今週のマーケット展望「中国PMI発表を前にした警戒売りも」〜マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(高井ひろえ)
[20/02/25]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
皆さま、こんにちは、フィスコマーケットレポーター高井ひろえの「マネックス証券の気になるレポート」です。24日の米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済の成長を下押しするとの懸念が強まり、NYダウが1000ドルを超す下落となりました。投資家の間で懸念が強まっており、アジア・欧州市場も軒並み大幅な下落となっています。
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、2月25日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。
まず広木さんは、今週の日本株相場について、『3連休明けは大きく下落して始まり、その後戻すような展開を予想する』としています。直近の相場について、『欧米株が大幅安となり、世界同時株安の様相だが、欧米株は先週まで高値更新が続いていた。それが一気に調整色を強めただけであって、ずっと新型コロナウイルス感染拡大で調整してきた日本株とは本来事情が違う』と指摘。ただ、『今日はそんなことを言っても無駄だろう』として、『まずは投げ売りに巻き込まれて日経平均は2万2000円割れも視野に入る。終値で200日線(2万2200円弱)の水準でとどまれるかが、ひとつの下値めどだ』と予想しています。
広木さんの予想通り、本日の日経平均株価は大きく下落してスタートしました。
一方で、その後は『落ち着きを取り戻すと思う』との見解で、『当初から、ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏などは相場の過剰反応を指摘していた』と伝えています。
『実際のところ、「終息の兆し」は見え始めている』と述べており、22日の日経新聞の「中国の感染 二極化」という記事について言及し、『記事は、「北京や上海など多くの地域では感染者数が減少傾向にある。新型肺炎が広がる間際に強力な移動制限を打ち出したことや、医療体制がパンクした湖北省より治療成績が良好なことが背景にある」と報じている』とのことです。『このような報道が徐々に伝わるにつれ、不安心理も後退していくだろう』と考察しています。
続けて、国際通貨基金(IMF)について、『G20の会議の場で、今年の中国の実質成長率見通しを5.6%とし、1月時点から0.4ポイント下方修正した』と伝えており、『しかし、足元は強烈なマイナス成長になることは間違いないだろうから、それで通年で5.6%成長というのは、この先の劇的なV字回復を見込んでいるということだろう』と分析しています。
そして、そのV字回復への期待を最も強く示唆しているのが『上海総合の動きだ』と指摘。『3000ポイントの大台を回復、春節明けの急落をすべて埋め戻し、米中通商合意でつけた高値をうかがう勢い。上海株市場は、もはやコロナ肺炎の懸念は乗り越えて、この先の回復を見据えているような節がある』と捉えています。
『立ち直りのカギは米国株だ』とのことで、『PMIの下振れは、新型肺炎の影響、すなわち一過性のもので、米国経済の基調は強い。早晩また高値をつけてくるだろう』と示唆しています。ネバダではサンダース氏が勝ちましたが、これについても『実は米株の追い風となる』といいます。その理由は『サンダース氏ではトランプ氏に勝てないという見立てが優勢だから』であるとして、『米国株が急落したのでサンダース氏勝利まで急落の原因にされたが、見方が違うと思う』と指摘しています。
また、日本株の上値が重理由については、『金融機関による決算対策売りで毎度この時期の年中行事である』と分析。『やはり、諸々春までかかるが、逆に言えば春になってこれら悪材料がなくなった後の浮揚力は大きい。それをどれだけ前倒しで織り込んでくるかが焦点になろう』と示唆しています。
最後に、今週の見通しをまとめて、『今週は大幅安で始まり、その後、米国市場の堅調さなどから日本株相場も戻し、週末やや下げて終わるような展開か』との予想を伝えています。29日に発表される中国のPMIについて、『おそらく、とんでもなく悪い数字が出るだろう。それを警戒して金曜日は再度売りがかさむリスクに備えたい』と注意を促しています。
予想レンジは、『2万1900〜2万3000円とする』としています。
参考にしてみてくださいね。
高井ひろえの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。
フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ
<HH>
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、2月25日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。
まず広木さんは、今週の日本株相場について、『3連休明けは大きく下落して始まり、その後戻すような展開を予想する』としています。直近の相場について、『欧米株が大幅安となり、世界同時株安の様相だが、欧米株は先週まで高値更新が続いていた。それが一気に調整色を強めただけであって、ずっと新型コロナウイルス感染拡大で調整してきた日本株とは本来事情が違う』と指摘。ただ、『今日はそんなことを言っても無駄だろう』として、『まずは投げ売りに巻き込まれて日経平均は2万2000円割れも視野に入る。終値で200日線(2万2200円弱)の水準でとどまれるかが、ひとつの下値めどだ』と予想しています。
広木さんの予想通り、本日の日経平均株価は大きく下落してスタートしました。
一方で、その後は『落ち着きを取り戻すと思う』との見解で、『当初から、ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏などは相場の過剰反応を指摘していた』と伝えています。
『実際のところ、「終息の兆し」は見え始めている』と述べており、22日の日経新聞の「中国の感染 二極化」という記事について言及し、『記事は、「北京や上海など多くの地域では感染者数が減少傾向にある。新型肺炎が広がる間際に強力な移動制限を打ち出したことや、医療体制がパンクした湖北省より治療成績が良好なことが背景にある」と報じている』とのことです。『このような報道が徐々に伝わるにつれ、不安心理も後退していくだろう』と考察しています。
続けて、国際通貨基金(IMF)について、『G20の会議の場で、今年の中国の実質成長率見通しを5.6%とし、1月時点から0.4ポイント下方修正した』と伝えており、『しかし、足元は強烈なマイナス成長になることは間違いないだろうから、それで通年で5.6%成長というのは、この先の劇的なV字回復を見込んでいるということだろう』と分析しています。
そして、そのV字回復への期待を最も強く示唆しているのが『上海総合の動きだ』と指摘。『3000ポイントの大台を回復、春節明けの急落をすべて埋め戻し、米中通商合意でつけた高値をうかがう勢い。上海株市場は、もはやコロナ肺炎の懸念は乗り越えて、この先の回復を見据えているような節がある』と捉えています。
『立ち直りのカギは米国株だ』とのことで、『PMIの下振れは、新型肺炎の影響、すなわち一過性のもので、米国経済の基調は強い。早晩また高値をつけてくるだろう』と示唆しています。ネバダではサンダース氏が勝ちましたが、これについても『実は米株の追い風となる』といいます。その理由は『サンダース氏ではトランプ氏に勝てないという見立てが優勢だから』であるとして、『米国株が急落したのでサンダース氏勝利まで急落の原因にされたが、見方が違うと思う』と指摘しています。
また、日本株の上値が重理由については、『金融機関による決算対策売りで毎度この時期の年中行事である』と分析。『やはり、諸々春までかかるが、逆に言えば春になってこれら悪材料がなくなった後の浮揚力は大きい。それをどれだけ前倒しで織り込んでくるかが焦点になろう』と示唆しています。
最後に、今週の見通しをまとめて、『今週は大幅安で始まり、その後、米国市場の堅調さなどから日本株相場も戻し、週末やや下げて終わるような展開か』との予想を伝えています。29日に発表される中国のPMIについて、『おそらく、とんでもなく悪い数字が出るだろう。それを警戒して金曜日は再度売りがかさむリスクに備えたい』と注意を促しています。
予想レンジは、『2万1900〜2万3000円とする』としています。
参考にしてみてくださいね。
高井ひろえの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。
フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ
<HH>