ハウスドゥ Research Memo(6):2020年6月期上期は、フランチャイズ事業とハウス・リースバック事業が好調
[20/03/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年6月期第2四半期の業績概要
(1) 業績概要
ハウスドゥ<3457>の2020年6月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.5%増の14,514百万円、営業利益が同51.6%減の527百万円、経常利益が同55.1%減の461百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同60.4%減の287百万円と増収減益となったものの、期初計画比では売上高が20.0%増、営業利益が12.8%増、経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益がそれぞれ29.3%増、22.2%増と大幅に予想を上回った。実績が計画を上回ったのは、下期に予定していたハウス・リースバック資産の信託受益権の譲渡の一部が第2四半期に実現したためであり、通期予想は変更していない。
成長強化事業と位置付けるフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業の3事業の合計は売上高の53.6%を占め、営業利益の70.9%を稼ぎ出した。フランチャイズ事業が安定的な収益をもたらし、資産の前倒し売却を進めたハウス・リースバック事業が大幅に利益を伸ばしたものの、金融事業が体制整備の先行投資により損失を計上した。フロー型収益事業となる不動産売買事業とリフォーム事業は消費税増税の影響を受け、減収減益であった。また同社は、2022年6月期を最終年度とする中期経営計画を遂行するため人材を含めて先行投資を行っており、全社費用などの調整額が489百万円増加したことから、前年同期比で減益となった。
(2) 事業別動向
a) フランチャイズ事業
フランチャイズ事業の売上高は前年同期比3.2%増の1,457百万円、営業利益は同2.5%増の846百万円と安定的な収益を上げ、売上高営業利益率は58.1%の高水準を維持した。新規加盟契約数は68件(前年同期は70件)、新規開店店舗数は77店舗(同62店舗)となった。また、当第2四半期末の累計加盟契約数は630件(同569件)、累計開店店舗数が540店舗(同462店舗)となった。
b) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業の売上高は前年同期比49.6%増の5,937百万円、営業利益は同39.3%増の670百万円と大きく伸びた。2019年6月期における同事業の上下比率は、売上高が28.4%:71.6%、営業利益が23.2%:76.8%と下期偏重であった。一方で2020年6月期は、消費税増税の影響をある程度勘案していたものの、想定以上に不動産売買事業やリフォーム事業に現れたこと、不動産市況や金融政策の変化などで不測の事態が出現しても対応できるよう、前倒しで保有資産(300件、5,317百万円相当)をファンドへ売却したことにより、当期の上下比率(予想比率)は、売上高が39.3%:60.7%、営業利益が31.3%:68.7%に改められた。
当第2半期の新規取得物件数は320件(前年同期は266件)、売却件数が300件(同160件)、累計保有物件数が343件(同674件)であった。月平均仕入契約件数は、前年同期の47.2件から55.5件と17.7%増加した。ハウス・リースバックの広告に対する反響は旺盛であり、仕入れ体制を引き続き強化して、2020年6月期末には月平均80件に拡大することを計画している。
c) 金融事業
金融事業の売上高は前年同期比10.0%増の480百万円、営業損失は58百万円(前年同期は81百万円の利益)となった。不動産担保融資実行件数は95件(前年同期は92件)、融資残高が前期末比1,810百万円増の9,973百万円となった。一方、リバースモーゲージ保証事業は、提携金融機関が前期末比2行増の10行になったが、当第2四半期中の保証件数は61件(前年同期は76件)にとどまった。提携金融機関における新サービスの立ち上げは想定よりも時間を要しており、先行投資的に体制整備を行ってきたことから、収益が悪化した。
d) 不動産売買事業
不動産売買事業の売上高は前年同期比25.3%減の3,281百万円、営業利益は同55.5%減の160百万円と縮小した。また、取引件数は前年同期比18.4%減の164件となった。2019年6月期の販売が順調であったことから、期首の在庫水準が低下しており、当第2四半期中の販売可能な商品が不足した。下期の挽回を目指して、当第2四半期中に販売用不動産を前期末の3,954百万円から6,123百万円に積み増した。住宅ローンの超低金利が続いており、消費者の住宅購入ニーズは強いことから、直営店エリアの仲介顧客のニーズに合った物件を仕入れる方針を徹底している。
e) 不動産流通事業
不動産流通事業の売上高は前年同期比13.7%増の1,096百万円、営業利益は同28.1%増の240百万円と好調であった。仲介件数は1,524件と同3.2%増えた。同社が展開する店舗は地域一番店となっているが、市場環境が厳しさを増すと、店舗運営の巧拙を問われ、地道な営業活動が奏功する。
f) リフォーム事業
リフォーム事業の売上高は前年同期比6.2%減の1,519百万円、営業利益は同34.3%減の119百万円と消費税増税の影響を強く受けた。なお、契約件数は同25.3%減の929件、完工件数は同10.4%減の1,034件となった。
g) 小山建設グループ
2019年8月に買収し、連結子会社となった小山建設グループは、売上高は923百万円、営業利益は83百万円となった。同子会社の営業スタイルは物件を抱え込むタイプであったが、当第2四半期のパフォーマンスを見て、同社と同様の情報をオープンにする営業スタイルに改めている。
2. 財務状況と経営指標
2020年6月期第2四半期末の総資産は48,316百万円と前期末比7,929百万円増加した。小山建設グループの全株式を取得して連結子会社化したことなどにより、現金及び預金が936百万円、たな卸資産が1,651百万円、有形固定資産が2,065百万円、無形固定資産が786百万円それぞれ増加した。負債合計は37,444百万円と、前期末比8,321百万円増加した。有利子負債が31,811百万円と8,527百万円増加したが、増加額の内訳は流動負債が2,852百万円、固定負債で5,674百万円となり、長期借入金のウェイトを高めた。その結果、財務の安全性の比率となる流動比率が前期末比3.2ポイント増の156.9%、自己資本比率は同5.4ポイント減の22.4%になった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2020年6月期第2四半期の業績概要
(1) 業績概要
ハウスドゥ<3457>の2020年6月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.5%増の14,514百万円、営業利益が同51.6%減の527百万円、経常利益が同55.1%減の461百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同60.4%減の287百万円と増収減益となったものの、期初計画比では売上高が20.0%増、営業利益が12.8%増、経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益がそれぞれ29.3%増、22.2%増と大幅に予想を上回った。実績が計画を上回ったのは、下期に予定していたハウス・リースバック資産の信託受益権の譲渡の一部が第2四半期に実現したためであり、通期予想は変更していない。
成長強化事業と位置付けるフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、金融事業の3事業の合計は売上高の53.6%を占め、営業利益の70.9%を稼ぎ出した。フランチャイズ事業が安定的な収益をもたらし、資産の前倒し売却を進めたハウス・リースバック事業が大幅に利益を伸ばしたものの、金融事業が体制整備の先行投資により損失を計上した。フロー型収益事業となる不動産売買事業とリフォーム事業は消費税増税の影響を受け、減収減益であった。また同社は、2022年6月期を最終年度とする中期経営計画を遂行するため人材を含めて先行投資を行っており、全社費用などの調整額が489百万円増加したことから、前年同期比で減益となった。
(2) 事業別動向
a) フランチャイズ事業
フランチャイズ事業の売上高は前年同期比3.2%増の1,457百万円、営業利益は同2.5%増の846百万円と安定的な収益を上げ、売上高営業利益率は58.1%の高水準を維持した。新規加盟契約数は68件(前年同期は70件)、新規開店店舗数は77店舗(同62店舗)となった。また、当第2四半期末の累計加盟契約数は630件(同569件)、累計開店店舗数が540店舗(同462店舗)となった。
b) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業の売上高は前年同期比49.6%増の5,937百万円、営業利益は同39.3%増の670百万円と大きく伸びた。2019年6月期における同事業の上下比率は、売上高が28.4%:71.6%、営業利益が23.2%:76.8%と下期偏重であった。一方で2020年6月期は、消費税増税の影響をある程度勘案していたものの、想定以上に不動産売買事業やリフォーム事業に現れたこと、不動産市況や金融政策の変化などで不測の事態が出現しても対応できるよう、前倒しで保有資産(300件、5,317百万円相当)をファンドへ売却したことにより、当期の上下比率(予想比率)は、売上高が39.3%:60.7%、営業利益が31.3%:68.7%に改められた。
当第2半期の新規取得物件数は320件(前年同期は266件)、売却件数が300件(同160件)、累計保有物件数が343件(同674件)であった。月平均仕入契約件数は、前年同期の47.2件から55.5件と17.7%増加した。ハウス・リースバックの広告に対する反響は旺盛であり、仕入れ体制を引き続き強化して、2020年6月期末には月平均80件に拡大することを計画している。
c) 金融事業
金融事業の売上高は前年同期比10.0%増の480百万円、営業損失は58百万円(前年同期は81百万円の利益)となった。不動産担保融資実行件数は95件(前年同期は92件)、融資残高が前期末比1,810百万円増の9,973百万円となった。一方、リバースモーゲージ保証事業は、提携金融機関が前期末比2行増の10行になったが、当第2四半期中の保証件数は61件(前年同期は76件)にとどまった。提携金融機関における新サービスの立ち上げは想定よりも時間を要しており、先行投資的に体制整備を行ってきたことから、収益が悪化した。
d) 不動産売買事業
不動産売買事業の売上高は前年同期比25.3%減の3,281百万円、営業利益は同55.5%減の160百万円と縮小した。また、取引件数は前年同期比18.4%減の164件となった。2019年6月期の販売が順調であったことから、期首の在庫水準が低下しており、当第2四半期中の販売可能な商品が不足した。下期の挽回を目指して、当第2四半期中に販売用不動産を前期末の3,954百万円から6,123百万円に積み増した。住宅ローンの超低金利が続いており、消費者の住宅購入ニーズは強いことから、直営店エリアの仲介顧客のニーズに合った物件を仕入れる方針を徹底している。
e) 不動産流通事業
不動産流通事業の売上高は前年同期比13.7%増の1,096百万円、営業利益は同28.1%増の240百万円と好調であった。仲介件数は1,524件と同3.2%増えた。同社が展開する店舗は地域一番店となっているが、市場環境が厳しさを増すと、店舗運営の巧拙を問われ、地道な営業活動が奏功する。
f) リフォーム事業
リフォーム事業の売上高は前年同期比6.2%減の1,519百万円、営業利益は同34.3%減の119百万円と消費税増税の影響を強く受けた。なお、契約件数は同25.3%減の929件、完工件数は同10.4%減の1,034件となった。
g) 小山建設グループ
2019年8月に買収し、連結子会社となった小山建設グループは、売上高は923百万円、営業利益は83百万円となった。同子会社の営業スタイルは物件を抱え込むタイプであったが、当第2四半期のパフォーマンスを見て、同社と同様の情報をオープンにする営業スタイルに改めている。
2. 財務状況と経営指標
2020年6月期第2四半期末の総資産は48,316百万円と前期末比7,929百万円増加した。小山建設グループの全株式を取得して連結子会社化したことなどにより、現金及び預金が936百万円、たな卸資産が1,651百万円、有形固定資産が2,065百万円、無形固定資産が786百万円それぞれ増加した。負債合計は37,444百万円と、前期末比8,321百万円増加した。有利子負債が31,811百万円と8,527百万円増加したが、増加額の内訳は流動負債が2,852百万円、固定負債で5,674百万円となり、長期借入金のウェイトを高めた。その結果、財務の安全性の比率となる流動比率が前期末比3.2ポイント増の156.9%、自己資本比率は同5.4ポイント減の22.4%になった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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