アエリア Research Memo(7):コンテンツ事業が収益をけん引
[19/10/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2019年12月期第2四半期の業績動向
アエリア<3758>の2019年12月期第2四半期の業績は、売上高14,404百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益1,846百万円(同9.7%増)、経常利益1,745百万円(同13.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,044百万円(同952.2%増)となった。同社が展開するインターネット関連市場は、スマートフォンなど携帯端末の普及に伴う、インターネット利用者数の増加やEC(電子商取引)市場の拡大などを背景に成長を続けている。特に主力のコンテンツ事業は、サービスの多様化により継続的に拡大しているものの、勝ち残りへ向けて魅力的なコンテンツやアプリケーションを提供する必要がある。このため、サービス内容は複雑化・高度化する傾向にあり、開発費用や人件費などのコストプッシュや企業間の競争が一層激化している。同社はこのような環境のなか、子会社各社の強みを生かして女性向けなどターゲットを絞ったニッチ・マーケットを深掘りし、基盤の構築を進めてきた。一方、ITサービス事業は引き続き安定した収益を確保したが、アセットマネージメント事業では、不動産市況が上昇していることからリスクコントロールを強めた運営を進めた。
セグメント別の業績では、ファーストペンギンとエアネットが安定した収益を獲得したものの、アフィリエイト広告収益が減少したため、ITサービス事業の売上高は2,678百万円(前年同期比21.0%減)、営業利益は260百万円(同16.8%減)となった。スマートフォン向けゲーム「A3!」や「蒼焔の艦隊」の収益が好調に推移したことに加え、サイバードがグループに加わったことから、コンテンツ事業の売上高は8,571百万円(同61.3%増)、営業利益は1,490百万円(同47.4%増)となった。アセットマネージメント事業では、不動産市況を考慮しリスクコントロールを行った結果、売上高が3,155百万円(同29.5%減)、営業利益が102百万円(同73.3%減)となった。
ちなみに、同社はM&Aを積極的に活用した事業基盤の強化や拡大を目指していることから、収益性を示す経営指標としてキャッシュの健全性をも表すEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を用いている。EBITDAの視点から、近年の収益性は良好な状態が継続していると理解できる。なお、2019年12月期第2四半期のEBITDAは2,388百万円(前年同期比8.8%増)、のれん償却前四半期純利益(親会社株主に帰属する四半期純利益+のれん償却額)は1,401百万円(同245.5%増)とともに良好であった。
下期リリースの新作2本に期待
2. 2019年12月期の業績見通し
同社は2019年12月期業績見通しを、売上高30,000百万円(前期比4.7%減)、営業利益3,200百万円(同70.5%増)、経常利益3,000百万円(同85.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(前期は1,380百万円の損失)と見込んでいる。期初の予想から売上高を2,000百万円下方修正したが、営業利益で1,000百万円、経常利益で1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で600百万円上方修正している。売上高が下方修正された要因は、ITサービス事業でアフィリエイト広告収入が減少したこと、アセットマネージメント事業で不動産市況高止まりを考慮してリスクコントロールをしたことなどである。利益が上方修正されたのは、「A3!」や「蒼焔の艦隊」の好調が続いていること、前期に連結したサイバードの業績が順調に推移していること、特に第3四半期以降、リリースした2本の新作には期待ができる。
2019年12月期のセグメント別動向の見通しは、ITサービス事業は引き続き安定収益が見込まれるが、アセットマネージメント事業は市況の高止まりで不動産の仕込みが厳しく、IR(Integrated Resort:統合型リゾート)法や民泊法の成立の効果を容易に享受できなくなるようだ。コンテンツ事業は、既存人気タイトルとその周辺ビジネスの拡充や、中間持株会社化によるノウハウの共有などによる収益性の改善に加え、2本の新規タイトルリリースにより、同社の利益を大きくけん引することになりそうだ。また、「イケメン源氏伝 あやかし恋えにし」はシリーズものなので一定の需要は読めるが、男性向け美少女声優育成ゲーム「CUE!」に関しては、事前登録の多さもさることながらゲームシステムの新規性もあって、想定以上の人気を得る可能性もあると考えられる。成長ドライバーが積み重なる局面に入ったコンテンツ事業には、短期業績のみならず中期成長の押し上げにも大きな期待がかかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 2019年12月期第2四半期の業績動向
アエリア<3758>の2019年12月期第2四半期の業績は、売上高14,404百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益1,846百万円(同9.7%増)、経常利益1,745百万円(同13.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,044百万円(同952.2%増)となった。同社が展開するインターネット関連市場は、スマートフォンなど携帯端末の普及に伴う、インターネット利用者数の増加やEC(電子商取引)市場の拡大などを背景に成長を続けている。特に主力のコンテンツ事業は、サービスの多様化により継続的に拡大しているものの、勝ち残りへ向けて魅力的なコンテンツやアプリケーションを提供する必要がある。このため、サービス内容は複雑化・高度化する傾向にあり、開発費用や人件費などのコストプッシュや企業間の競争が一層激化している。同社はこのような環境のなか、子会社各社の強みを生かして女性向けなどターゲットを絞ったニッチ・マーケットを深掘りし、基盤の構築を進めてきた。一方、ITサービス事業は引き続き安定した収益を確保したが、アセットマネージメント事業では、不動産市況が上昇していることからリスクコントロールを強めた運営を進めた。
セグメント別の業績では、ファーストペンギンとエアネットが安定した収益を獲得したものの、アフィリエイト広告収益が減少したため、ITサービス事業の売上高は2,678百万円(前年同期比21.0%減)、営業利益は260百万円(同16.8%減)となった。スマートフォン向けゲーム「A3!」や「蒼焔の艦隊」の収益が好調に推移したことに加え、サイバードがグループに加わったことから、コンテンツ事業の売上高は8,571百万円(同61.3%増)、営業利益は1,490百万円(同47.4%増)となった。アセットマネージメント事業では、不動産市況を考慮しリスクコントロールを行った結果、売上高が3,155百万円(同29.5%減)、営業利益が102百万円(同73.3%減)となった。
ちなみに、同社はM&Aを積極的に活用した事業基盤の強化や拡大を目指していることから、収益性を示す経営指標としてキャッシュの健全性をも表すEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を用いている。EBITDAの視点から、近年の収益性は良好な状態が継続していると理解できる。なお、2019年12月期第2四半期のEBITDAは2,388百万円(前年同期比8.8%増)、のれん償却前四半期純利益(親会社株主に帰属する四半期純利益+のれん償却額)は1,401百万円(同245.5%増)とともに良好であった。
下期リリースの新作2本に期待
2. 2019年12月期の業績見通し
同社は2019年12月期業績見通しを、売上高30,000百万円(前期比4.7%減)、営業利益3,200百万円(同70.5%増)、経常利益3,000百万円(同85.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(前期は1,380百万円の損失)と見込んでいる。期初の予想から売上高を2,000百万円下方修正したが、営業利益で1,000百万円、経常利益で1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で600百万円上方修正している。売上高が下方修正された要因は、ITサービス事業でアフィリエイト広告収入が減少したこと、アセットマネージメント事業で不動産市況高止まりを考慮してリスクコントロールをしたことなどである。利益が上方修正されたのは、「A3!」や「蒼焔の艦隊」の好調が続いていること、前期に連結したサイバードの業績が順調に推移していること、特に第3四半期以降、リリースした2本の新作には期待ができる。
2019年12月期のセグメント別動向の見通しは、ITサービス事業は引き続き安定収益が見込まれるが、アセットマネージメント事業は市況の高止まりで不動産の仕込みが厳しく、IR(Integrated Resort:統合型リゾート)法や民泊法の成立の効果を容易に享受できなくなるようだ。コンテンツ事業は、既存人気タイトルとその周辺ビジネスの拡充や、中間持株会社化によるノウハウの共有などによる収益性の改善に加え、2本の新規タイトルリリースにより、同社の利益を大きくけん引することになりそうだ。また、「イケメン源氏伝 あやかし恋えにし」はシリーズものなので一定の需要は読めるが、男性向け美少女声優育成ゲーム「CUE!」に関しては、事前登録の多さもさることながらゲームシステムの新規性もあって、想定以上の人気を得る可能性もあると考えられる。成長ドライバーが積み重なる局面に入ったコンテンツ事業には、短期業績のみならず中期成長の押し上げにも大きな期待がかかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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