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大幸薬品 Research Memo(2):2020年3月期通期は、3年連続増収増益を予想。インフル流行入り早く足元好調

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

大幸薬品<4574>の2020年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比8.1%増の11,260百万円、営業利益で同8.4%増の2,200百万円、経常利益で同3.4%増の1,950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.3%増の1,420百万円と堅調な増収増益を予想。上期業績が好調だったが、期初予想を据え置いた。

医薬品事業の売上高は前期から安定成長を予想する(前期比2.7%増)。上期を終わった段階の通期売上計画に対する進捗率は47.5%(前年同期は45.1%)であり、順調である。国内医薬品事業では、マーケティング施策を強化し、正露丸商品群全体としての新しいメッセージ「全下痢対応」の更なる浸透を図るため、積極的な広告宣伝を行う。「全下痢対応」の意味としては、「ウイルス・菌」による下痢のときは「正常な腸の働きを止める」下痢止めは飲んではならないとされるが、同社の正露丸は一般的な下痢止めと異なり、「正常な腸の動きを止めない」ため、「ウイルス・菌」による下痢でも飲むことができる、というもの。海外医薬品事業は、2020年3月期も中国・台湾を中心に成長を予想。第3四半期には中国向けの出荷が予定されている。

感染管理事業は、例年並みの季節性インフルエンザの流行を前提にしつつも、感染管理市場の継続的な成長を背景として既存製品の販売増加及び新製品の販売開始の効果を加味し2ケタ成長を見込む(前期比14.4%増)。上期を終わった段階の通期売上計画に対する進捗率は30.1%(前年同期は27.1%)であり、本格シーズンの前ではあるが順調に推移する。クレベリンの売上高を左右するのが、インフルエンザの流行の度合いやその報道の多寡である。今期は、45週(11月4日からの週)から流行シーズン入りが発表され、昨年の49週よりも4週早かった。足元の店頭販売も好調である(11月末時点)。例年ピークとなる1月下旬から2月上旬にかけて、流行がどう推移するかが注目される。今期はクレベ&アンドのブランドでの日常除菌製品分野の新商品3アイテムが発売され、2019年9月には出荷がスタート。海外に関しては、台湾市場及び中国市場でのチャネルが確定し伸びが期待できる。

2020年3月期もブランド強化などのマーケティング施策等のために販売費及び一般管理費を588百万円増やすが、増収効果及び返品の減少による売上総利益率向上で吸収し増益を見込む。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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