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きちりHD Research Memo(5):2019年6月期は財務の健全性が向上し、収益性も5期ぶりに改善する

注目トピックス 日本株
■業績動向

2. 財務状況と経営指標
きちりホールディングス<3082>の2019年6月期末の財務状況を見ると、総資産は単独ベースの前期末と比較して308百万円減少の4,083百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が194百万円減少し、固定資産では減価償却の進展により有形固定資産が197百万円減少した。

負債合計は前期末比276百万円減少の2,214百万円となった。有利子負債が283百万円減少したことによる。また、純資産は前期末比32百万円減少の1,868百万円となった。新株予約権10百万円の計上と利益剰余金が42百万円減少したことによる。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率が前期末比2.2ポイント上昇の45.5%となったほか、有利子負債の削減により有利子負債比率が13.6ポイント低下するなど財務体質の改善が進んでいる。同社は今後も店舗数を年間10店舗前後のペースで拡大していく方針を示しており、状況によっては有利子負債が再度増加する可能性もあるが、財務の健全性については維持していくものと予想される。

収益性に関しては、ROA、ROE、営業利益率と全ての指標で若干ながらも上昇した。ここ数年は食材コストや人件費、賃借料等の上昇などを主因として収益性の低下傾向が続いていたが、人件費率についてはほぼ前期並みの水準に抑制することができたほか、その他固定費率も増収効果によって低下したことが収益性の改善につながったと見られる。今後は高収益が見込める新業態の開発に加えて、フランチャイズ展開やPFS事業の拡大により収益性も一段と向上していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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