ウイルプラスH Research Memo(1):M&A戦略など3つの成長戦略による成長ストーリーは不変
[19/09/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ウイルプラスホールディングス<3538>は純粋持株会社で、グループで輸入車販売事業を営む。ジープ、フィアット、BMW/MINI、ボルボ、ポルシェなど10ブランドの正規ディーラーを営む。福岡エリアと東京・神奈川エリアでドミナント展開をするほか、ポルシェについては東北全域を商圏に収めている。またMINIについては中国地方への進出も果たしている。
1. 売上高は過去最高更新ながら、減価償却費、人件費の増加等により前期比減益で着地
同社の2019年6月期決算は売上高29,860百万円(前期比15.9%増)、営業利益1,118百万円(同11.4%減)と増収減益で着地した。売上高の増収は、2018年3月に取扱いを開始したジャガー・ランドローバーの車輌販売が好調に推移したことや、2018年12月から取扱いを開始したポルシェの販売による純増、車輌整備並びに損害保険販売等のストック型収入の堅調な伸びが主因だ。利益面で減益となったのは、デモカー増加や店舗設備等の新規取得に伴う減価償却費の増加や、店舗数拡大に伴う人件費の増加、新規出店・改装等に伴う諸費用の増加等が原因だ。
2. 3つの戦略で中長期成長に臨む方針に変更は無い。M&A戦略への期待が高まる状況
中長期的成長に向けては、直近、M&Aで取得及び新規出店した店舗について収益性を高めていくとともに、引き続きマルチブランド戦略、ドミナント戦略、M&A戦略のグループ成長戦略にて臨む方針に変更はない。
3. M&Aの実現に際しては、ROEやバランスシートとの間での調整が重要な視点に
同社は高ROEの実現(目標値は10%以上)を経営目標に掲げている。足元は低下基調にあるとはいえ、依然として10%以上かつ同業他社を上回る14.3%を実現している(2019年6月期実績)。同社のM&A戦略の実現は、ROEに対して(条件次第では)ポジティブに働く可能性もあるとみている。一方で注意を要するのはM&A資金の調達に伴うバランスシートの悪化だ。現状は財務レバレッジが妥当な水準にあると弊社では考えているが、今後、M&A案件に臨むに当たっては、無理な資金調達を避けつつ、ROE上昇に寄与するかといった視点も交えながら吟味していくことが求められる。
4. 2020年6月期は店舗数拡大を見込まず増収増益を計画。中期的にはM&Aの実現で成長トレンド維持を目指す
2020年6月期について同社は、売上高34,639百万円(前期比16.0%増)、営業利益1,393百万円(同24.6%増)と増収増益を予想している。売上高については、店舗数の増加を織り込まず、前期に出店した店舗の通期寄与やニューモデルを中心とした新車販売の増加による増収を見込んでいる。一方利益面では、店舗数増加がないことで費用増加が抑制されることが増益予想の主因とみられる。他方で、2020年6月期の店舗数増加がゼロであるならば、2021年6月期の増収率が鈍化する懸念が生じる。しかしながら同社は成長戦略の1つであるM&A戦略を追求し、実現できるだけの条件を兼ね備えており、中長期的に成長トレンドを維持することは十分可能だと弊社では考えている。
■Key Points
・同社の強みを生かし、M&A戦略に軸足を置いた成長戦略に期待
・2019年6月期のROEは14.3%と経営目標(10%)を上回る水準を維持
・M&A戦略の採用でも高ROE経営との両立は十分可能
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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ウイルプラスホールディングス<3538>は純粋持株会社で、グループで輸入車販売事業を営む。ジープ、フィアット、BMW/MINI、ボルボ、ポルシェなど10ブランドの正規ディーラーを営む。福岡エリアと東京・神奈川エリアでドミナント展開をするほか、ポルシェについては東北全域を商圏に収めている。またMINIについては中国地方への進出も果たしている。
1. 売上高は過去最高更新ながら、減価償却費、人件費の増加等により前期比減益で着地
同社の2019年6月期決算は売上高29,860百万円(前期比15.9%増)、営業利益1,118百万円(同11.4%減)と増収減益で着地した。売上高の増収は、2018年3月に取扱いを開始したジャガー・ランドローバーの車輌販売が好調に推移したことや、2018年12月から取扱いを開始したポルシェの販売による純増、車輌整備並びに損害保険販売等のストック型収入の堅調な伸びが主因だ。利益面で減益となったのは、デモカー増加や店舗設備等の新規取得に伴う減価償却費の増加や、店舗数拡大に伴う人件費の増加、新規出店・改装等に伴う諸費用の増加等が原因だ。
2. 3つの戦略で中長期成長に臨む方針に変更は無い。M&A戦略への期待が高まる状況
中長期的成長に向けては、直近、M&Aで取得及び新規出店した店舗について収益性を高めていくとともに、引き続きマルチブランド戦略、ドミナント戦略、M&A戦略のグループ成長戦略にて臨む方針に変更はない。
3. M&Aの実現に際しては、ROEやバランスシートとの間での調整が重要な視点に
同社は高ROEの実現(目標値は10%以上)を経営目標に掲げている。足元は低下基調にあるとはいえ、依然として10%以上かつ同業他社を上回る14.3%を実現している(2019年6月期実績)。同社のM&A戦略の実現は、ROEに対して(条件次第では)ポジティブに働く可能性もあるとみている。一方で注意を要するのはM&A資金の調達に伴うバランスシートの悪化だ。現状は財務レバレッジが妥当な水準にあると弊社では考えているが、今後、M&A案件に臨むに当たっては、無理な資金調達を避けつつ、ROE上昇に寄与するかといった視点も交えながら吟味していくことが求められる。
4. 2020年6月期は店舗数拡大を見込まず増収増益を計画。中期的にはM&Aの実現で成長トレンド維持を目指す
2020年6月期について同社は、売上高34,639百万円(前期比16.0%増)、営業利益1,393百万円(同24.6%増)と増収増益を予想している。売上高については、店舗数の増加を織り込まず、前期に出店した店舗の通期寄与やニューモデルを中心とした新車販売の増加による増収を見込んでいる。一方利益面では、店舗数増加がないことで費用増加が抑制されることが増益予想の主因とみられる。他方で、2020年6月期の店舗数増加がゼロであるならば、2021年6月期の増収率が鈍化する懸念が生じる。しかしながら同社は成長戦略の1つであるM&A戦略を追求し、実現できるだけの条件を兼ね備えており、中長期的に成長トレンドを維持することは十分可能だと弊社では考えている。
■Key Points
・同社の強みを生かし、M&A戦略に軸足を置いた成長戦略に期待
・2019年6月期のROEは14.3%と経営目標(10%)を上回る水準を維持
・M&A戦略の採用でも高ROE経営との両立は十分可能
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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