イメージワン Research Memo(1):迅速に進んだ新規事業への積極投資と既存事業の再構築
[20/01/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要と事業内容
イメージ ワン<2667>は、「『人の健康と地球環境』の分野において、IT医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります」を企業理念に掲げ、ヘルスケアソリューション事業(メディカルシステム、再生医療等)と地球環境ソリューション事業(UAV関連、再生可能エネルギー関連等)の2つのセグメントで事業展開している。
2. 経営改革はスピーディーに進展
2018年12月開催の定時株主総会において、コーポレートガバナンス手段として新規事業を行うための定款変更と経営陣の刷新を柱とする株主提案議案が提案され、可決された。それから1年弱が経過し、有言実行の経営力が確認されつつある。新規領域において、バランスシートとアライアンスの積極活用により事業の垂直立ち上げを実現しているほか、既存領域においても、「duranta(ウェアラブル心電計)」事業の譲渡や 関連会社(エンパワープレミアム)の減損処理の実行、医療画像システム関連商品の次世代病院システム(クラウド型電子カルテ、線量管理システム他)への進化やPix4D製ソフトウェアによる成果物提供サービスの開発への取り組みを通じて「選択と集中」を実践している。
3. 2019年9月期は実質的に新中期経営計画の初年度目標をクリア、財務健全性も維持している
2019年9月期決算は、売上高1,879百万円(前期比13.7%増)、経常利益692百万円(同676百万円増)と実質増収増益を達成した。新中期経営計画の初年度目標との比較においても、売上高とROEは文句なしに達成、営業利益は未達ながら、経常利益以下の利益動向を勘案すれば実質的に目標を達成したと評価できる。一方、2019年9月期末の自己資本比率は55.5%まで低下したものの、流動比率は525.4%へと一段と上昇し、バランスシートを積極活用しながらも財務の健全性は総じて問題ない状況にある。
4. 高い目線で策定された新中期経営計画、達成に当たっての難易度は高いが有言実行の経営力に期待したい
同社は2019年3月公表の新中期経営計画において、2021年9月期の経営数値目標を「売上高40億円、営業利益8億円、ROE10%以上」としている。経営数値目標自体は、チャレンジングに見えるが、会社側は「結果にこだわる経営姿勢で定量目標を達成する」としており、新規事業への取組方針を示したロードマップは明快である。バランスシートやアライアンスを積極活用するビジネスモデルの場合、外部分析者では想定できない案件が準備されている可能性もあり、有言実行の結果にこだわる経営力に期待したい。
一方、2019年3月に公表された新中期経営計画において「財務状況の改善を急ぎ、2021年9月期での復配を目指す」とされていた株主還元実施については、繰越利益準備金の欠損補填が決定され、2020年9月期末にも前倒し実現される可能性が高まってきた。株主還元は、資本コストや資本効率の管理するうえで重要な選択肢であるだけに、復配の前倒し実現を目指す経営姿勢は高く評価されるだろう。
■Key Points
・同社は、「『人の健康と地球環境』の分野において、IT医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります」という企業理念のもとで、ヘルスケアソリューション事業(メディカルシステム、再生医療等)と地球環境ソリューション事業(UAV関連、再生可能エネルギー関連等)を展開している。
・ 2018年12月開催の定時株主総会において、コーポレートガバナンス手段として新規事業を行うための定款変更と経営陣の刷新を柱とする株主提案議案が提案されてから1年弱が経過、新規事業への積極投資と既存事業の再構築はスピーディーに進展している。
・ 2019年9月期決算は、増収経常増益を実現、新中期経営計画の初年度目標も実質的にクリアしたと評価できる。
・ 新中期経営計画は、経営数値目標はチャレンジングに見えるが、新規事業への取組方針を示したロードマップは明快であり、有言実行の結果にこだわる経営力に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
<MH>
1. 会社概要と事業内容
イメージ ワン<2667>は、「『人の健康と地球環境』の分野において、IT医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります」を企業理念に掲げ、ヘルスケアソリューション事業(メディカルシステム、再生医療等)と地球環境ソリューション事業(UAV関連、再生可能エネルギー関連等)の2つのセグメントで事業展開している。
2. 経営改革はスピーディーに進展
2018年12月開催の定時株主総会において、コーポレートガバナンス手段として新規事業を行うための定款変更と経営陣の刷新を柱とする株主提案議案が提案され、可決された。それから1年弱が経過し、有言実行の経営力が確認されつつある。新規領域において、バランスシートとアライアンスの積極活用により事業の垂直立ち上げを実現しているほか、既存領域においても、「duranta(ウェアラブル心電計)」事業の譲渡や 関連会社(エンパワープレミアム)の減損処理の実行、医療画像システム関連商品の次世代病院システム(クラウド型電子カルテ、線量管理システム他)への進化やPix4D製ソフトウェアによる成果物提供サービスの開発への取り組みを通じて「選択と集中」を実践している。
3. 2019年9月期は実質的に新中期経営計画の初年度目標をクリア、財務健全性も維持している
2019年9月期決算は、売上高1,879百万円(前期比13.7%増)、経常利益692百万円(同676百万円増)と実質増収増益を達成した。新中期経営計画の初年度目標との比較においても、売上高とROEは文句なしに達成、営業利益は未達ながら、経常利益以下の利益動向を勘案すれば実質的に目標を達成したと評価できる。一方、2019年9月期末の自己資本比率は55.5%まで低下したものの、流動比率は525.4%へと一段と上昇し、バランスシートを積極活用しながらも財務の健全性は総じて問題ない状況にある。
4. 高い目線で策定された新中期経営計画、達成に当たっての難易度は高いが有言実行の経営力に期待したい
同社は2019年3月公表の新中期経営計画において、2021年9月期の経営数値目標を「売上高40億円、営業利益8億円、ROE10%以上」としている。経営数値目標自体は、チャレンジングに見えるが、会社側は「結果にこだわる経営姿勢で定量目標を達成する」としており、新規事業への取組方針を示したロードマップは明快である。バランスシートやアライアンスを積極活用するビジネスモデルの場合、外部分析者では想定できない案件が準備されている可能性もあり、有言実行の結果にこだわる経営力に期待したい。
一方、2019年3月に公表された新中期経営計画において「財務状況の改善を急ぎ、2021年9月期での復配を目指す」とされていた株主還元実施については、繰越利益準備金の欠損補填が決定され、2020年9月期末にも前倒し実現される可能性が高まってきた。株主還元は、資本コストや資本効率の管理するうえで重要な選択肢であるだけに、復配の前倒し実現を目指す経営姿勢は高く評価されるだろう。
■Key Points
・同社は、「『人の健康と地球環境』の分野において、IT医療と再生可能エネルギー及び環境事業を通じ、健康な長寿社会とクリーンなエネルギー社会の創造に貢献してまいります」という企業理念のもとで、ヘルスケアソリューション事業(メディカルシステム、再生医療等)と地球環境ソリューション事業(UAV関連、再生可能エネルギー関連等)を展開している。
・ 2018年12月開催の定時株主総会において、コーポレートガバナンス手段として新規事業を行うための定款変更と経営陣の刷新を柱とする株主提案議案が提案されてから1年弱が経過、新規事業への積極投資と既存事業の再構築はスピーディーに進展している。
・ 2019年9月期決算は、増収経常増益を実現、新中期経営計画の初年度目標も実質的にクリアしたと評価できる。
・ 新中期経営計画は、経営数値目標はチャレンジングに見えるが、新規事業への取組方針を示したロードマップは明快であり、有言実行の結果にこだわる経営力に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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