ワコム Research Memo(10):技術でリードし、クリエイター向けペンタブレット市場で世界シェアトップの企業
[19/11/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
ワコム<6727>は1983年に埼玉県上尾市で設立された。社名は「ワールド」と「コンピュータ」に由来しており、また、「WA」には「人とコンピュータの調和」の意味も込められている。1984年には世界初のコードレス・ペンタブレット製品を発表した。1987年にはプロフェッショナル用グラフィックス・タブレットの「SDシリーズ」が発売され、米ディズニー社に映画制作で使用された。その後も地道に製品の改良を重ね、クリエイター向けである、クリエイティブ・ペンタブレット市場では2000年代以降は安定的に80%台の世界シェアを有している。
1991年にはペン・センサーコンポーネント分野(現テクノロジーソリューション事業)に進出した。これは同社がデジタルペンやコントロールIC、タッチパッド等の部品、モジュールを完成品メーカーにOEM供給する事業だ。詳細は後述するが、タブレット・ノートPCやスマートフォン向けの市場拡大に乗って急成長を遂げている。
証券市場には2003年4月に日本証券業協会JASDAQ市場に上場した後、2005年12月に東京証券取引所第1部に上場して現在に至っている。
■主要製品の概要
主力のクリエイティブビジネスでは、ペンタブレット製品、ディスプレイ製品、モバイル製品の3つのカテゴリーを展開
ブランド製品事業においては、ターゲット顧客や製品タイプ別に幅広いラインアップを有している。製品区分としてはクリエイティブ・ユーザーを対象とするクリエイティブビジネス、一般消費者向けのコンシューマビジネス、法人向けのビジネスソリューションに分かれている。収益規模的に中核を占めるクリエイティブビジネスにおいては製品タイプ別にペンタブレット製品、ディスプレイ製品、モバイル製品の3種類がある。これらの違いを理解することは、競争環境や製品の将来性などを理解するうえでは重要だ。
ペンタブレット製品はデジタルペンとタブレット(黒い板状のもの)で構成される最も基本的な入力デバイスだ。マウスやキーボードと同じようにPCに接続して使用する。簡単な構成であることから、プロフェッショナル向けから入門用まで幅広いラインアップとなっている。“板タブ”と称されることもある。
ディスプレイ製品はタブレット板が液晶パネルになったもので、デジタルペンで液晶画面に直接描画できるという点ではモバイル製品と同じだ。しかしOSや記憶装置を持たない入力デバイスという点ではペンタブレット製品と同じ性格の製品だ。
モバイル製品はペンタブレット製品とタブレットPCが一体化した構成のもので、液晶画面にデジタルペンで描き、そのままデバイスに入力したデータを保存することができる。一般的なタブレットPCにデジタルペンで入力するのと使い方としては同じである。しかし同社のモバイル製品はペン入力の専用機であるため性能は圧倒的に高い。タブレットPCとの関係性(競合関係か、非競合関係か)はユーザーのレベルやニーズによって変わってくる。
テクノロジーソリューション事業では、ペン・センサーシステムをスマートフォンやタブレット・ノートPCメーカーに供給している。顧客のメーカー側は同社のペン・センサーシステムを組み込むことで、ペン入力対応機能を製品(スマートフォン、タブレット等)に持たせることができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<MH>
ワコム<6727>は1983年に埼玉県上尾市で設立された。社名は「ワールド」と「コンピュータ」に由来しており、また、「WA」には「人とコンピュータの調和」の意味も込められている。1984年には世界初のコードレス・ペンタブレット製品を発表した。1987年にはプロフェッショナル用グラフィックス・タブレットの「SDシリーズ」が発売され、米ディズニー社に映画制作で使用された。その後も地道に製品の改良を重ね、クリエイター向けである、クリエイティブ・ペンタブレット市場では2000年代以降は安定的に80%台の世界シェアを有している。
1991年にはペン・センサーコンポーネント分野(現テクノロジーソリューション事業)に進出した。これは同社がデジタルペンやコントロールIC、タッチパッド等の部品、モジュールを完成品メーカーにOEM供給する事業だ。詳細は後述するが、タブレット・ノートPCやスマートフォン向けの市場拡大に乗って急成長を遂げている。
証券市場には2003年4月に日本証券業協会JASDAQ市場に上場した後、2005年12月に東京証券取引所第1部に上場して現在に至っている。
■主要製品の概要
主力のクリエイティブビジネスでは、ペンタブレット製品、ディスプレイ製品、モバイル製品の3つのカテゴリーを展開
ブランド製品事業においては、ターゲット顧客や製品タイプ別に幅広いラインアップを有している。製品区分としてはクリエイティブ・ユーザーを対象とするクリエイティブビジネス、一般消費者向けのコンシューマビジネス、法人向けのビジネスソリューションに分かれている。収益規模的に中核を占めるクリエイティブビジネスにおいては製品タイプ別にペンタブレット製品、ディスプレイ製品、モバイル製品の3種類がある。これらの違いを理解することは、競争環境や製品の将来性などを理解するうえでは重要だ。
ペンタブレット製品はデジタルペンとタブレット(黒い板状のもの)で構成される最も基本的な入力デバイスだ。マウスやキーボードと同じようにPCに接続して使用する。簡単な構成であることから、プロフェッショナル向けから入門用まで幅広いラインアップとなっている。“板タブ”と称されることもある。
ディスプレイ製品はタブレット板が液晶パネルになったもので、デジタルペンで液晶画面に直接描画できるという点ではモバイル製品と同じだ。しかしOSや記憶装置を持たない入力デバイスという点ではペンタブレット製品と同じ性格の製品だ。
モバイル製品はペンタブレット製品とタブレットPCが一体化した構成のもので、液晶画面にデジタルペンで描き、そのままデバイスに入力したデータを保存することができる。一般的なタブレットPCにデジタルペンで入力するのと使い方としては同じである。しかし同社のモバイル製品はペン入力の専用機であるため性能は圧倒的に高い。タブレットPCとの関係性(競合関係か、非競合関係か)はユーザーのレベルやニーズによって変わってくる。
テクノロジーソリューション事業では、ペン・センサーシステムをスマートフォンやタブレット・ノートPCメーカーに供給している。顧客のメーカー側は同社のペン・センサーシステムを組み込むことで、ペン入力対応機能を製品(スマートフォン、タブレット等)に持たせることができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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