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ウイルプラスH Research Memo(7):自社出店のハードルが年々上昇し、店舗数拡大が課題となる

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略と進捗状況

2. 直面する課題
そうしたウイルプラスホールディングス<3538>も、足元では店舗数拡大が困難という課題に直面している。店舗拡大には同社自身による自社出店と、M&A(事業、店舗の譲受)による出店の大きく2つのパターンがある。それぞれ事情は異なるものの、2020年6月期の業績予想にはどちらによる店舗拡大も織り込まれていない。

ある期(X期)に店舗数が増えないということは、当該期(X期)だけを見れば店舗開設にかかる様々な費用が前期(X-1期)よりも減少して利益を押し上げることが期待されるが、翌期(X+1期)には既存店での増収だけが頼りとなり、収益拡大の基盤が弱体化することになる。X+1期に新規に店舗開設が出てきた場合には店舗開設費用が先行して発生するため利益が圧迫される可能性が出てくる。すなわち、年ごとの利益変動性が大きくなるということだ。前述のように、2020年6月期はこのX期に該当する可能性がある。

新規出店(自社出店)とM&Aによる獲得という店舗開設の2つの形態のうち、自社でコントロールが可能であるのは自社出店だ。しかし現状はこれが非常に厳しい状況にある。

自社出店が難しい理由は、いくつかの要素が重なって形成されている。要素の1つは同社が営む輸入車ディーラー事業のエリアフランチャイズ制にある。このエリアフランチャイズ制のため、自由に出店することができない。

2つ目の要素は、仮に出店可能なエリアが見つかった場合でも、店舗開設に適した土地を確保することが難しいことがある。消費者を相手にしたビジネスであるため、視認性や利便性の高さは重要な要素だが、そうした立地は(国産、輸入車を問わず)自動車ディーラーはもちろん、(外食などの)他業種の事業者も狙っており、競合が激しい。

3つ目の要素としては出店費用の増大だ。同社は創業からしばらくは国産車ディーラーの店舗跡地を居抜きで賃借し、出店費用を低く抑えながら店舗網を拡大してきたが、過去も現在も居抜きで出店できるようなケースは多くはない。以前は業容も小さく、また株式上場以前で、経営や成長のスピード感も現在とは異なっていた。上場企業となって業容も格段に成長した現在では、同社が居抜き物件の出現を待ち続けるというのは難しく、土地を借り、建物については自社で建設するという流れが主体となっている。


同社の強みを生かし、M&A戦略に軸足を置いた成長戦略の実現に期待
3. M&A戦略による成長と差別化
前述のような自社出店のハードルの高い現状を見ると、同社の成長シナリオが計画とおりにいかず、成長ストーリーが曲がり角を迎えたと感じる向きもあろうが、決してそうではないと弊社では考えている。

自社出店を取り巻く状況に鑑みると、今後の同社の店舗数の増大、すなわち収益の成長はM&Aが主軸になると考えられる。M&Aは案件のソーシング(M&A候補案件を探し出すこと)が最も重要で、難しい。この点同社は、上場企業であることの信頼性、収益成長の実績、ガバナンスやコンプライアンス経営の徹底、過去のM&A実績(被買収会社の従業員の雇用の問題や経営実績等)などの点で、金融会社・M&A仲介会社、インポーター、同業他社などから高い信頼を確立している状況にある。そして、この信頼がゆえに、それらの関係者から同社にM&Aの案件が常時持ち込まれているという状況にある。

店舗の開設後の収益性の面でも、現状はM&Aのほうが有利になっていると弊社では考えている。自社出店の場合、車輌在庫投資やデモカー、店舗設備の減価償却費などの通常の出店費用に加え、(居抜き出店の場合と比べて)上物の建設費などの負担がかかることで、開店初年度は店舗損益で損失を計上する可能性が高いとみられる。それに対してM&Aによる出店の場合は、金額によっては初年度から利益を確保することも可能だ。さらに言えば、自社出店の場合には当該店舗の顧客基盤をゼロから作ることになるが、M&Aによる取得の場合には既存顧客を引き継ぐことができるというメリットもある。

このように、M&Aを成長戦略の1つに掲げて、且つそれを実践するための“信頼”という基盤をしっかりと確立している同社は、現在の事業環境に応じてM&A戦略を推し進めていくことが成長実現の近道になると弊社では考えている。

他方で、注意点もある。その第1は、M&Aは相手があることなので、コントロールが難しいという点だ。そして、注意点の2つ目は財務戦略だ。M&A資金をどのように調達するのか、どこまでM&Aを拡大できるか、同社が重要な経営目標と位置付ける高ROEの実現とのバランスをどう取るか、といったことだ。

この2つ目については“正解”はなく、まさに経営判断の領域の問題だ。直面するM&Aの内容によってもベストな判断も変わり得る。したがって、将来訪れるチャンスを確実にものにするためには、日頃から経営のクオリティを高め、企業体力を養っておくことだ。現在のところ自社出店やM&Aの計画がない2020年6月期は、まさにそうした足場固めの1年ということだ。前述のように、増収増益の業績予想が示されているが、そうした表面の数値よりも、同社が有する既存店売上高の伸ばす力、ストック型ビジネスを拡大させる力、そして何より店舗開設費用が無い場合の営業利益率の潜在力などを見極めることこそ重要な視点となるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)




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