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タナベ経営 Research Memo(4):経営コンサルティングは堅調推移、SPコンサルティングが10%増と好調

注目トピックス 日本株
■タナベ経営<9644>の業績動向

2.事業セグメント別動向
(1)経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業の売上高は前年同期比0.7%増の2,661百万円、セグメント利益は同1.3%減の707百万円と若干の増収減益となった。営業利益の減益要因は、コンサルタントやミドルスタッフ人材を積極採用したことによる人件費の増加が主因だ。ただ、期初会社計画(売上高2,650百万円、セグメント利益655百万円)に対してはいずれも若干上回って推移した。当第2四半期末のコンサルタント人員(経営コンサルタント、人材開発コンサルタント)は前年同期比6名増の185名となっている。

分野別の売上動向を見ると、経営コンサルティングは前年同期比2.3%増の1,930百万円(計画比2.1%増)となった。チームコンサルティングとなる経営コンサルティングは、期中平均契約数で前年同期比9件増の482契約となり増収となった。高単価の中期経営計画(ビジョン)策定、FCCアカデミー(企業内大学)設立等の受注が増加したことで、月平均単価も上昇した。FCCアカデミーの設立件数は累計で約90社(前期末は約80社)に達している。戦略ドメイン&ファンクション研究会も、新たな研究テーマとして「ステージアップ」「人材開発」を追加したほか、「ナンバーワンブランド」「アグリビジネスモデル」で海外企業視察を実施するなど、開催数が増加したことにより増収となった。一方、アライアンス(提携)については、全国の提携金融機関等の顧客(融資先など)会員数の減少により減収となった。計画比では、経営コンサルティングの期中平均契約件数や海外視察の参加者数増加が上振れ要因となっている。

人材開発コンサルティングは前年同期比4.6%減の718百万円(計画比4.9%減)となった。FCCアカデミーのプロモーションを強化したことにより、主力のオーダーメイド教育(研修)の受注件数が伸びず減収要因となった。FCCセミナーに関しては、幹部候補生向けセミナーの参加者数が減少したものの、新入社員向けセミナーやチームリーダースクールの参加者数増加でカバーし、売上高は前年同期比横ばい水準となった。計画比ではオーダーメイド教育の契約数、並びに幹部候補生向けセミナー参加者数の減少が下振れ要因となっている。

その他は、前年同期比224.2%増の13百万円(計画比197.0%増)となった。M&Aコンサルティング案件の売上高(成功報酬)を計上し、増収要因となっている。

(2) SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業
SP(セールスプロモーション)コンサルティング事業の売上高は前年同期比2.9%増の1,483百万円、セグメント損失は51百万円(前年同期は68百万円の損失)となった。営業損失は季節要因によるもので、売上総利益で見れば前年同期比11.6%増の433百万円と増収増益となっている。コンサルタントやミドルスタッフ人材の増員による人件費増があったものの、付加価値の高いSPコンサルティングの売上高が好調に推移したことが増益要因となっている。期初計画(売上高1,450百万円、営業損失60百万円)に対してもいずれも上回って推移した。第2四半期末におけるSPコンサルタント人員は前年同期比13名増の71名となっており、通期計画の70名を超過するなど順調に推移している。

分野別の売上動向を見ると、SPコンサルティング(月次契約型のセールスプロモーションコンサルティング+SPデザイン)は前年同期比10.3%増の981百万円(計画比4.4%増)と好調に推移した。このうち、月次契約型のセールスプロモーションコンサルティングは、経営コンサルティング事業や外部パートナーとの連携により、販促戦略の立案のみならずWebプロモーションや採用プロモーション等のコンサルティング案件が増加し、契約数・売上高ともに増加した。また、SPデザインは大型チームの組成による専門性・独自性の向上や、同社の戦略総合研究所のデザインラボとの連携によるデザイン性の向上により、セールスプロモーションコンサルティング等と合わせた受注件数・売上高が増加し、大手企業の周年記念品やグローバルファッション企業のプロモーションツール等の大型案件を受注したことも増収に寄与した。計画比でも月次契約型のセールスプロモーションコンサルティング、SPデザインともに上回っている。

SPツールは前年同期比22.5%減の373百万円(計画比9.1%減)となった。継続した安定受注があるものの、戦略的に付加価値の高いSPデザインに注力していることにより、減収傾向が続いている。

ダイアリーについては前年同期比84.9%増の129百万円(計画比29.4%増)となった。発行60周年を迎えた「ブルーダイアリー」の新商品の推進等により安定した継続受注を獲得し、また、消費増税の影響から9月の出荷が増加し、計画比でも上振れ要因となった。ただし、消費増税による反動減はないとしており、通期でも計画どおりの売上高が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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