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カンロ Research Memo(8):2019年12月期通期業績は増益を確保へ

注目トピックス 日本株
■業績動向

3. 2019年12月期の業績見通し
カンロ<2216>は2019年12月期業績について、売上高24,500百万円(前期比6.8%増)、営業利益1,020百万円(同1.6%増)、経常利益1,070百万円(同2.4%増)、当期純利益640百万円(同36.7%減)と見込んでいる。期初の見通しと比べて、売上高で100百万円、営業利益で80百万円、経常利益で30百万円、当期純利益で110百万円の下方修正となった。売上高を下期から回復させ、利益については少なくとも増益を維持するという意志が読み取れる。

下期だけについて言えば、売上高が期初計画の12,500百万円から12,711百万円へと上方修正されているが、営業利益は520百万円で期初予想のままである。この新しい計画では、新グミラインの通年稼働や営業強化によって下期の売上高をしっかり確保する一方、限界利益は期待していないということになる。新しい計画のとおりに売上高が取れるのであれば、利益も上振れる可能性が高いと推測できるのだが、2019年12月期業績見通しの必達への思い、そして次に述べる先行投資意欲から、慎重な計画になったとものと思われる。


「NewKANRO 2021」の進捗は順調
4. 中期経営計画の進捗と成長イメージ
同社は、中期経営計画「NewKANRO 2021」における売上拡大戦略と経営基盤強化によって“キャンディNo.1”企業を目指し、2021年12月期に売上高260億円、経常利益26億円、ROE10%以上、配当30円+αを達成する計画である。現状まで進捗としては、グミは生産能力の倍増を実現し、ハードキャンディは安定的な成長軌道に乗った。このため売上高は中期経営計画を超える勢いで伸びており、経常利益も設備や人財などの投資加速による固定費増加を吸収した上で計画を上回って推移している。好調な売上拡大戦略に対して経営基盤強化も、新人事制度の導入が完了し、全工場で国際的な食品安全規格「FSSC22000」の認証を取得するなど順調である。2017年12月期−2018年12月期で実行した選択と集中により生産性が向上したことが、このように順調な進捗の背景にあり、2019年12月期もおおむね中期経営計画の進捗としては十分満足の行く進捗となりそうだ。

しかし、2021年12月期の経常利益目標26億円はややチャレンジングのように見受けられる。また、達成のためには、相当に思い切った売上高拡大と生産性向上の施策が必要になると思われる。同社も同様に認識しているもようで、2019年12月期において10億円程度の固定費を積み増す方針である。もちろん費用の入り繰りや置き換えあっての積み増しと思われるが、同社はこれを飲み込んで経常増益見通しを立てている。次期の中期経営計画を視野に入れると、経営資源に対する投資のニーズは強く、中期的に当初想定より固定費が増加する可能性がある。固定費増加の効果としてより強い売上高と生産性の向上が期待されるが、時間も必要になると考え、損益目標について売上高260億円超とROE10%超に絞ってコミットメントした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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