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ハウスドゥ Research Memo(7):2020年6月期通期予想を据え置く

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2020年6月期の業績予想
ハウスドゥ<3457>の2020年6月期の通期予想は、期初計画が据え置かれた。売上高が前期比18.0%増の37,221百万円、営業利益が同11.5%増の3,521百万円、経常利益が同9.9%増の3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.9%増の2,178百万円と見込んでいる。事業セグメントごとの計画値も変更していない。ただし、消費税増税の影響が予想を上回ったことや、その後の回復に向かう時期に新型コロナウイルス感染の拡大による経済活動の低下が進み、当初想定していなかった展開が見られる。事業部ごとの凹凸があっても、全体としての計画が達成できるように柔軟に対応する考えだ。2020年6月期下期の取るべき施策として、1)ハウス・リースバックの仕入強化、2)リバースモーゲージの提携と取り組み強化、3)不動産売買事業及びリフォーム事業の落ち込みからの回復、4)小山建設グループのペースアップ、5)投資(販管費増加)のリターン成果を出すこと、を挙げている。

2. 中期経営計画
(1) 前中期経営計画
2019年6月期を最終年度とする前中期経営計画では、不動産市場に変調を来しても持続的な成長をする全天候型経営への移行を加速した。収益性を重視して、3ヶ年のCAGRは売上高が-2.1%、経常利益が+12.9%を計画した。実績は、売上高が+22.2%、経常利益が+36.5%と大幅な成長を達成した。稼ぎ頭となったハウス・リースバック事業は、同市場を切り開いた同社が業界トップとなっている。

同社では持続的な事業拡大のため積極的な採用を進めている。2019年4月の新卒採用は32人であった。キャリア採用を積極的に行ったことから、2019年6月期末の従業員数は621人と前期比87人増えた。一方、臨時雇用者は173人と同21人減少した。今春は新卒60〜70人の採用を予定している。


次なるストック型収益の柱として、リバースモーゲージ保証に注力
(2) 新中期経営計画
新3ヶ年中期経営計画では、2022年6月期の売上高を43,761百万円・CAGR +11.5%、営業利益が4,766百万円・CAGR +14.7%、経常利益を4,500百万円・CAGR +14.4%としている。

ハウス・リースバック事業を基盤とした持続的成長モデルを継続するが、成長強化事業の3本目の柱とすべく、リバースモーゲージ保証に注力する。2018年にスルガ銀行<8358>の不正融資問題が表面化したため、収益物件への融資案件は審査が厳格化されているものの、地域密着型の金融機関にとって不動産関連の融資ニーズは高い。リバースモーゲージローンは、契約者が死亡後に担保としていた自宅を売却することが基本となる。一方で、高齢者には、家を継ぐ子供がいない、子供に持ち家がある、または遠隔地に居住している、などにより相続を敬遠するケースが増えている。金融機関と利用者の双方にニーズがあるのにもかかわらず潜在需要が顕在化しないのは、同社が担う機能が欠けていたためであると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)




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