RSテクノ Research Memo(1):プライムウェーハ新工場計画が順調に進捗、成長を目指す体制が整いつつある
[19/09/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
RS Technologies<3445>は半導体チップの主要部材であるシリコンウェーハの再生加工のトップメーカー。国内と台湾に工場を持ち、メインサイズの12インチ(300mm)ウェーハの再生加工で世界シェア40%を目指している。2018年からは中国でのプライムウェーハの一貫製造事業に進出し、再生加工と合わせた2本柱で成長加速に取り組んでいる。
1. プライムウェーハ事業はインゴットの生産歩留まり改善で前年同期比大幅増益
同社は2018年1月から中国でのプライムウェーハの製造販売事業に参入した。これにより、同社は創業事業である再生ウェーハ事業と、プライムウェーハ事業の2本柱で中長期の成長を目指す体制となった。現地の製造子会社の有研半導体材料有限公司(以下、GRITEK)は8インチ(200mm)(月産7万枚の生産能力)を始め、6インチ及び5インチと合わせて合計月産27万枚の生産能力を有しており、2018年来フルキャパでの生産が続いているとみられる。GRITEKは上工程のシリコンインゴットから生産する一貫メーカーであるが、インゴット生産は歩留りが低く、外部からも調達していた。2019年12月期第2四半期はここが大きく改善し、製造コストの低減による大幅増益を達成した。
2. 中国での本格的な工場建設計画を発表。2020年9月完成を目指して建設が順調に進む
プライムウェーハ事業では中国国内での内製化率向上の国策を、再生ウェーハ事業では世界半導体生産量の拡大をそれぞれ背景に、生産能力の拡大とシェア確保による中長期成長の実現に取り組んでいる。プライムウェーハ事業では山東省徳州市で2020年9月の竣工を目指して新工場建設が進められている。新工場完成後はGRITEKの北京工場から現有設備を移管し、2021年度中を目途に8インチウェーハ月産22万枚の能力で中国国内需要の拡大を取り込む計画だ。再生ウェーハ事業については、主力製品となる12インチウェーハの再生能力を三本木工場で月産2万枚、台南工場で同3万枚、それぞれ増強する設備投資が進められている。両工場とも2019年夏以降に順次稼働を予定している。三本木工場はその後も、2021年までにさらに月産3万枚の増強を計画している。
3. 中期経営計画(4年間)は期初予想を据え置き
新工場計画が順調に進展していることを受けて、同社は中期4ヶ年(2019年12月期〜2022年12月期)の中期経営計画を据え置きとしている。2022年12月期には売上高33,800百万円、営業利益8,300百万円を計画している。現状の能力増強投資が計画どおりに完成・稼働した場合にはこの中期経営計画を超える業績になる可能性も十分あると弊社ではみているが、当面は進捗を見守りたい。足元の業績は順調で、2019年12月期第2四半期決算は利益が計画を上回って着地した。通期も期初予想達成を目指して引き続き高水準の工場稼働を目指す方針だ。米中貿易摩擦の影響はこれまでのところは限定的だが、中国の国内景気動向によっては間接的な影響がより大きくなる可能性もあり、当面は事態の推移を見守りたい。
■Key Points
・再生ウェーハ事業とプライムウェーハ事業の2本柱で持続的成長を追求
・2020年9月の竣工を目指して、8インチ月産22万枚※のプライムウェーハ新工場を建設中
※月産枚数は、新規設備導入及び既存工場の設備移設による生産能力を合わせたもの
・再生ウェーハ事業でも能力増強を実施。2019年夏から順次稼働の見込み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<SF>
RS Technologies<3445>は半導体チップの主要部材であるシリコンウェーハの再生加工のトップメーカー。国内と台湾に工場を持ち、メインサイズの12インチ(300mm)ウェーハの再生加工で世界シェア40%を目指している。2018年からは中国でのプライムウェーハの一貫製造事業に進出し、再生加工と合わせた2本柱で成長加速に取り組んでいる。
1. プライムウェーハ事業はインゴットの生産歩留まり改善で前年同期比大幅増益
同社は2018年1月から中国でのプライムウェーハの製造販売事業に参入した。これにより、同社は創業事業である再生ウェーハ事業と、プライムウェーハ事業の2本柱で中長期の成長を目指す体制となった。現地の製造子会社の有研半導体材料有限公司(以下、GRITEK)は8インチ(200mm)(月産7万枚の生産能力)を始め、6インチ及び5インチと合わせて合計月産27万枚の生産能力を有しており、2018年来フルキャパでの生産が続いているとみられる。GRITEKは上工程のシリコンインゴットから生産する一貫メーカーであるが、インゴット生産は歩留りが低く、外部からも調達していた。2019年12月期第2四半期はここが大きく改善し、製造コストの低減による大幅増益を達成した。
2. 中国での本格的な工場建設計画を発表。2020年9月完成を目指して建設が順調に進む
プライムウェーハ事業では中国国内での内製化率向上の国策を、再生ウェーハ事業では世界半導体生産量の拡大をそれぞれ背景に、生産能力の拡大とシェア確保による中長期成長の実現に取り組んでいる。プライムウェーハ事業では山東省徳州市で2020年9月の竣工を目指して新工場建設が進められている。新工場完成後はGRITEKの北京工場から現有設備を移管し、2021年度中を目途に8インチウェーハ月産22万枚の能力で中国国内需要の拡大を取り込む計画だ。再生ウェーハ事業については、主力製品となる12インチウェーハの再生能力を三本木工場で月産2万枚、台南工場で同3万枚、それぞれ増強する設備投資が進められている。両工場とも2019年夏以降に順次稼働を予定している。三本木工場はその後も、2021年までにさらに月産3万枚の増強を計画している。
3. 中期経営計画(4年間)は期初予想を据え置き
新工場計画が順調に進展していることを受けて、同社は中期4ヶ年(2019年12月期〜2022年12月期)の中期経営計画を据え置きとしている。2022年12月期には売上高33,800百万円、営業利益8,300百万円を計画している。現状の能力増強投資が計画どおりに完成・稼働した場合にはこの中期経営計画を超える業績になる可能性も十分あると弊社ではみているが、当面は進捗を見守りたい。足元の業績は順調で、2019年12月期第2四半期決算は利益が計画を上回って着地した。通期も期初予想達成を目指して引き続き高水準の工場稼働を目指す方針だ。米中貿易摩擦の影響はこれまでのところは限定的だが、中国の国内景気動向によっては間接的な影響がより大きくなる可能性もあり、当面は事態の推移を見守りたい。
■Key Points
・再生ウェーハ事業とプライムウェーハ事業の2本柱で持続的成長を追求
・2020年9月の竣工を目指して、8インチ月産22万枚※のプライムウェーハ新工場を建設中
※月産枚数は、新規設備導入及び既存工場の設備移設による生産能力を合わせたもの
・再生ウェーハ事業でも能力増強を実施。2019年夏から順次稼働の見込み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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