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ブイキューブ Research Memo(1):利益の出やすい企業体質づくりに成功。マーケティングを強化し攻勢をかける

注目トピックス 日本株
■要約

ブイキューブ<3681>は、離れた場所同士を映像と音声で結び、今まで移動して会わないとできなかったコミュニケーションを実現するビジュアルコミュニケーションサービスプロバイダー。ユーザー目線に立った様々なニーズに対応する機能を備えた豊富なサービスラインアップでビジネスのあらゆるコミュニケーションをつなぐ環境を提供する。2019年12月期第2四半期は収益認識基準変更、事業売却の影響による減収となり、一時的なロイヤリティ費用により営業利益は減少した。しかし、月額及び年額サブスクリプション積み上げや、事業再編、社内業務の効率化等により体質改善がさらに進み、売上が増加してもコストが増加しにくい筋肉質な企業体質を作り上げた。この社内の体質改善が成功したことに加えて、東京オリンピック・パラリンピックを目前に迎えいよいよ加速してきた働き方改革の波、テレワークの広がりを受け、テレビCMなど積極的なマス広告に投資する。2019年内に3億円前後を投資し、「テレキューブ」のサブスクリプションモデルを軸に月額サブスクリプションの積み上げを一段と加速させ、2020年12月期以降の成長につなげる。

1. 事業概要
Web会議やWebセミナーに代表される「V-CUBE」は国内外の法人企業、教育機関、官公庁など累計で5,000社以上の導入実績を有し、Web会議サービス(SaaS)市場の国内シェアNo.1の地位を盤石なものとしている。ビジュアルコミュニケーション市場における先駆者として、日本の働き方改革市場にウエイトを置き、事業戦略を展開している。

2. 2019年12月期第2四半期業績
2019年12月期第2四半期の連結業績は売上高3,111百万円(計画比2.8%増、前年同期比8.7%減)、営業利益-146百万円(計画比12百万円増、前年同期比253百万円減)、経常利益-176百万円(計画比27百万円増、前年同期比207百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益187百万円(計画比44.0%減、前年同期比243百万円増)となっている。電子黒板サービス事業の売却及び、連結子会社であったアイスタディ<2345>の株式売却により減収となり、収益認識基準の変更や一時的なロイヤリティ費用の発生により営業利益ベースでは減益となったが、アイスタディの株式売却による子会社株式売却益等で親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。

変動要因を詳細に見ると、売上高は電子黒板サービス事業の売却(234百万円減)、アイスタディの事業売却(137百万円減)や収益認識基準変更(183百万円減)により前年同期比で減少した。しかし、「テレキューブ」「V-CUBE Box」等アプライアンス事業を中心に成長しており、一時的な特殊要因を除くと増収と言える。また、営業利益は収益認識基準の変更(166百万円減)、一時的なロイヤリティ費用(142百万円減)により減少した。しかし、サブスクリプションモデルの更なる拡充、事業再編による収益性改善に取り組んだことで、限界利益は増加した。加えて販管費も1,192百万円(前年同期比19.8%減)となっており、体質改善がさらに進んだ。

3. 今後の見通し
2017年以降、同社は体質改善に取り組んできた。利益の出やすい筋肉質な体質づくりに成功し、サブスクリプションモデルの売上も見通しが立てられるようになってきた。度重なる大規模災害やオリンピックに向けてのキャンペーン等でテレワークの急速な広まりも見えてきた。しかし同社は知名度が十分でなくテレワークの裾野の広がりを取り込み切れていない。このため、ここを商機と判断し、大規模なマス広告戦略に打って出る。既に宮崎県でテレビCMによるマス広告のテストを行っており、一定の成果を得ている。2019年内に3億円前後の規模でマス広告を一気に行う。顧客の獲得につなげ、月額サブスクリプションを中心として2020年12月期の大きな売上拡大と、営業利益9億円の達成を確実なものにするとともに、2021年以降の成長のための月額サブスクリプションの積み上げ加速に重点を置く。マーケティング施策の効果を確認したのち、3ヶ年の中期経営計画を2020年2月に発表する計画だ。

このマス広告の実施に伴い、2019年10月25日付で2019年12月期の業績予想を売上高6,550百万円、営業利益を0百万円、経常利益を-62百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を372百万円と修正した。なお、2019年12月期の期末配当については1円のままで変更はない。

■Key Points
・Web会議システムで12年連続シェアNo.1の国内リーディングカンパニー
・2019年12月期第2四半期は特殊要因が重なり前年同期比減収も、利益の出やすい筋肉質な企業体質づくりに成功
・2019年内にマス広告に投資。2020年12月期の営業利益9億円の達成とその後の成長を確実にすべく月額サブスクリプションの積上を一段と加速させる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)




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