タマホーム Research Memo(5):着工平準化と地域限定商品の価格改定が奏功、注文住宅事業の収益性向上
[20/02/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■タマホーム<1419>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 住宅事業
住宅事業の売上高は前年同期比23.2%増の78,699百万円、営業利益は258百万円(前年同期は1,795百万円の損失)となった。売上高の内訳(セグメント間取引含む)は、注文住宅事業が前年同期比22.8%増の74,710百万円、リフォーム事業が同32.3%増の3,247百万円、その他が同20.5%増の898百万円といずれも2ケタ増収となり、上場後の第2四半期累計として初めて営業利益を計上した。
注文住宅の受注棟数は天候不順や消費増税前の駆け込み需要の反動により、前年同期比13.4%減の4,782棟と減少に転じたものの、販売棟数は豊富な受注残に加えて従前より進めてきた着工棟数の平準化施策により、同18.7%増の4,226棟と前年同期比で増加基調が続いた。住宅着工統計による同期間の持家着工戸数は前年同期比0.3%減となっており、市場全体を上回る成長が続いている。戦略商品である地域限定商品が各地域で伸びており、販売棟数の79.3%(前年同期は70%弱)を占めるまでになっている。また、平均販売単価は前年同期比3.5%増の1,767万円となった。2019年5月期下期から地域限定商品の価格改定を段階的に進めてきた効果による。販売棟数の増加と単価上昇効果によって利益率も大きく改善し、大幅増益となった。
リフォーム事業は、入居後10年を経過した物件を中心に、保証延長工事※の受注活動を積極的に展開し、契約件数が順調に拡大した。売上高の内訳は保証延長工事が前年同期比約45%増の約22億円、その他有償工事が同約10%増の約10億円となり、収益性も向上した。
※入居後10年を経過した物件に対して、瑕疵担保責任期間(10年間)を超える保証について、同社が実施する定期点検及び必要に応じた有償メンテナンス工事を条件として、10年ごとの保証延長を継続することが可能となる。
(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前年同期比7.6%増の16,233百万円、営業利益は同27.7%減の3,163百万円となった。売上高は戸建分譲事業の好調により増収となったものの、利益面では前年同期に計上した博多駅東ビルの売却益が大きかった反動で減益となっている。
売上高の内訳(グループ間取引含む)を見ると、戸建分譲事業は前年同期比41.6%増の8,975百万円となった。資金回転率を重視した10区画以下の小規模分譲地を中心に仕入・販売に積極的に取り組んだことや、2019年10月の消費税引き上げ前の駆け込み需要を取り込めたことが大幅増収につながった。受注棟数は前年同期比54.8%増の342棟、販売棟数は同39.2%増の302棟となった。
一方、マンション事業は新規開発案件が無く、中古マンションのリノベーション販売を中心に前年同期比6.0%減の109百万円となり、サブリース事業はオフィスビルの保有物件増加と高稼働率を維持したことで、同13.7%増の1,323百万円と増収基調が続いた。
また、その他売上については前年同期比22.4%減の5,874百万円となった。オフィス区分所有権販売事業は順調に推移したものの、自社保有不動産の売却収入が減少した。当第1四半期はタマディアホテル羽田の売却収入があったが、2019年5月期第2四半期に計上した博多駅東ビルの売却収入を下回った。
(3) 金融事業
金融事業の売上高は前年同期比30.0%増の665百万円、営業利益は同48.0%増の242百万円となった。住宅販売棟数の増加に加えて、火災保険の付保率が高水準で推移したこと、多発する自然災害や老後への備えに対する意識の高まりから、保険の補償内容見直し・拡充といったニーズが増大したこと、つなぎ融資の提案活動を強化したことなどが増収増益要因となった。
(4) エネルギー事業
エネルギー事業は2019年夏の天候不順の影響により、太陽光発電施設の発電量が軟調に推移したこと、並びに同施設にかかる固定資産税の減免措置が終了したことにより、売上高は前年同期比9.1%減の444百万円、営業利益は同26.1%減の168百万円となった。
(5) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比12.3%増の3,220百万円、営業利益は同1,369.5%増の246百万円となった。住宅事業における販売棟数増加に伴い、子会社で展開する家具・インテリア販売など住宅周辺事業の売上が好調に推移したほか、前期に実施した不採算事業からの撤退が主な増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) 住宅事業
住宅事業の売上高は前年同期比23.2%増の78,699百万円、営業利益は258百万円(前年同期は1,795百万円の損失)となった。売上高の内訳(セグメント間取引含む)は、注文住宅事業が前年同期比22.8%増の74,710百万円、リフォーム事業が同32.3%増の3,247百万円、その他が同20.5%増の898百万円といずれも2ケタ増収となり、上場後の第2四半期累計として初めて営業利益を計上した。
注文住宅の受注棟数は天候不順や消費増税前の駆け込み需要の反動により、前年同期比13.4%減の4,782棟と減少に転じたものの、販売棟数は豊富な受注残に加えて従前より進めてきた着工棟数の平準化施策により、同18.7%増の4,226棟と前年同期比で増加基調が続いた。住宅着工統計による同期間の持家着工戸数は前年同期比0.3%減となっており、市場全体を上回る成長が続いている。戦略商品である地域限定商品が各地域で伸びており、販売棟数の79.3%(前年同期は70%弱)を占めるまでになっている。また、平均販売単価は前年同期比3.5%増の1,767万円となった。2019年5月期下期から地域限定商品の価格改定を段階的に進めてきた効果による。販売棟数の増加と単価上昇効果によって利益率も大きく改善し、大幅増益となった。
リフォーム事業は、入居後10年を経過した物件を中心に、保証延長工事※の受注活動を積極的に展開し、契約件数が順調に拡大した。売上高の内訳は保証延長工事が前年同期比約45%増の約22億円、その他有償工事が同約10%増の約10億円となり、収益性も向上した。
※入居後10年を経過した物件に対して、瑕疵担保責任期間(10年間)を超える保証について、同社が実施する定期点検及び必要に応じた有償メンテナンス工事を条件として、10年ごとの保証延長を継続することが可能となる。
(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前年同期比7.6%増の16,233百万円、営業利益は同27.7%減の3,163百万円となった。売上高は戸建分譲事業の好調により増収となったものの、利益面では前年同期に計上した博多駅東ビルの売却益が大きかった反動で減益となっている。
売上高の内訳(グループ間取引含む)を見ると、戸建分譲事業は前年同期比41.6%増の8,975百万円となった。資金回転率を重視した10区画以下の小規模分譲地を中心に仕入・販売に積極的に取り組んだことや、2019年10月の消費税引き上げ前の駆け込み需要を取り込めたことが大幅増収につながった。受注棟数は前年同期比54.8%増の342棟、販売棟数は同39.2%増の302棟となった。
一方、マンション事業は新規開発案件が無く、中古マンションのリノベーション販売を中心に前年同期比6.0%減の109百万円となり、サブリース事業はオフィスビルの保有物件増加と高稼働率を維持したことで、同13.7%増の1,323百万円と増収基調が続いた。
また、その他売上については前年同期比22.4%減の5,874百万円となった。オフィス区分所有権販売事業は順調に推移したものの、自社保有不動産の売却収入が減少した。当第1四半期はタマディアホテル羽田の売却収入があったが、2019年5月期第2四半期に計上した博多駅東ビルの売却収入を下回った。
(3) 金融事業
金融事業の売上高は前年同期比30.0%増の665百万円、営業利益は同48.0%増の242百万円となった。住宅販売棟数の増加に加えて、火災保険の付保率が高水準で推移したこと、多発する自然災害や老後への備えに対する意識の高まりから、保険の補償内容見直し・拡充といったニーズが増大したこと、つなぎ融資の提案活動を強化したことなどが増収増益要因となった。
(4) エネルギー事業
エネルギー事業は2019年夏の天候不順の影響により、太陽光発電施設の発電量が軟調に推移したこと、並びに同施設にかかる固定資産税の減免措置が終了したことにより、売上高は前年同期比9.1%減の444百万円、営業利益は同26.1%減の168百万円となった。
(5) その他事業
その他事業の売上高は前年同期比12.3%増の3,220百万円、営業利益は同1,369.5%増の246百万円となった。住宅事業における販売棟数増加に伴い、子会社で展開する家具・インテリア販売など住宅周辺事業の売上が好調に推移したほか、前期に実施した不採算事業からの撤退が主な増益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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