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テックファム Research Memo(2):高付加価値型SI事業を主力に業界特化型プラットフォームサービス事業へ展開

注目トピックス 日本株
■事業概要

テックファームホールディングス<3625>の事業セグメントはSI事業と自動車アフターマーケット事業に区分されており、2016年6月期以降の売上構成比を見ると、SI事業が70%台で推移しており同社の主力事業となっている。SI事業はテックファームとPrism Solutions Inc.(以下、PSI)が、自動車アフターマーケット事業はEBEが含まれている。

1. テックファームの強み
テックファームの強みは、企業のIT活用の新たな取り組みにおいてコンサルティングから設計・開発、実装、保守・運用までワンストップでサービスを提供できる点にある。とりわけモバイル分野での知見が深く、顧客企業が求める様々なニーズに対してサービス設計から対応できる高い技術開発力を有していることが強みとなっている。売上高の約8割は受託開発案件となり、残り約2割が保守・運用やプラットフォームサービスなどストック型のビジネスとなる。

2019年6月末の従業員数は208名で、外国籍の社員が10.2%と高いことも特徴となっている。3年ほど前から採用を強化しており、国籍は韓国や台湾、ASEANを中心に欧米含めて10ヶ国の人材を雇用し、採用場所は国内での採用だけでなく直接、米国のシリコンバレーや大学まで訪問して採用活動を行うケースもあるようだ。とりわけ、開発ニーズの強いAI領域におけるスキルを持つ人材採用にここ最近は注力している。

SI事業の取引顧客数は年間120社程度で、4〜5年前の150社程度から絞り込んでいる。特定大手顧客との取引深耕や特定業界にターゲットを絞ることで、事業規模の拡大並びに収益性向上を図ることが狙いとなっている。主力顧客の1社はNTTドコモ<9437>で、2019年6月期はSI事業売上高の約30%を占めた。

また、同社は業界特化型のプラットフォームサービスに今後注力していく方針を打ち出している。現在は、2014年に(株)ミライトと共同開発したタブレット端末を用いたホテル客室向け情報配信サービス※「ee-TaB*®(イータブ・プラス)」事業を展開している。同事業はストック型のビジネスモデルとなり、2019年6月末時点で国内34棟のホテル、客室数で5,876室に導入されている。今後も引き続き導入室数は堅調に伸びていくものと予想される。

※ホテルや旅館の客室にタブレット端末を設置し、館内施設情報や周辺情報など顧客満足度の向上につながるコンテンツを多言語で配信するサービス。


2. PSI
PSIは、米国カジノ市場向けモバイル電子決済サービスの事業開発・運営を目的に、2014年3月に100%子会社として設立された。同社と日本金銭機械<6418>の米国子会社及びゲーム機、ATM端末の大手メーカーである米国Everi Holdings Inc.の3社で実用レベルのシステムを共同開発し、展示会等で出展している。ここ2〜3年は、カリフォルニア州などのローカルカジノにおいてフィールドテストを開始すべく、現地レギュレーター(規制等を定めるカジノ協会)と交渉を行っているが進捗がないこと、日本で2016年にIR推進法が成立したこともあり、現在は日本に軸足をシフトしている状況にある。

3. EBE
EBEは2015年3月に株式取得(出資比率67.5%)により子会社化した。自動車アフターマーケット向けに特化した業務支援ソフトの開発・販売、及び保守・コンサルティングサービスを展開している。2019年6月時点の顧客数は自動車整備業者や鈑金業者、ガラス商・部品商など約1,500社に上る。主要製品は自動車整備工場向けの整備支援システムだが、より事業規模の大きいガラス商、部品商向けシステムや車検工程管理システムにも注力し、顧客基盤を拡大していく戦略となっている。全国主要都市に営業拠点(11拠点、うち九州・沖縄で4拠点)を展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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