テラスカイ Research Memo(3):DXの取組みが活発化するなか、クラウド市場は年率20%超の高成長続く見通し
[19/09/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■テラスカイ<3915>のクラウド市場の動向と事業内容
1. クラウドサービス市場
コンピュータの歴史を紐解くと、1960年代前半のメインフレームの普及から始まり、1980年代にはオフコン/ミニコン時代となり、1990年代後半からはパソコンの普及に伴ってクライアントサーバシステムへと情報システムの形態が変遷してきたが、2000年代後半からは通信ネットワークの高速化やインターネット技術の進展を背景に、クラウド・コンピューティング市場が立ち上がり、現在はコンピュータを「所有」する時代から「利用」する時代の過渡期にあると言える。
クラウド・コンピューティングとは、利用者が自身のコンピュータで利用・保存していたデータやアプリケーションソフトを、Salesforce.comやGoogle等に代表されるプラットフォーマーがネットワーク経由で利用者に提供するサービスを言う。従来、企業は自らで情報システムを構築、運用・管理しなければならなかったが、クラウドを利用することでこうした手間や時間が省け、業務の効率化や投資コストを抑えることが可能となる。また、情報システムの構築にかかる開発期間も短縮できるため、企業側の導入メリットは大きい。特に、ここ数年は通信ネットワークの品質向上やクラウドサービス事業者のセキュリティ対策が強化されてきたことで、規模を問わず既存システムからクラウドへ移行する企業が増加傾向にある。
調査会社によれば、2016年度の国内クラウドサービス市場の規模は、前年度比38.5%増の1兆4,003億円であり、2021年度までの年平均成長率は約20%となる。2021年度の市場規模は3兆5,713億円と2016年度比で約2.5倍に拡大すると予測している。このうち、同社が主戦場とするパブリック・クラウドの市場規模は2016年度が前年度比40.9%増の3,883億円で、2021年度までの年平均成長率は約22%、2021年度の市場規模は2016年度比で約2.7倍増の1兆556億円となる見通しだ。まだクライアントサーバシステムを採用している企業が多く、今後もクラウドへの移行が進むことが高成長の背景にある。
なお、パブリック・クラウドサービスはサービスの形態により、SaaS※1、PaaS※2、IaaS※3等に大きく分類される。このうち、企業が情報システムを構築する場合はPaaS、IaaSを利用することになる。これらサービスで世界の上位シェアを占めるAWSやSalesforceは、それぞれ売上高は年率でAWSは48%、Salesforceは29%と高成長が続いている。
※1 SaaS(Softwere as a Service)パッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供する形態。
※2 PaaS(Platform as a Service)アプリケーションソフトが稼働するためのハードウェアやOSなどのプラットフォーム一式を、インターネット上のサービスとして提供する形態。
※3 IaaS(Infrastructure as a Service)情報システムの稼働に必要な仮想サーバを始めとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. クラウドサービス市場
コンピュータの歴史を紐解くと、1960年代前半のメインフレームの普及から始まり、1980年代にはオフコン/ミニコン時代となり、1990年代後半からはパソコンの普及に伴ってクライアントサーバシステムへと情報システムの形態が変遷してきたが、2000年代後半からは通信ネットワークの高速化やインターネット技術の進展を背景に、クラウド・コンピューティング市場が立ち上がり、現在はコンピュータを「所有」する時代から「利用」する時代の過渡期にあると言える。
クラウド・コンピューティングとは、利用者が自身のコンピュータで利用・保存していたデータやアプリケーションソフトを、Salesforce.comやGoogle等に代表されるプラットフォーマーがネットワーク経由で利用者に提供するサービスを言う。従来、企業は自らで情報システムを構築、運用・管理しなければならなかったが、クラウドを利用することでこうした手間や時間が省け、業務の効率化や投資コストを抑えることが可能となる。また、情報システムの構築にかかる開発期間も短縮できるため、企業側の導入メリットは大きい。特に、ここ数年は通信ネットワークの品質向上やクラウドサービス事業者のセキュリティ対策が強化されてきたことで、規模を問わず既存システムからクラウドへ移行する企業が増加傾向にある。
調査会社によれば、2016年度の国内クラウドサービス市場の規模は、前年度比38.5%増の1兆4,003億円であり、2021年度までの年平均成長率は約20%となる。2021年度の市場規模は3兆5,713億円と2016年度比で約2.5倍に拡大すると予測している。このうち、同社が主戦場とするパブリック・クラウドの市場規模は2016年度が前年度比40.9%増の3,883億円で、2021年度までの年平均成長率は約22%、2021年度の市場規模は2016年度比で約2.7倍増の1兆556億円となる見通しだ。まだクライアントサーバシステムを採用している企業が多く、今後もクラウドへの移行が進むことが高成長の背景にある。
なお、パブリック・クラウドサービスはサービスの形態により、SaaS※1、PaaS※2、IaaS※3等に大きく分類される。このうち、企業が情報システムを構築する場合はPaaS、IaaSを利用することになる。これらサービスで世界の上位シェアを占めるAWSやSalesforceは、それぞれ売上高は年率でAWSは48%、Salesforceは29%と高成長が続いている。
※1 SaaS(Softwere as a Service)パッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供する形態。
※2 PaaS(Platform as a Service)アプリケーションソフトが稼働するためのハードウェアやOSなどのプラットフォーム一式を、インターネット上のサービスとして提供する形態。
※3 IaaS(Infrastructure as a Service)情報システムの稼働に必要な仮想サーバを始めとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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