしこれは当初からの予想(計画)に沿ったものであり、決算結果は想定内と言える。

2. 2019年12月期(予想):先行投資により29百万円の営業損失予想だが期初予想から上方修正
進行中の2019年12月期の業績は、売上高1,136百万円(前期比21.5%増)、営業損失29百万円、経常損失30百万円、当期純損失22百万円と予想されている。BtoCのID数が計画をやや下回っていることから売上高は期初予想から若干下方修正されたが、一方で経費支出も計画予算を下回っていることから、営業損失は期初予想よりは少ない見込み(上方修正)となっている。大幅増収にもかかわらず営業損失を予想しているのは、将来の成長に向けての先行投資(主にTVCM、人員増、新教材の作り込み等)のため。したがって2020年12月期以降は再び利益成長路線に入る可能性が高い。

3. 中長期の見通し:国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指す
先行投資負担により足元の業績は低迷が見込まれるが、中長期の展望としては、国内市場でのシェアアップ(特に低学力生徒向けやローカル中堅大手の学習塾、学校等の大口顧客)により成長を図る計画だ。最近では顧客基盤が大手学習塾、大手の学校法人、さらには社会問題の解決に寄与する教育機関以外の領域(放課後等デイサービス施設や寺院等)にも広がりつつある。また独自の教材や仕組みを生かした海外展開(特に発展途上国でのローカル顧客向け)も進んでおり中長期的には安定した成長が持続する可能性はありそうだ。現時点での定量的な目標としては、2021年12月期に売上高1,800百万円、営業利益290百万円を掲げている。

■Key Points
・学校や学習塾等に対してクラウドでの学習教材・サービスの提供が主力事業
・進行中の2019年12月期は先行投資で営業損失予想だが、その先は再度成長路線へ
・中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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