アイナボHD Research Memo(1):中堅の住設・外壁工事会社。中期経営計画の目標(営業利益19億円)は達成
[19/12/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社4社、非連結子会社2社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンや各種水周り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金借入金)は10,523百万円(2019年9月期)と豊富でありバランスシートは強固である。
1. 2019年9月期業績概要(実績):増収に加え売上総利益率改善で前期比41.9%増の営業増益
2019年9月期の連結業績は、売上高69,584百万円(前期比10.1%増)、営業利益2,164百万円(同41.9%増)、経常利益2,400百万円(同40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,454百万円(同30.7%増)となった。戸建住宅事業、大型物件事業ともに増収を確保したことに加え、売上総利益率が0.5ポイント改善し、一方で販管費を予算内に抑えることができたため営業利益は大幅増益となった。ただし、前期の水準が低かったことも増益率が高くなった理由の1つだ。セグメント別の利益は、戸建住宅事業は前期比33.6%増、大型物件事業は同51.9%増となり、両事業で増益を確保した。
2. 2020年9月期業績見通し:営業利益は前期比3.9%減の予想
2020年9月期は売上高で70,900百万円(前期比1.9%増)、営業利益で2,080百万円(同3.9%減)、経常利益で2,310百万円(同3.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,420百万円(同2.4%減)と予想されている。前期が好調であったこと、住宅市場の先行きが不透明であること、消費増税の反動が出る懸念があることなどから堅めの予想となっている。外部環境をかなり厳しく見た予想であり、実際の環境がそれほど厳しくなければ、上方修正の可能性もあるだろう。現在の予想がボトムラインとも言えそうだ。
3. 新中期経営計画を発表:2022年9月期に売上高900億円、営業利益率2.5%が目標
前回の中期経営計画の目標は2019年9月期に売上高700億円、営業利益19億円、営業利益率2.7%であったが、この目標はほぼ達成された。新たに発表された中期経営計画(2022年9月期最終年度)では、売上高900億円(M&A含む)、営業利益率2.5%(22.5億円)を目標としている。売上高はかなり高い目標であるが、営業利益率はかなり控え目と思われ、売上未達でも利益は達成できる可能性はありそうだ。株主還元については配当性向30%を目途としており、2020年9月期は年間34円配当(予想配当性向27.7%)を予定しているが、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・進行中の2020年9月期は不透明で営業利益は前期比3.9%減予想だが堅め
・新中期経営計画の目標は2022年9月期に売上高900億円、営業利益率2.5%
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<MH>
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社4社、非連結子会社2社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンや各種水周り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金借入金)は10,523百万円(2019年9月期)と豊富でありバランスシートは強固である。
1. 2019年9月期業績概要(実績):増収に加え売上総利益率改善で前期比41.9%増の営業増益
2019年9月期の連結業績は、売上高69,584百万円(前期比10.1%増)、営業利益2,164百万円(同41.9%増)、経常利益2,400百万円(同40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,454百万円(同30.7%増)となった。戸建住宅事業、大型物件事業ともに増収を確保したことに加え、売上総利益率が0.5ポイント改善し、一方で販管費を予算内に抑えることができたため営業利益は大幅増益となった。ただし、前期の水準が低かったことも増益率が高くなった理由の1つだ。セグメント別の利益は、戸建住宅事業は前期比33.6%増、大型物件事業は同51.9%増となり、両事業で増益を確保した。
2. 2020年9月期業績見通し:営業利益は前期比3.9%減の予想
2020年9月期は売上高で70,900百万円(前期比1.9%増)、営業利益で2,080百万円(同3.9%減)、経常利益で2,310百万円(同3.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,420百万円(同2.4%減)と予想されている。前期が好調であったこと、住宅市場の先行きが不透明であること、消費増税の反動が出る懸念があることなどから堅めの予想となっている。外部環境をかなり厳しく見た予想であり、実際の環境がそれほど厳しくなければ、上方修正の可能性もあるだろう。現在の予想がボトムラインとも言えそうだ。
3. 新中期経営計画を発表:2022年9月期に売上高900億円、営業利益率2.5%が目標
前回の中期経営計画の目標は2019年9月期に売上高700億円、営業利益19億円、営業利益率2.7%であったが、この目標はほぼ達成された。新たに発表された中期経営計画(2022年9月期最終年度)では、売上高900億円(M&A含む)、営業利益率2.5%(22.5億円)を目標としている。売上高はかなり高い目標であるが、営業利益率はかなり控え目と思われ、売上未達でも利益は達成できる可能性はありそうだ。株主還元については配当性向30%を目途としており、2020年9月期は年間34円配当(予想配当性向27.7%)を予定しているが、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・進行中の2020年9月期は不透明で営業利益は前期比3.9%減予想だが堅め
・新中期経営計画の目標は2022年9月期に売上高900億円、営業利益率2.5%
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<MH>