マーケットE Research Memo(4):2度の上方修正をさらに上回って着地。3事業すべてが順調に伸長
[19/10/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
2019年6月期決算の分析
マーケットエンタープライズ<3135>の2019年6月期決算は、売上高8,472百万円(前期比33.8%増)、営業利益452百万円(同368.6%増)、経常利益455百万円(同379.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益203百万円(同538.0%増)と大幅な増収増益で着地した。
2019年2月と2019年5月の2度にわたり通期見通しを上方修正したが、想定を上回る伸長となり、結果的には5月の修正予想に対しても売上高、全利益項目において大きく上回った。
同社の3つの事業別動向は以下のとおりだ。
ネット型リユース事業の売上高は前期比10%増の6,359百万円となり、事業として過去最高売上高を更新し、業界平均を上回る成長を遂げた。家電・音響・カメラ・楽器・パソコンの主要5カテゴリがおおむね2ケタ増収と順調に推移したほか、ここ数年に戦略分野として注力している法人向け3商材(農機具・建機・医療機器)は前期比89%増と、依然として倍増ペースが続いている。他方で、ブランド・時計は同54%減となったが、戦略的に取扱いを縮小させた結果だ。
ネット型リユース事業のKPI(重要経営評価指標)である平均販売単価は前期比7%上昇し、約3万2,000円となっている。これはCtoCの取引における平均販売単価が2,000円程度であるのに対し、大型商材も得意とする同社の強みが顕著に反映された格好だ。また、買取依頼件数も46万6,000件と前期から21%増加した。棚卸回転日数も、商品在庫を増加させつつも当期は21.2日と前期実績の28.3日からさらに改善となった。年間17回転が実現し、業界平均の年間4〜6回転との比較において極めて高い回転率を誇っている。“買取依頼の増加⇒売れ筋商品の順調な仕入れ⇒消費者にとって魅力的な価格での販売⇒売上高の拡大”というポジティブスパイラルがワークしている状況にあると言える。
メディア事業の売上高は前期比71.8倍の198百万円となった。「iPhone格安SIM通信(iPhone・Wi-Fi・WiMAXの情報サイト)」「ビギナーズ(新しい趣味の始め方の情報サイト)」「高く売れるドットコムMAGAZINE (買取・売却にまつわる情報サイト)」「OUTLET JAPAN(アウトレットモールの情報サイト)」とメディア数を拡大させてきた。認知度向上やSEO対策等の結果PV数は順調に伸長し、2019年6月期は月平均390PVと前期比6倍に急増した。期末の2019年6月の単月PV数は600万PVに迫る(2018年6月は180万PV)状況となった。こうしたPV数の順調な拡大が前述の売上高の急拡大につながった。
通信事業の売上高は前期比3.7倍の2,065百万円となった。自社オウンドメディアからの送客が好調に推移した結果、WiMAX回線の新規獲得が順調に推移し、2019年6月期末の保有回線数は3万回線を突破した。これに伴いストック収入も月間で1億円の大台を超えた。
利益面では、営業利益が前期の96百万円から4.7倍の452百万円に急拡大した。その要因を分析すると、増収効果(930百万円)と在庫評価損の減少(97百万円)の2つの増益要因によって、売上総利益率の低下(247百万円)と販管費の増加(423百万円)の減益要因を吸収して355百万円の営業増益につなげた構図となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<SF>
2019年6月期決算の分析
マーケットエンタープライズ<3135>の2019年6月期決算は、売上高8,472百万円(前期比33.8%増)、営業利益452百万円(同368.6%増)、経常利益455百万円(同379.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益203百万円(同538.0%増)と大幅な増収増益で着地した。
2019年2月と2019年5月の2度にわたり通期見通しを上方修正したが、想定を上回る伸長となり、結果的には5月の修正予想に対しても売上高、全利益項目において大きく上回った。
同社の3つの事業別動向は以下のとおりだ。
ネット型リユース事業の売上高は前期比10%増の6,359百万円となり、事業として過去最高売上高を更新し、業界平均を上回る成長を遂げた。家電・音響・カメラ・楽器・パソコンの主要5カテゴリがおおむね2ケタ増収と順調に推移したほか、ここ数年に戦略分野として注力している法人向け3商材(農機具・建機・医療機器)は前期比89%増と、依然として倍増ペースが続いている。他方で、ブランド・時計は同54%減となったが、戦略的に取扱いを縮小させた結果だ。
ネット型リユース事業のKPI(重要経営評価指標)である平均販売単価は前期比7%上昇し、約3万2,000円となっている。これはCtoCの取引における平均販売単価が2,000円程度であるのに対し、大型商材も得意とする同社の強みが顕著に反映された格好だ。また、買取依頼件数も46万6,000件と前期から21%増加した。棚卸回転日数も、商品在庫を増加させつつも当期は21.2日と前期実績の28.3日からさらに改善となった。年間17回転が実現し、業界平均の年間4〜6回転との比較において極めて高い回転率を誇っている。“買取依頼の増加⇒売れ筋商品の順調な仕入れ⇒消費者にとって魅力的な価格での販売⇒売上高の拡大”というポジティブスパイラルがワークしている状況にあると言える。
メディア事業の売上高は前期比71.8倍の198百万円となった。「iPhone格安SIM通信(iPhone・Wi-Fi・WiMAXの情報サイト)」「ビギナーズ(新しい趣味の始め方の情報サイト)」「高く売れるドットコムMAGAZINE (買取・売却にまつわる情報サイト)」「OUTLET JAPAN(アウトレットモールの情報サイト)」とメディア数を拡大させてきた。認知度向上やSEO対策等の結果PV数は順調に伸長し、2019年6月期は月平均390PVと前期比6倍に急増した。期末の2019年6月の単月PV数は600万PVに迫る(2018年6月は180万PV)状況となった。こうしたPV数の順調な拡大が前述の売上高の急拡大につながった。
通信事業の売上高は前期比3.7倍の2,065百万円となった。自社オウンドメディアからの送客が好調に推移した結果、WiMAX回線の新規獲得が順調に推移し、2019年6月期末の保有回線数は3万回線を突破した。これに伴いストック収入も月間で1億円の大台を超えた。
利益面では、営業利益が前期の96百万円から4.7倍の452百万円に急拡大した。その要因を分析すると、増収効果(930百万円)と在庫評価損の減少(97百万円)の2つの増益要因によって、売上総利益率の低下(247百万円)と販管費の増加(423百万円)の減益要因を吸収して355百万円の営業増益につなげた構図となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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