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エクスモーション Research Memo(2):組込みソフトウェア開発の“技術参謀”として成長

注目トピックス 日本株
■事業概要

エクスモーション<4394>は自動車やロボット、医療機器等の製品に組み込まれる「組込みソフトウェア」の品質改善に特化したコンサルティング事業を展開している。具体的には、企業が抱える組込みソフトウェア開発における様々な問題に対して、コンサルティング要員が当該ソフトウェアの品質診断を行い、問題点を抽出・分析して解決策を提案するだけでなく、実際に顧客の開発現場に入って技術支援を行うことで、プロジェクトを成功に導くまでのサービスを提供している。問題点を抽出・分析し、解決策を提案するコンサルティング会社は他にもあるが、開発現場に入って実際に支援まで行う企業はなく、ユニークなビジネスモデルとして同社の強みとなっている。

主要顧客はSUBARUやホンダ、トヨタ自動車などの自動車メーカーで、上位3社で売上高の約7割を占めている。特に、ここ数年はCASEをテーマとした新規開発プロジェクトが活発化しており、成長の原動力となっている。自動車分野はADAS等の電装化の進展や自動運転分野の開発を進めるなかで、組込みソフトウェアも大規模化・複雑化しており、「システムアーキテクチャ(設計構造)」を根底から見直す作業が必要になっている。また、その際には設計のしやすさだけでなく、検証試験の省力化、将来の拡張性、運用・保守までを見据えた「全体最適となるシステム設計」が重要であり、同社が“技術参謀”として課題解決を行っている。既存顧客の「継続+リピート」受注は全体の9割近くを占めており、同社サービスに対する顧客満足度の高さがうかがえる。また、新規顧客の開拓については、顧客企業内の他部署への横展開のほか、毎年11月に開催される「ET & IoT Technology 2019」(組込み総合技術展&IoT総合技術展)に出展することで商談の機会を得ている。

受注能力はコンサルティング要員(コンサルタント、エンジニア)の数で決まる。現状は引き合いが旺盛なため、エンジニアを採用すれば、一定期間(中途採用は1ヶ月、新卒採用は1年)研修を受けた後にすぐに現場に配属する格好となっている。同社では拡大する需要に対応するため、2017年以降採用活動を強化しており、2019年8月末時点で前期末比5名増の48名となっている。なお、受注額に関しては、プロジェクトに要する人数・期間で決めており、プロジェクト当たりの粗利率は45〜50%を適正水準として設定している。

コンサルティング事業以外では、組込みソフトウェアに関する教育事業(トレーニング・セミナー等の人材育成サービス)や、実際に業務で使用する品質診断ツール等の販売も行っているが、これらは同社のコンサルティングサービスを体験してもらうためのドアオープナー的な位置付けとなっており、収益への影響は軽微となっている。教育事業を行うことで顧客がスキルアップすれば、同社に対するコンサルティングニーズがなくなるとの見方もあるが、システム設計技術は年々進化しており、また顧客よりも幅広い知識と豊富な品質改善ノウハウを持つことから、マイナス影響はないと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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