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RSテクノ Research Memo(9):シリコンインゴットの歩留まり改善でプライムウェーハ事業が大幅増益

注目トピックス 日本株
■業績の動向と今後の見通し

1. 2019年12月期第2四半期決算の概要
RS Technologies<3445>の2019年12月期第2四半期決算は、売上高12,515百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益2,755百万円(同22.3%増)、経常利益2,920百万円(同24.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,723百万円(同19.8%増)と増収増益で着地した。

期初予想との比較では、売上高は5.5%(730百万円)の未達となったものの、営業利益は2.9%(77百万円)、経常利益は9.5%(253百万円)、それぞれ上回った。

売上高については、全セグメントで前年同期比増収を確保したものの、米中貿易摩擦による間接的影響を受けたことによるプライムウェーハ事業の売上減速、及び、再生ウェーハ事業でプロダクトミクスが悪化したことを主因に計画対比では未達となった。

利益面では、プライムウェーハ事業における原価低減効果や再生ウェーハ事業における増収効果などの増益要因によって過年度訂正費用及び社内体制強化費用増などの減益要因を吸収し、営業利益の大幅増益を達成し、期初計画に対しても2.9%上回った。

営業外収支においては、過年度決算訂正に関連して貸倒引当金に繰り入れた債権について回収が進み、その分を貸倒引当金戻入額(96百万円)として営業外収益に計上した。その結果、経常利益は前年同期比24.4%増と増益率が拡大し、期初計画の超過幅も9.5%に拡大した。

セグメント別動向は以下のとおり。

再生ウェーハ事業を手掛けるウェーハ事業セグメントの2019年12月期第2四半期は、売上高5,284百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益1,925百万円(同9.0%増)で着地した。売上高が微増収にとどまったのは、再生ウェーハへの需要が強いなか、前期からフル生産が続いて増産余地が限定的だったことや、プロダクトミクスの変化の影響による。一方利益については、増産余地が限られるなか、すこしでも生産数量を拡大するための諸施策(例えば研磨時間や横持ち時間、待機時間などの短縮など)が結果的に原価面でも好影響をもたらし、2ケタ近い増益につながったと弊社ではみている。2019年12月期第2四半期の売上高営業利益率は36.4%と、前年同期の33.9%から2.5ポイント上昇した。

プライムシリコンウェーハ製造販売事業セグメントの業績は、売上高5,736百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益1,268百万円(同84.9%増)と増収・大幅増益で着地した。売上高については、プライムウェーハの生産が前年同期は買収直後の1月から3月までの間は生産数量が低いところから徐々にフル生産へと移行したのに対し、2019年12月期第2四半期は期を通じて高稼働が続いたことが増収に寄与した。しかし一方で、半導体製造装置の消耗部材が米中貿易摩擦の影響をうけたため、増収率は4.9%に圧縮された。一方利益については、主力の8インチウェーハのシリコンインゴットについて生産歩留まりの向上により、一部を外部購入から自社生産に切り替えたことが原価低減に寄与し大幅増益につながった。

半導体関連装置・部材等セグメントは、売上高1,662百万円(前年同期比67.5%増)、営業利益78百万円(同45.9%減)と増収減益となった。売上高については、2019年1月に(株)DG Technologiesを連結子会社化した影響により大幅増収となった。利益面では、大口の比較的利益率の低い案件が増加したことから、減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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