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ミロク情報 Research Memo(7):クラウド・ソリューションの展開と新サービス創造で飛躍的な成長を目指す

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

2. 中長期の展望について
ミロク情報サービス<9928>は法制度の改正やITの進展などビジネス環境が急速に変化するなかで、新たな創造、イノベーションを創出することにより、2025年度に向けて「飛躍的な成長」を目指す中長期ビジョンを策定している。自社開発した多彩なクラウドサービスを提供する「bizskyプラットフォーム」(他社サービスとも連携可能)での展開とともに、会計事務所・金融機関との強固なネットワークによる新たなサービスを創造し、中小企業の事業継続、成長を支援していくことを骨子とする。

(1) 総合クラウド・ソリューション構想
現在、「bizsky」上では中小企業の従業員向けサービスとして経費精算や勤怠管理等の業務をいつでも、どこでも行える統合フロントクラウドサービス「Edge Traker」を提供しているほか、「かんたんクラウド(会計・給与)」シリーズや他社連携サービスなども提供している。今後は企業向けERP製品についても完全WEB版の開発を進め、「bizsky」と連携していく予定にしている。「Edge Traker」についても今後は中堅企業でも利用できるよう機能強化を進めていく方針だ。

さらには中堅・中小企業が抱えるITシステムの課題「2025年の崖」※1を克服するためのソリューションとして、新たに電子インボイスに対応した受発注システムを開発し、「bizsky」を中堅・中小企業向けの総合クラウド・ソリューションプラットフォームに進化させていく構想を描いている。2023年10月よりインボイス制度が導入されることや、EDIシステムについても現在、その基盤となっているNTT<9432>のISDNサービスが2024年1月に終了する予定となっており、現在、ISDN版EDIシステムを利用している企業※2はインターネット対応へ刷新する必要があり潜在需要は大きいと見られる。

※1 既存のITシステム(レガシーシステム)が老朽化・肥大化・複雑化・ブラックボックス化しており、この問題を解決できない場合にはDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まず、2025年以降に日本全体で経済損失が生じるおそれがあることを評して、「2025年の崖」と呼んでいる(経済産業省「DXレポート 〜ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開〜」)。
※2 ISDN版EDIシステムの利用率は中小企業で約3割程度。


(2) ファイナンス・サービス構想
新たなサービスとして、「bizsky」を基盤とした中小企業向けファイナンス・サービスの展開を目指している。同社の顧客である会計事務所や提携する金融機関と協業して、会計事務所の先にある約50万社の中小企業や個人事業主に対して、最適な資金調達手段(銀行融資、ファクタリング、クラウドファンディング等)を提案し実行するBPOサービスを提供し、その手数料を獲得していくビジネスモデルとなる。

中小企業は「bizsky」上の受発注システムや会計システム、キャッシュフローマネジメントシステム(以下、CFM)等を利用することにより業務効率化を実現するとともに、会計事務所のBPOサービスを活用することで安心して最適な資金調達・資金管理が可能となる。同スキームでは企業が「bizsky」上で提供されるCFMやEDIシステム、かんたんクラウド会計などを利用していることが前提となり、会計事務所が中小企業のCFO的な役割を担うことになる。サービスの流れとしては、会計事務所が日常的に顧問先企業の資金繰りをCFMでチェックし、モニタリングの結果、融資需要のある企業に対してファイナンスアドバイスを行い、融資等につなげていく流れとなる。

(3) 事業承継支援サービスの積極展開
子会社のmmapによる事業承継支援サービスを積極展開していく。同社の全国31拠点とパートナー会計事務所(4,112事務所)のネットワークを生かした譲渡希望ニーズの発掘だけでなく、今後は買い手側のアドバイザーとしても、同社のERP製品ユーザー(約17,000社)や提携金融機関(71行)の広範なネットワークを活用して、買い手企業とのマッチングを推進していく。従来は、売り手側のアドバイザーのみであったが、買い手側のアドバイザーを行うことでマッチング率を高め、事業拡大を進めていく方針となっている。

(4) 人材投資について
人材投資については引き続き強化していく方針となっている。2019年春の新卒社員は70名を採用したが、2020年春も営業・開発部門を中心に70名強の採用を予定している。また、開発体制については現在、外注も利用しているが、ノウハウの蓄積を進めていくため今後は内製化率を引き上げていく方針となっている。なお、同社単独ベースの開発人員は約210名となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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