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神戸物産 Research Memo(5):有利子負債の削減が進み、財務の健全性が向上

注目トピックス 日本株
■業績動向

3. 財務状況と経営指標
神戸物産<3038>の2019年10月期末の総資産は前期末比5,887百万円増加の150,154百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では売上拡大に伴い受取手形及び売掛金が2,129百万円、商品及び製品が545百万円それぞれ増加した一方で、借入金の返済を主因として現金及び預金が2,523百万円減少した。固定資産ではグル?プ生産会社の設備投資増により、有形固定資産が4,333百万円増加(うち、建設仮勘定2,424百万円、土地845百万円の増加)したほか、新規子会社取得に伴うのれんの増加を主因として無形固定資産が517百万円増加した。また、投資その他の資産も長期貸付金と繰延税金資産の増加により771百万円増加した。

負債合計は前期末比4,906百万円減少の99,586百万円となった。売上拡大に伴い買掛金が3,136百万円増加したほか、利益増により未払法人税等が1,906百万円増加した一方で、有利子負債が10,836百万円減少した。また、純資産合計は前期末比10,794百万円増加の50,568百万円となった。配当金の支払額1,734百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益12,056百万円を計上したことが増加要因となった。

経営指標を見ると、有利子負債の削減と自己資本の増加により、自己資本比率が前期末の23.3%から29.5%に上昇したほか、D/Eレシオも同2.1倍から1.3倍に低下するなど財務体質の改善傾向が続き、ネットキャッシュも100億円を超える規模に達している。業務スーパー事業で自社グループ工場の能力増強投資を今後2〜3年かけて進めていくほか、比較的規模の大きい太陽光発電プロジェクトの建設も2021年以降予定しており、資金需要の増加が見込まれるものの、ここ数年は毎期100億円前後のフリーキャッシュを稼ぎだす収益力が付いてきたことから、引き続き財務体質の改善が続くものと予想される。また、収益性についてもROEは自己資本の増加により前期の36.0%から31.0%に低下したものの、売上高営業利益率は6.4%と上昇傾向が続いている。業務スーパー事業だけでなく、神戸クック事業やエコ再生エネルギー事業の収益性が改善してきたことが要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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