Pウォーター Research Memo(2):宅配水業界No.1の規模と成長力。天然水の製販一体経営に特長
[19/12/09]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は2006年、宅配水ビジネスの成長性に注目した(株)リヴァンプの玉塚元一(たまつかげんいち)氏(現デジタルハーツホールディングス代表取締役社長CEO)、機関投資家の藤野英人(ふじのひでと)氏、(株)日本テクノロジーベンチャーパートナーズ代表の村口和孝(むらぐちかずたか)氏(現取締役)の3人が中心となって設立された。旧社名はウォーターダイレクトである。創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまでを自社で完結させることで顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を取ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売(以下、デモ販売)を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモ販売を展開し顧客件数も順調に拡大してきた。2009年9月期に黒字化を達成、以降も成長を続け2013年に東証マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格している。2016年7月に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平社長だ。天然水の製造力No.1の旧ウォーターダイレクトと営業力No.1のエフエルシーが統合することで、宅配水業界トップ3の中でも圧倒的な成長力を持つ。2019年3月期の売上収益(37,732百万円)は宅配水業界No.1の規模である。
※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字を取った造語。
宅配水市場の成長をけん引する存在(業界1位)。広義のミネラルウォーター市場でも4位に躍進
2. 宅配水市場と同社のポジション
宅配水とは、サーバーとセットで供給されるミネラルウォーターで家庭や事業所などに宅配されるものを指す。2000年以降に普及が開始し、東日本大震災などの影響も追い風となり2012年頃までに急成長を遂げた。その後成長が鈍化した時期もあるが2015年以降成長軌道が回復し、2018年の市場規模は154,000百万円、2014年から2018年の4年間の年平均成長率は6.7%である。配送方式別に見ると、初期にリターナブル方式(容器を再利用する)で市場が形成され、その後1WAY方式(容器が使い切り)がより成長してきた。2018年の市場規模はリターナブルで74,000百万円(前年比2,000百万円減)、1WAY80,000百万円(前年比13,000百万円増)となり、初めて1WAY方式市場がリターナブル市場を上回った。同社は1WAY方式を採用しており、1WAY市場の成長をけん引する存在だ。宅配水業界の同業他社としては、リターナブル方式を主とするナックのクリクラ事業、アクアクララ(株)がある。他社は業績を発表していないが、同社の保有顧客件数は宅配水業界で1位である。また、宅配水以外を含めた広義のミネラルウォーター市場においては、売上収益シェアで1位のサントリー食品インターナショナル、2位の日本コカ・コーラ、3位キリンビバレッジに次ぐ4位に位置付けられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<ST>
1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は2006年、宅配水ビジネスの成長性に注目した(株)リヴァンプの玉塚元一(たまつかげんいち)氏(現デジタルハーツホールディングス代表取締役社長CEO)、機関投資家の藤野英人(ふじのひでと)氏、(株)日本テクノロジーベンチャーパートナーズ代表の村口和孝(むらぐちかずたか)氏(現取締役)の3人が中心となって設立された。旧社名はウォーターダイレクトである。創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまでを自社で完結させることで顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を取ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売(以下、デモ販売)を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモ販売を展開し顧客件数も順調に拡大してきた。2009年9月期に黒字化を達成、以降も成長を続け2013年に東証マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格している。2016年7月に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平社長だ。天然水の製造力No.1の旧ウォーターダイレクトと営業力No.1のエフエルシーが統合することで、宅配水業界トップ3の中でも圧倒的な成長力を持つ。2019年3月期の売上収益(37,732百万円)は宅配水業界No.1の規模である。
※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字を取った造語。
宅配水市場の成長をけん引する存在(業界1位)。広義のミネラルウォーター市場でも4位に躍進
2. 宅配水市場と同社のポジション
宅配水とは、サーバーとセットで供給されるミネラルウォーターで家庭や事業所などに宅配されるものを指す。2000年以降に普及が開始し、東日本大震災などの影響も追い風となり2012年頃までに急成長を遂げた。その後成長が鈍化した時期もあるが2015年以降成長軌道が回復し、2018年の市場規模は154,000百万円、2014年から2018年の4年間の年平均成長率は6.7%である。配送方式別に見ると、初期にリターナブル方式(容器を再利用する)で市場が形成され、その後1WAY方式(容器が使い切り)がより成長してきた。2018年の市場規模はリターナブルで74,000百万円(前年比2,000百万円減)、1WAY80,000百万円(前年比13,000百万円増)となり、初めて1WAY方式市場がリターナブル市場を上回った。同社は1WAY方式を採用しており、1WAY市場の成長をけん引する存在だ。宅配水業界の同業他社としては、リターナブル方式を主とするナックのクリクラ事業、アクアクララ(株)がある。他社は業績を発表していないが、同社の保有顧客件数は宅配水業界で1位である。また、宅配水以外を含めた広義のミネラルウォーター市場においては、売上収益シェアで1位のサントリー食品インターナショナル、2位の日本コカ・コーラ、3位キリンビバレッジに次ぐ4位に位置付けられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<ST>