サムティ Research Memo(9):良好な需給環境や長期金利の低位安定により不動産市況は好調が続く見通し
[20/02/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■サムティ<3244>の業界環境
今後の成長戦略に重要な影響を及ぼすJ-REIT市場に目を向けると、2019年12月末の時価総額は約16兆4,380億円(前年比26.7%増)、銘柄数は64(前年比1銘柄増)となっている。リーマンショック後の金融引き締め等の影響により一旦低迷する局面があったものの、2012年以降は、国内景気の回復や長期にわたる金融緩和などにより拡大基調をたどってきた。もっとも、足元では不動産価格の上昇等に伴う物件取得の伸び悩みなどが見られるが、インバウンド需要の拡大等を見据えた商業施設やホテル、高齢化社会に向けた介護施設のほか、物流施設やインフラ(太陽光発電所等)など、投資対象も多様化してきており、様々な投資機会を創出すると同時に、市場の成長余地も大きい。
東証REIT指数の動向については、好調な国内不動産市況(賃料相場の上昇等)などから堅調に推移している。特に、日銀による金融緩和政策の継続や今後のオフィス需要増加を期待する見方があるなかで、国内外の機関投資家からは利回りを確保でき、キャッシュ・フローが比較的安定しているJ-REITに対する投資意欲は根強い。米中通商摩擦や英国のEU離脱、新型肺炎の感染拡大による影響など、国内外の経済情勢には先行き不透明感があるものの、リスク回避的な長期金利の一段の低下はプラス要因として働いている。また、中期的にも金融緩和政策の継続や良好な不動産市況(空室率の改善や賃料相場の上昇等)などにより底堅く推移するとの見通しが強い。
投資用マンションについても、入居者(利用者)及び投資家双方の旺盛な需要に支えられて好調に推移している。東京都総務局の公表データによると、同社の供給エリアの大部分を占める東京23区の人口は、東京都への転入超等を背景として増え続けている。特に、若年層を含め、晩婚化や離婚率の増加などを背景として単身世帯の増加が目立っており、今後もワンルームマンションの賃貸需要を支えていくものと考えられる。また、この傾向は、大阪や名古屋はもちろん、福岡、札幌など地方大都市圏においてもみられており、国内人口が減少する一方で、人口の都市集中化が進んでいる。一方、投資家サイドでも、将来の年金受給や老後の生活不安を抱えた20〜30代の個人投資家や、基礎控除の引き下げによる相続税対策として高齢者からの需要が拡大している。加えて、足元では、都内一等地物件などに海外ファンドなどからの1棟買いの引き合いが強く、需給の関係からやや過熱感もみられている。
一方、今後の新たな成長エンジンとして期待されるホテル及びオフィスの開発事業について目を向けると、ホテルはインバウンド需要の拡大等を背景として高い稼働率が続いてきた。ただ、東京オリンピック・パラリンピック開催後の需給悪化を懸念する見方に加え、足元では日韓関係の悪化や中国を中心とした新型肺炎の感染拡大により訪日外国人の減少が懸念されている。もっとも、日本政府による観光立国政策が続くなかで、構造的な需給バランスを勘案すれば、中長期的には安定運営は可能であると考えられる。また、オフィスについても、足元では都心部での空室率の低下(不足感の上昇)に注目が集まっているが、同社が展開する地方大都市圏においてもオフィス不足は深刻な状況にあり、ビジネス機会は十分にあると捉えることができる。
一方、業界の課題については、都心での用地仕入がやや難しくなってきたことや、地価の上昇や建築費の高騰、職人不足などが挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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今後の成長戦略に重要な影響を及ぼすJ-REIT市場に目を向けると、2019年12月末の時価総額は約16兆4,380億円(前年比26.7%増)、銘柄数は64(前年比1銘柄増)となっている。リーマンショック後の金融引き締め等の影響により一旦低迷する局面があったものの、2012年以降は、国内景気の回復や長期にわたる金融緩和などにより拡大基調をたどってきた。もっとも、足元では不動産価格の上昇等に伴う物件取得の伸び悩みなどが見られるが、インバウンド需要の拡大等を見据えた商業施設やホテル、高齢化社会に向けた介護施設のほか、物流施設やインフラ(太陽光発電所等)など、投資対象も多様化してきており、様々な投資機会を創出すると同時に、市場の成長余地も大きい。
東証REIT指数の動向については、好調な国内不動産市況(賃料相場の上昇等)などから堅調に推移している。特に、日銀による金融緩和政策の継続や今後のオフィス需要増加を期待する見方があるなかで、国内外の機関投資家からは利回りを確保でき、キャッシュ・フローが比較的安定しているJ-REITに対する投資意欲は根強い。米中通商摩擦や英国のEU離脱、新型肺炎の感染拡大による影響など、国内外の経済情勢には先行き不透明感があるものの、リスク回避的な長期金利の一段の低下はプラス要因として働いている。また、中期的にも金融緩和政策の継続や良好な不動産市況(空室率の改善や賃料相場の上昇等)などにより底堅く推移するとの見通しが強い。
投資用マンションについても、入居者(利用者)及び投資家双方の旺盛な需要に支えられて好調に推移している。東京都総務局の公表データによると、同社の供給エリアの大部分を占める東京23区の人口は、東京都への転入超等を背景として増え続けている。特に、若年層を含め、晩婚化や離婚率の増加などを背景として単身世帯の増加が目立っており、今後もワンルームマンションの賃貸需要を支えていくものと考えられる。また、この傾向は、大阪や名古屋はもちろん、福岡、札幌など地方大都市圏においてもみられており、国内人口が減少する一方で、人口の都市集中化が進んでいる。一方、投資家サイドでも、将来の年金受給や老後の生活不安を抱えた20〜30代の個人投資家や、基礎控除の引き下げによる相続税対策として高齢者からの需要が拡大している。加えて、足元では、都内一等地物件などに海外ファンドなどからの1棟買いの引き合いが強く、需給の関係からやや過熱感もみられている。
一方、今後の新たな成長エンジンとして期待されるホテル及びオフィスの開発事業について目を向けると、ホテルはインバウンド需要の拡大等を背景として高い稼働率が続いてきた。ただ、東京オリンピック・パラリンピック開催後の需給悪化を懸念する見方に加え、足元では日韓関係の悪化や中国を中心とした新型肺炎の感染拡大により訪日外国人の減少が懸念されている。もっとも、日本政府による観光立国政策が続くなかで、構造的な需給バランスを勘案すれば、中長期的には安定運営は可能であると考えられる。また、オフィスについても、足元では都心部での空室率の低下(不足感の上昇)に注目が集まっているが、同社が展開する地方大都市圏においてもオフィス不足は深刻な状況にあり、ビジネス機会は十分にあると捉えることができる。
一方、業界の課題については、都心での用地仕入がやや難しくなってきたことや、地価の上昇や建築費の高騰、職人不足などが挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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