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ダイコク電 Research Memo(5):将来を見据えた研究開発費を積極投入。足元では復調の兆しも

注目トピックス 日本株
■決算動向

1. 過去の業績推移
過去9期分の業績を振り返ると、個人消費の冷え込みと東日本大震災の影響とが重なった2011年3月期に業績の落ち込みがあったが、その後はパチンコ業界が縮小傾向にあるなかでも、ダイコク電機<6430>の業績は順調に回復してきた。特に高い市場シェアを誇る「情報システム事業」は、2015年3月期まで3期連続で過去最高の売上高を更新しており、同社の業績を支えてきた。ただ、2016年3月期以降は、業界における自主規制や「回収・撤去」の影響、そして今回の「新規則」に伴う先行き不透明感など、相次ぐマイナスの外部要因により、売上高は縮小傾向(6期連続の減収)をたどっている。

また、利益面では、「情報システム事業」が同社の収益源となっており、業績の回復とともに高い利益率が維持されてきた。2014年3月期以降は次世代製品群向けの研究開発費の増加等により低下しているが、その分を考慮すれば、依然高い水準を確保していると言える。特に、MGサービスの伸長などストック型ビジネスモデルへの転換が着実に進み、収益の下支えとなっている。

財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、内部留保の積み上げ等により上昇傾向にあり、2019年3月期は68.4%の高い水準となっている。また、短期の支払能力を示す流動比率についても、潤沢な現金及び預金を中心に213.9%の水準を確保している。一方、資本効率性を示すROEは2015年3月期以降、低調に推移してきた。いずれも最終損益の落ち込みによるものであり、2015年3月期は取引先メーカーの自己破産に伴う損失、2016年3月期は自主規制の影響によりパチスロ遊技機の販売機種及び台数において計画を下回ったことによる専用部材の評価替えに伴う損失が原因となっている。ただ、足元では徐々に回復傾向にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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