レアジョブ Research Memo(3):オンライン英会話サービスの業界最大手、累計無料会員数は80万人超(2)
[19/12/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■レアジョブ<6096>の会社概要
(3) グループ会社の状況と従業員数
連結対象子会社は2019年9月末時点で、国内1社、フィリピン4社、シンガポール1社の6社となり、そのほかフィリピンに持分法適用関連会社を1社有している。このうち、RareJob Philippines, Inc.はフィリピンでの英会話講師の選定・教育・管理業務を担っている(現在、フィリピンでは6,000人の講師が登録)。国内子会社の(株)エンビジョンは、学校向けオンライン英会話サービスや子ども専門オンライン英会話サービス「リップルキッズパーク」を提供・運営しており、レアジョブの議決権の所有比率は2019年3月末時点では100%だったが、2019年4月に増進会ホールディングスが33.41%の出資を行ったため、2019年9月末時点でのレアジョブの所有比率は66.59%となっている。
フィリピン子会社のうち、ENVIZION PHILIPPINES,INC.とRIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES, INC.は、運営しているレッスン供給センターから、学校向けのレッスンとリップルキッズパーク向けのレッスンをそれぞれ主に提供している。ENVIZION PHILIPPINES,INCとRIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES, INC.は、いずれも(株)エンビジョンが99.995%の議決権を所有する子会社であり、(株)エンビジョンの親会社であるレアジョブから見ると、それぞれ66.59%の所有比率となる。
そのほか、2019年4月にはシンガポールで英会話学校事業を展開しているGeos Language Centre Pte Ltd.を子会社化しており、同社をグローバル水準のR&D拠点、並びにアジア各国の教育市場の調査を行う拠点と位置付けている。海外子会社はすべて12月決算となっており、連結決算には同日現在の財務諸表を使用し、3月末までに生じた重要な取引に関しては連結上必要な調整を行っている。
なお、グループの従業員数は事業の拡大とともに年々増加しており、2019年3月末時点で単体116人、連結657人の体制となっている。
2. 事業内容
同社は、高い英語力を持つフィリピン在住のフィリピン人講師とユーザーをインターネットでつなぎ、安価で高品質なオンライン英会話サービスを提供している。現在の主力サービスは「レアジョブ英会話」となる。日常英会話コースやビジネス英会話コース等があり、個人は9割以上が日常英会話コースを利用し、法人はビジネス英会話コースが多い。日常英会話コースで最も利用されているのは月額5,800円の毎日25分プランとなる。毎日1レッスンの受講が可能で、毎日受講すれば1レッスン当たり187円となり、割安感があるためだ。ユーザーはビジネスマンが中心で20〜30代が約7割を占めるが、10代から70代まで幅広い年齢層で利用されている。また、男女別ではほぼ半々の比率となっている。
収益構造としては、ユーザーは上記の通り月額料金を固定で支払う一方、講師への支払いは大部分が実施したレッスン数に応じて支払う構造となっている。そのため、ユーザーのレッスン受講率に応じて収益性が変動するが、実際のレッスン受講率は一定の季節性があるものの、前年同月比など過去との比較では大きな変化は見られないという。
(1) 個人向けサービス
個人向けサービスとしては「レアジョブ英会話」のほか、子ども専用オンライン英会話サービスの「リップルキッズパーク」、対面型の「レアジョブ本気塾」があり、売上の大半は「レアジョブ英会話」となる。
「レアジョブ英会話」を例にビジネスの流れを見ると、顧客獲得についてはWebマーケティング(リスティング広告、アフィリエイト広告、CMS、SNS等)で、「レアジョブ英会話」サイトに集客することで獲得している。有料会員を獲得するまでの流れは、まず「レアジョブ英会話」のサイトを見たユーザーが、無料会員登録を行い(無料レッスンを2回受講できる)、実際に受講してみて有料サービスを申し込むかどうかを決定する。このため、Webサイトへの集客施策と無料会員の登録数、無料会員から有料会員への移行率(コンバージョン率)、有料会員継続率等が売上拡大のKPIとなり、これらを向上させていくことが売上高の拡大につながっていく。このうち、累積の無料会員数については2019年10月時点で累計80万人を突破したもようで、年間10万人前後のペースの登録が続いている。有料会員継続率については地道なレッスン品質の向上や教材のリニューアル、利便性の高い機能の追加などを行うことで改善に取り組んでおり、平均受講期間としては1年前後となっている。
(2) 法人向けサービス
法人向けサービスでは個人向けと同じ「レアジョブ英会話」のほか、2018年秋から開始した成果保証型サービスの「スマートメソッド®コース」、「レアジョブ英会話留学」、講師を派遣するオフラインセッションなどの中から、顧客ニーズに合わせてサービスを組み合わせた英語研修プログラムを提供している。
顧客開拓については、東京本社のほか大阪、名古屋、福岡に支社を開設し直接営業を行っているほか、三井物産からの支援・紹介も受けている。企業が社員に対して実施する研修として英語研修をソリューション提案しており、サービス開始以降、既に累計2,300社以上の企業に導入されている。特に、大企業で大規模な研修を行う場合は対象ユーザー数も多くなるため、一定数以上の講師を揃えておく必要があるが、同社のサービスでは既に6,000人の講師を抱えており、法人向けサービスでの強みとなっている。また、同社が上場企業であることや、三井物産の提携先であること、導入実績が十分にあることなどから信頼が得やすいことも法人顧客獲得のうえでの強みとなっている。
「スマートメソッド®コース」は、同コース専用のトレーニングを受けた認定講師と専用教材によるレッスンと、専任の日本人コンサルタントによるサポートで、短期間で確実に英会話力のレベルアップを保証したサービスとなる。約16週間(月〜金:50分レッスン/日、週末は20分テストによる進捗確認、2時間の自己学習)のコースで、料金は45万円(税抜)と通常の「レアジョブ英会話」よりも高くなるが、CEFR-J※による10段階区分の英会話力レベル判定で、受講前から少なくとも1段階のレベルアップに相当する、同社基準のレベルアップを保証している。サービス開始以降、顧客からの評価は高く、受講者都合で中途解約した場合を除き、受講者全員が1段階以上のレベルアップを達成しているという。
※CEFR-Jとは、語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格となっているCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)をベースに、日本の英語教育での利用を目的に構築された英語能力の到達度指標。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(3) グループ会社の状況と従業員数
連結対象子会社は2019年9月末時点で、国内1社、フィリピン4社、シンガポール1社の6社となり、そのほかフィリピンに持分法適用関連会社を1社有している。このうち、RareJob Philippines, Inc.はフィリピンでの英会話講師の選定・教育・管理業務を担っている(現在、フィリピンでは6,000人の講師が登録)。国内子会社の(株)エンビジョンは、学校向けオンライン英会話サービスや子ども専門オンライン英会話サービス「リップルキッズパーク」を提供・運営しており、レアジョブの議決権の所有比率は2019年3月末時点では100%だったが、2019年4月に増進会ホールディングスが33.41%の出資を行ったため、2019年9月末時点でのレアジョブの所有比率は66.59%となっている。
フィリピン子会社のうち、ENVIZION PHILIPPINES,INC.とRIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES, INC.は、運営しているレッスン供給センターから、学校向けのレッスンとリップルキッズパーク向けのレッスンをそれぞれ主に提供している。ENVIZION PHILIPPINES,INCとRIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES, INC.は、いずれも(株)エンビジョンが99.995%の議決権を所有する子会社であり、(株)エンビジョンの親会社であるレアジョブから見ると、それぞれ66.59%の所有比率となる。
そのほか、2019年4月にはシンガポールで英会話学校事業を展開しているGeos Language Centre Pte Ltd.を子会社化しており、同社をグローバル水準のR&D拠点、並びにアジア各国の教育市場の調査を行う拠点と位置付けている。海外子会社はすべて12月決算となっており、連結決算には同日現在の財務諸表を使用し、3月末までに生じた重要な取引に関しては連結上必要な調整を行っている。
なお、グループの従業員数は事業の拡大とともに年々増加しており、2019年3月末時点で単体116人、連結657人の体制となっている。
2. 事業内容
同社は、高い英語力を持つフィリピン在住のフィリピン人講師とユーザーをインターネットでつなぎ、安価で高品質なオンライン英会話サービスを提供している。現在の主力サービスは「レアジョブ英会話」となる。日常英会話コースやビジネス英会話コース等があり、個人は9割以上が日常英会話コースを利用し、法人はビジネス英会話コースが多い。日常英会話コースで最も利用されているのは月額5,800円の毎日25分プランとなる。毎日1レッスンの受講が可能で、毎日受講すれば1レッスン当たり187円となり、割安感があるためだ。ユーザーはビジネスマンが中心で20〜30代が約7割を占めるが、10代から70代まで幅広い年齢層で利用されている。また、男女別ではほぼ半々の比率となっている。
収益構造としては、ユーザーは上記の通り月額料金を固定で支払う一方、講師への支払いは大部分が実施したレッスン数に応じて支払う構造となっている。そのため、ユーザーのレッスン受講率に応じて収益性が変動するが、実際のレッスン受講率は一定の季節性があるものの、前年同月比など過去との比較では大きな変化は見られないという。
(1) 個人向けサービス
個人向けサービスとしては「レアジョブ英会話」のほか、子ども専用オンライン英会話サービスの「リップルキッズパーク」、対面型の「レアジョブ本気塾」があり、売上の大半は「レアジョブ英会話」となる。
「レアジョブ英会話」を例にビジネスの流れを見ると、顧客獲得についてはWebマーケティング(リスティング広告、アフィリエイト広告、CMS、SNS等)で、「レアジョブ英会話」サイトに集客することで獲得している。有料会員を獲得するまでの流れは、まず「レアジョブ英会話」のサイトを見たユーザーが、無料会員登録を行い(無料レッスンを2回受講できる)、実際に受講してみて有料サービスを申し込むかどうかを決定する。このため、Webサイトへの集客施策と無料会員の登録数、無料会員から有料会員への移行率(コンバージョン率)、有料会員継続率等が売上拡大のKPIとなり、これらを向上させていくことが売上高の拡大につながっていく。このうち、累積の無料会員数については2019年10月時点で累計80万人を突破したもようで、年間10万人前後のペースの登録が続いている。有料会員継続率については地道なレッスン品質の向上や教材のリニューアル、利便性の高い機能の追加などを行うことで改善に取り組んでおり、平均受講期間としては1年前後となっている。
(2) 法人向けサービス
法人向けサービスでは個人向けと同じ「レアジョブ英会話」のほか、2018年秋から開始した成果保証型サービスの「スマートメソッド®コース」、「レアジョブ英会話留学」、講師を派遣するオフラインセッションなどの中から、顧客ニーズに合わせてサービスを組み合わせた英語研修プログラムを提供している。
顧客開拓については、東京本社のほか大阪、名古屋、福岡に支社を開設し直接営業を行っているほか、三井物産からの支援・紹介も受けている。企業が社員に対して実施する研修として英語研修をソリューション提案しており、サービス開始以降、既に累計2,300社以上の企業に導入されている。特に、大企業で大規模な研修を行う場合は対象ユーザー数も多くなるため、一定数以上の講師を揃えておく必要があるが、同社のサービスでは既に6,000人の講師を抱えており、法人向けサービスでの強みとなっている。また、同社が上場企業であることや、三井物産の提携先であること、導入実績が十分にあることなどから信頼が得やすいことも法人顧客獲得のうえでの強みとなっている。
「スマートメソッド®コース」は、同コース専用のトレーニングを受けた認定講師と専用教材によるレッスンと、専任の日本人コンサルタントによるサポートで、短期間で確実に英会話力のレベルアップを保証したサービスとなる。約16週間(月〜金:50分レッスン/日、週末は20分テストによる進捗確認、2時間の自己学習)のコースで、料金は45万円(税抜)と通常の「レアジョブ英会話」よりも高くなるが、CEFR-J※による10段階区分の英会話力レベル判定で、受講前から少なくとも1段階のレベルアップに相当する、同社基準のレベルアップを保証している。サービス開始以降、顧客からの評価は高く、受講者都合で中途解約した場合を除き、受講者全員が1段階以上のレベルアップを達成しているという。
※CEFR-Jとは、語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格となっているCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)をベースに、日本の英語教育での利用を目的に構築された英語能力の到達度指標。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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