ウイルプラスH Research Memo(5):2020年6月期は増収、前期比大幅増益を予想
[19/09/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2. 2020年6月期の見通し
(1) 業績予想の概要
2020年6月期についてウイルプラスホールディングス<3538>は、売上高34,639百万円(前期比16.0%増)、営業利益1,393百万円(同24.6%増)、経常利益1,384百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益871百万円(同19.4%増)と、2ケタの増収増益を予想している。
売上高については前期比16.0%(4,779百万円)の増収を予想している。この詳細内訳は開示されていないが、同社は2020年6月期中の店舗数増(新規出店及び事業譲受)を織り込んでおらず、上記増収はニューモデルを中心とした新車販売の増加、2019年6月期中に開設(新規出店及び事業譲受)した店舗の通期寄与及びストック型ビジネスの着実な積み上げで達成することを計画している。
一方利益面では、営業利益で前期比24.6%(274百万円)の増益を予想している。上記のように、売上高において原価率の高い新車販売の伸長を主な要因の1つとしているため、売上総利益率は前期からさらに低下する可能性がある。しかしながら2020年6月期は新規出店と事業譲受のいずれも織り込んでいない。したがって前期に見られた店舗出店・獲得に伴う諸費用や店舗増加に伴う人件費、店舗設備の減価償却費といった項目の増加は抑制される見通しで、これが増益予想の骨格になっているとみられる。
(2) 店舗投資
2020年6月期は、現在のところ新規出店(自社出店及び事業譲受の両方を含む)を計画していないが、既存店舗への投資は積極的に行う方針だ。具体的な内容としてはCI(コーポレートアイデンティティ)変更や移転などだ。CI変更については、同社は10ブランドを展開しており、いずれかのブランドでのCI変更に直面する可能性はそれだけ高くなる。CI変更への対応はコスト増となるが、同社は最新のCIに準拠し、ブランドごとの様々なリテール体験を消費者に提供することを目指している。また、移転においては、視認性・利便性に長けた好立地に移転することが主眼だ。これらの施策はともに、新規顧客の増加やCS(顧客満足度)向上によるリピーターの増加を図り、収益の拡大や経営効率の改善へとつなげることが狙いだ。
2020年6月期の増収のけん引役と期待される新車販売は、それ自体は原価率が高いビジネスではあるが、車輌整備や保険加入なども含めて総合的にみるとやはり魅力度の高いビジネスであることは疑いない。輸入車は車輌価格が高いため、新車購入時に任意保険や付帯サービスの売上高が加わることも多い。車輌整備については前述のようにディーラー整備が標準となる方向にある。こうした状況から、新車販売を伸長させることができれば利益も着実についてくると弊社ではみている。
新車販売はまた、顧客から保有車を下取りすることで、中古車販売や業販が伸びることになり、ここでの収益拡大にも期待が高まる。
(3) ニューモデル
2020年6月期の新車販売に影響を与えるニューモデルには、2019年6月期に発売されたものと、2020年6月期中に発売予定のもの2つがある。
2019年6月期中に発売されて、2020年6月期に売上拡大が期待されるものには、ジープの「Wrangler」やBMWの「3シリーズ」がある。「Wrangler」は2018年秋に日本に導入されたが、日本で受注が殺到する一方、本国(米国)での高い人気などから日本への出荷が遅れ、2019年春の段階でも多数の受注残を抱えている状況だ。それは同社自身も同様で、前期に受注した分の多くが未納として残っている。これらが2020年6月期において納車(同社からすれば売上計上)されると期待される。「3シリーズ」は2019年3月の発売であるため、2020年6月期が実質的には初年度に該当し、販売増加が期待される状況にある。
2020年6月期中に発売予定のニューモデルとしては、ランドローバーの「EVOQUE」やBMWの「1シリーズ」や「X7」、ボルボの「S60」、ポルシェの「911」などの名前が挙がっている。それぞれのブランドの主力モデルが多く、また、タイミングの点でも同社の上期中にリリースとなるものが多いため、2020年6月期の新車販売増に貢献すると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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2. 2020年6月期の見通し
(1) 業績予想の概要
2020年6月期についてウイルプラスホールディングス<3538>は、売上高34,639百万円(前期比16.0%増)、営業利益1,393百万円(同24.6%増)、経常利益1,384百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益871百万円(同19.4%増)と、2ケタの増収増益を予想している。
売上高については前期比16.0%(4,779百万円)の増収を予想している。この詳細内訳は開示されていないが、同社は2020年6月期中の店舗数増(新規出店及び事業譲受)を織り込んでおらず、上記増収はニューモデルを中心とした新車販売の増加、2019年6月期中に開設(新規出店及び事業譲受)した店舗の通期寄与及びストック型ビジネスの着実な積み上げで達成することを計画している。
一方利益面では、営業利益で前期比24.6%(274百万円)の増益を予想している。上記のように、売上高において原価率の高い新車販売の伸長を主な要因の1つとしているため、売上総利益率は前期からさらに低下する可能性がある。しかしながら2020年6月期は新規出店と事業譲受のいずれも織り込んでいない。したがって前期に見られた店舗出店・獲得に伴う諸費用や店舗増加に伴う人件費、店舗設備の減価償却費といった項目の増加は抑制される見通しで、これが増益予想の骨格になっているとみられる。
(2) 店舗投資
2020年6月期は、現在のところ新規出店(自社出店及び事業譲受の両方を含む)を計画していないが、既存店舗への投資は積極的に行う方針だ。具体的な内容としてはCI(コーポレートアイデンティティ)変更や移転などだ。CI変更については、同社は10ブランドを展開しており、いずれかのブランドでのCI変更に直面する可能性はそれだけ高くなる。CI変更への対応はコスト増となるが、同社は最新のCIに準拠し、ブランドごとの様々なリテール体験を消費者に提供することを目指している。また、移転においては、視認性・利便性に長けた好立地に移転することが主眼だ。これらの施策はともに、新規顧客の増加やCS(顧客満足度)向上によるリピーターの増加を図り、収益の拡大や経営効率の改善へとつなげることが狙いだ。
2020年6月期の増収のけん引役と期待される新車販売は、それ自体は原価率が高いビジネスではあるが、車輌整備や保険加入なども含めて総合的にみるとやはり魅力度の高いビジネスであることは疑いない。輸入車は車輌価格が高いため、新車購入時に任意保険や付帯サービスの売上高が加わることも多い。車輌整備については前述のようにディーラー整備が標準となる方向にある。こうした状況から、新車販売を伸長させることができれば利益も着実についてくると弊社ではみている。
新車販売はまた、顧客から保有車を下取りすることで、中古車販売や業販が伸びることになり、ここでの収益拡大にも期待が高まる。
(3) ニューモデル
2020年6月期の新車販売に影響を与えるニューモデルには、2019年6月期に発売されたものと、2020年6月期中に発売予定のもの2つがある。
2019年6月期中に発売されて、2020年6月期に売上拡大が期待されるものには、ジープの「Wrangler」やBMWの「3シリーズ」がある。「Wrangler」は2018年秋に日本に導入されたが、日本で受注が殺到する一方、本国(米国)での高い人気などから日本への出荷が遅れ、2019年春の段階でも多数の受注残を抱えている状況だ。それは同社自身も同様で、前期に受注した分の多くが未納として残っている。これらが2020年6月期において納車(同社からすれば売上計上)されると期待される。「3シリーズ」は2019年3月の発売であるため、2020年6月期が実質的には初年度に該当し、販売増加が期待される状況にある。
2020年6月期中に発売予定のニューモデルとしては、ランドローバーの「EVOQUE」やBMWの「1シリーズ」や「X7」、ボルボの「S60」、ポルシェの「911」などの名前が挙がっている。それぞれのブランドの主力モデルが多く、また、タイミングの点でも同社の上期中にリリースとなるものが多いため、2020年6月期の新車販売増に貢献すると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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