1stコーポ Research Memo(2):分譲マンションに特化したゼネコン
[20/02/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ファーストコーポレーション<1430>の事業内容と沿革
創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタート。以来、「より良質な住宅を供給し、人々の豊かな住環境に貢献する」を社是、「安全・安心・堅実」をモットーとして、良質で安価な住宅を供給してきた。分譲マンション建設に特化したゼネコンである。
事業エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で展開。これら東京圏と呼ばれるエリアは、全国的に人口減少となるなかで、依然として人口が増加する一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて再開発需要が旺盛であるなど、マンション需要はなお拡大する見通しだ。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、東京圏1都3県のマンション建設の着工戸数は、2019年に59,000戸と前年比6.9%増が予想されている。落ち込んだ2018年から持ち直す見通しだ。
五輪需要を見込んで東京圏ではホテル建設が活発化した状態が続き、ホテルとの競合でマンション用地の確保が業界全体で難しくなっていたが、ホテル建設需要は一巡する見込み。しかしながら、優良な案件については、依然として競争が激化しており、用地確保の環境は厳しい。一方、(株)不動産経済研究所の公表値における2019年の供給戸数予想は前年比15.9%減を想定している。伸び悩む背景にあるのは、販売価格の上昇だ。
事業を取り巻く環境は厳しいながらも、同社の強みである「造注方式」を生かして良質なマンションを供給し、巻き返しに向けて態勢を整えている。
この「造注方式」を武器に創業後は急速に成長し、2015年3月には東証マザーズ市場に、創業からわずか3年9ヶ月で上場。2016年12月には、東証第1部に指定替えとなった。
造注方式により収益力がアップ
同社が急成長を遂げた背景に、「造注方式」と呼ぶ事業モデルがある。これは他社に先駆けて、マンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案するなかで、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。
造注方式の具体的な流れは、まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施し、クオリティの高い、そうしたプランから事業主に対し、土地代、建築費、設計料等の諸経費をもとに事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行う。その上で、事業主の要望を立案する。
そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定する。最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。
造注方式は、同社が土地を押さえることによって主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社はこうした特命工事の比重をいかに高めるかが、収益向上につながるポイントになるが、同社の特命比率は現状で100%だ。これによって、事業運営の効率化、安定した利益確保が可能となり、創業来の急成長に結び付いてきた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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創業は2011年6月で、資本金40,000千円でスタート。以来、「より良質な住宅を供給し、人々の豊かな住環境に貢献する」を社是、「安全・安心・堅実」をモットーとして、良質で安価な住宅を供給してきた。分譲マンション建設に特化したゼネコンである。
事業エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で展開。これら東京圏と呼ばれるエリアは、全国的に人口減少となるなかで、依然として人口が増加する一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて再開発需要が旺盛であるなど、マンション需要はなお拡大する見通しだ。
国土交通省の建築着工統計調査報告によると、東京圏1都3県のマンション建設の着工戸数は、2019年に59,000戸と前年比6.9%増が予想されている。落ち込んだ2018年から持ち直す見通しだ。
五輪需要を見込んで東京圏ではホテル建設が活発化した状態が続き、ホテルとの競合でマンション用地の確保が業界全体で難しくなっていたが、ホテル建設需要は一巡する見込み。しかしながら、優良な案件については、依然として競争が激化しており、用地確保の環境は厳しい。一方、(株)不動産経済研究所の公表値における2019年の供給戸数予想は前年比15.9%減を想定している。伸び悩む背景にあるのは、販売価格の上昇だ。
事業を取り巻く環境は厳しいながらも、同社の強みである「造注方式」を生かして良質なマンションを供給し、巻き返しに向けて態勢を整えている。
この「造注方式」を武器に創業後は急速に成長し、2015年3月には東証マザーズ市場に、創業からわずか3年9ヶ月で上場。2016年12月には、東証第1部に指定替えとなった。
造注方式により収益力がアップ
同社が急成長を遂げた背景に、「造注方式」と呼ぶ事業モデルがある。これは他社に先駆けて、マンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案するなかで、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。
造注方式の具体的な流れは、まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施し、クオリティの高い、そうしたプランから事業主に対し、土地代、建築費、設計料等の諸経費をもとに事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行う。その上で、事業主の要望を立案する。
そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定する。最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。
造注方式は、同社が土地を押さえることによって主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社はこうした特命工事の比重をいかに高めるかが、収益向上につながるポイントになるが、同社の特命比率は現状で100%だ。これによって、事業運営の効率化、安定した利益確保が可能となり、創業来の急成長に結び付いてきた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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