リネットジャパン Research Memo(9):2020年9月期は会計基準の変更により減収となるが、高成長基調は継続
[20/01/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
● 2020年9月期の業績見通し
2020年9月期の業績予想についてリネットジャパングループ<3556>は、営業収益を前期比11.7%減の7,568百万円、営業利益を同10.8%減の383百万、経常利益を同6.7%増の412百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同4.9%増の259百万円と、車両販売の計上方法の変更により減収及び営業減益を見込んでいる(一方、経常利益以下は増益)。
営業収益は、カンボジアでの「車両販売事業」が契約台数を大きく伸ばすものの、計上方法の変更(割賦販売からリースへの切り替え)により減収となる見通しである。したがって、実態としては、高成長が継続するとの見方が妥当である※。また、「リユース事業」が2ケタ近い成長に回復するとともに、「小型家電リサイクル事業」についても引き続き大きく伸びる想定となっている。
※例えば、100万円の自動車を割賦販売すれば、売上高100万円とそれに付随する利益が契約時に一括して計上される一方、3年間のリース契約となれば、毎年約33万円の売上高とそれに付随する利益が3年間に按分されて計上されることになる。したがって、契約時の売上高・利益は3分の1に一旦減少するが、3年間にわたって安定的な売上高・利益を計上することができ、「ストック型収益」のビジネスへの転換として捉えることができる。
利益面でも、将来に向けた積極投資(人材採用、送り出し用研修センター兼寮の建設等)を実施するとともに、既述した計上方法の変更により「海外事業」が一旦大きく落ち込むものの、「リユース事業」及び「小型家電リサイクル事業」の利益の底上げによりカバーし、経常増益を確保する。経常利益率は5.4%(前期は4.5%)に改善する見通しである。
事業別の業績見通し(及び活動計画)は以下のとおりである。
(1) リユース事業
営業収益は前期比9.3%増の3,815百万円、セグメント経常利益は同15.3%増の415百万円と増収増益を見込んでいる。「残存者利益」の享受により、継続的な利益成長を目指す方針である。
(2) 小型家電リサイクル事業
営業収益は前期比42.2%増の847百万円、セグメント経常利益は同330.6%増の155百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。これまで拡大してきた自治体ルートに加え、家電量販店ルート※1を伸ばすことで高い成長を維持する方針である。なお、「メダルプロジェクト」は当初予定どおり2019年3月末日に終了したものの、新たに「アフターメダルプロジェクト」(環境省)と題して、スペシャルオリンピックス等※2と連携した回収促進の取り組みがスタートしている。既述した、パソコン処理センターでの知的障がい者雇用の推進と合わせて展開していく考えだ。また、利益面でも、売上高の伸びとともに収益性も大きく高まる事業モデルであることから、セグメント利益は1億円を超える水準に達するとともに、セグメント利益率も18.3%(前期は6.0%)に大きく上昇する見通しである。
※1 家電量販店は、使用済小型家電の回収を店頭等で行っているが、同社の宅配便リサイクルの仕組みを加えることで、不用になった家電を自宅からリサイクルできる選択肢が増えるため、家電量販店にとって顧客の利便性をさらに高めることができる。また、ネット通販においても、宅配便リサイクルの導入を通じて、新たに小型家電リサイクルの取り組みを行うことが可能となる。
※2 スペシャルオリンピックスとは、IOCからオリンピックの名称使用を認められた、知的障がいのある方々に様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会(4年に1度、夏季・冬季の世界大会を実施)を提供している国際的な機関である。同社は、スペシャルオリンピックス日本・愛知のスポンサー企業となっている。
(3) 海外事業
営業収益は前期比35.2%減の2,905百万円、セグメント経常利益は同27.4%減の427百万円と減収減益を見込んでいる。前述のとおり、「車両販売事業」における計上方法の変更(割賦販売からリースへの切り替え)※により減収減益となるものの、契約台数は前期比約1.8倍の1,560台に大きく伸ばす計画であり、実態としては高成長が継続する前提となっていることに注意が必要である。また、2020年1月にはソーシャル・マイクロ保険会社であるプレボアの連結化も予定している。一方、「マイクロファイナンス事業」についても、引き続き融資残高の積み上げを目指すとともに、「人材送出し事業」については、将来に向けた積極投資(研修センター建設等)を行いながら、日本への送出し人数も着実に増やしていく方針である。
※2019年10月にSBIホールディングスと共同買収したリース会社(エリン)によるリース事業の開始に伴うもの。今後はニーズの高い車両リースを軸に契約台数を伸ばす計画であり、「ストック型収益」への切り替えを図っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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● 2020年9月期の業績見通し
2020年9月期の業績予想についてリネットジャパングループ<3556>は、営業収益を前期比11.7%減の7,568百万円、営業利益を同10.8%減の383百万、経常利益を同6.7%増の412百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同4.9%増の259百万円と、車両販売の計上方法の変更により減収及び営業減益を見込んでいる(一方、経常利益以下は増益)。
営業収益は、カンボジアでの「車両販売事業」が契約台数を大きく伸ばすものの、計上方法の変更(割賦販売からリースへの切り替え)により減収となる見通しである。したがって、実態としては、高成長が継続するとの見方が妥当である※。また、「リユース事業」が2ケタ近い成長に回復するとともに、「小型家電リサイクル事業」についても引き続き大きく伸びる想定となっている。
※例えば、100万円の自動車を割賦販売すれば、売上高100万円とそれに付随する利益が契約時に一括して計上される一方、3年間のリース契約となれば、毎年約33万円の売上高とそれに付随する利益が3年間に按分されて計上されることになる。したがって、契約時の売上高・利益は3分の1に一旦減少するが、3年間にわたって安定的な売上高・利益を計上することができ、「ストック型収益」のビジネスへの転換として捉えることができる。
利益面でも、将来に向けた積極投資(人材採用、送り出し用研修センター兼寮の建設等)を実施するとともに、既述した計上方法の変更により「海外事業」が一旦大きく落ち込むものの、「リユース事業」及び「小型家電リサイクル事業」の利益の底上げによりカバーし、経常増益を確保する。経常利益率は5.4%(前期は4.5%)に改善する見通しである。
事業別の業績見通し(及び活動計画)は以下のとおりである。
(1) リユース事業
営業収益は前期比9.3%増の3,815百万円、セグメント経常利益は同15.3%増の415百万円と増収増益を見込んでいる。「残存者利益」の享受により、継続的な利益成長を目指す方針である。
(2) 小型家電リサイクル事業
営業収益は前期比42.2%増の847百万円、セグメント経常利益は同330.6%増の155百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。これまで拡大してきた自治体ルートに加え、家電量販店ルート※1を伸ばすことで高い成長を維持する方針である。なお、「メダルプロジェクト」は当初予定どおり2019年3月末日に終了したものの、新たに「アフターメダルプロジェクト」(環境省)と題して、スペシャルオリンピックス等※2と連携した回収促進の取り組みがスタートしている。既述した、パソコン処理センターでの知的障がい者雇用の推進と合わせて展開していく考えだ。また、利益面でも、売上高の伸びとともに収益性も大きく高まる事業モデルであることから、セグメント利益は1億円を超える水準に達するとともに、セグメント利益率も18.3%(前期は6.0%)に大きく上昇する見通しである。
※1 家電量販店は、使用済小型家電の回収を店頭等で行っているが、同社の宅配便リサイクルの仕組みを加えることで、不用になった家電を自宅からリサイクルできる選択肢が増えるため、家電量販店にとって顧客の利便性をさらに高めることができる。また、ネット通販においても、宅配便リサイクルの導入を通じて、新たに小型家電リサイクルの取り組みを行うことが可能となる。
※2 スペシャルオリンピックスとは、IOCからオリンピックの名称使用を認められた、知的障がいのある方々に様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会(4年に1度、夏季・冬季の世界大会を実施)を提供している国際的な機関である。同社は、スペシャルオリンピックス日本・愛知のスポンサー企業となっている。
(3) 海外事業
営業収益は前期比35.2%減の2,905百万円、セグメント経常利益は同27.4%減の427百万円と減収減益を見込んでいる。前述のとおり、「車両販売事業」における計上方法の変更(割賦販売からリースへの切り替え)※により減収減益となるものの、契約台数は前期比約1.8倍の1,560台に大きく伸ばす計画であり、実態としては高成長が継続する前提となっていることに注意が必要である。また、2020年1月にはソーシャル・マイクロ保険会社であるプレボアの連結化も予定している。一方、「マイクロファイナンス事業」についても、引き続き融資残高の積み上げを目指すとともに、「人材送出し事業」については、将来に向けた積極投資(研修センター建設等)を行いながら、日本への送出し人数も着実に増やしていく方針である。
※2019年10月にSBIホールディングスと共同買収したリース会社(エリン)によるリース事業の開始に伴うもの。今後はニーズの高い車両リースを軸に契約台数を伸ばす計画であり、「ストック型収益」への切り替えを図っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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