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日本調剤 Research Memo(4):流通改善ガイドラインが引き続き追い風となり、利益率が大きく改善

注目トピックス 日本株
■業績の動向

3. 医薬品製造販売事業の動向
医薬品製造販売事業の2020年3月期第2四半期は、売上高21,040百万円(前年同期比8.3%増)、売上総利益3,397百万円(同13.8%増)、営業利益1,155百万円(同235.7%増)と、増収増益で着地した。期初計画との比較では、売上高と売上総利益は計画に未達となったが販管費の大幅削減の結果、営業利益は計画を大幅に上回った。

日本調剤<3341>の医薬品製造販売事業は、グループ内に国内トップクラスの調剤薬局チェーンを有する強みを生かして積極的に内部販売を拡大するとともに、それをベースに外部販売も拡大を狙うという戦略で臨んでいる。2020年3月期第2四半期は内部売上高が、調剤薬局事業における数量ベースの拡大や新規出店効果などにより、前年同期比15.7%増の9,256百万円となった。また外部売上高は、受託・導出など新たな販売チャネルへの取り組みを強化したことで同3.1%増の11,783百万円となった。

利益面では、増収に伴う増益効果と、流通改善ガイドラインに基づいた採算性重視の販売戦略による売上総利益率の改善が主因となって、営業利益が前年同期比235.7%増の1,155百万円となった。

2020年3月期第2四半期決算の注目点は、営業利益率が大きく改善した点にあると弊社では考えている。前年同期は1.8%だったものが2020年3月期第2四半期は5.5%に急上昇した。営業利益率の改善には従前から取り組んできたが、2018年1月に厚労省が出した流通改善ガイドラインが追い風となり、2019年3月期の下期は営業利益率が顕著に改善し、通期でも4.6%に達した。2020年3月期もその流れが継続したことが利益率改善の第1の理由と考えられる。それに加えて2020年3月期第2四半期は、同社が取り扱う販売品目(全675品目)に関して採算性の高い製品の販売をより強化した。こうした施策が奏功して営業利益率が一段と改善したとみられる。

中期成長戦略の項でも述べるが、医薬品製造販売事業セグメントは設備投資がピークアウトする一方、工場稼働率を上昇させる取り組みが充実しつつあり、今後利益が額・利益率ともに急速に伸びるステージに入ってきたと弊社では見ている。


薬剤師の紹介案件の増加で増収を確保。利益面では新規事業にかかる先行投資がピークアウトし大幅増益
4. 医療従事者派遣・紹介事業の動向
医療従事者派遣・紹介事業の2020年3月期第2四半期は、売上高6,775百万円(前年同期比6.7%増)、売上総利益2,903百万円(同21.9%増)、営業利益1,082百万円(同71.6%増)と増収増益となった。期初計画との比較では、売上高は未達だったが、売上総利益、営業利益は計画を上回った。

増収要因としては、まず、主力の薬剤師に関して派遣から紹介へのシフトが進行したことが挙げられる。派遣事業は継続的に収入が上がるストック型モデルであるのに対して紹介は紹介手数料を得るフロー型モデルであり、売上押し上げ要因となる。2つ目の要因としては医師紹介事業の拡大が挙げられる。医師は紹介料が高く高利益率であるため同社を始め各社が注力する分野であるが、同社は前期までに拠点整備や営業人員増加等の体制強化を実施した。2020年3月期第2四半期はそれが貢献して医師紹介事業が伸長した。

売上高が計画に対して未達となったのは、派遣需要が計画よりも減少したことが直接の要因だ。薬剤師の派遣先の各社において、薬局に求められる機能の高まりや人材の長期育成の必要性の高まりなどが背景にある。派遣から直接雇用等へと切り替えの影響で同社の薬剤師紹介事業が伸長しているという面もある。

利益面では、増収に伴う増益効果や、前期まで続いていた先行投資(医師紹介事業のための人材獲得など)がピークアウトしたことによる費用の減少などが主たる要因となって、営業利益が前年同期比大幅増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)




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