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イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営事業とリサーチ・ECソリューション事業が両輪

注目トピックス 日本株
■事業概要

1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業で、設立は2000年となる。M&A戦略を推進しており、2019年12月末時点の連結子会社は5社((株)エンファクトリー/(株)絵本ナビ/(株)ドリームリンク/(株)ネットショップ総研/Interface in Design, Inc)、連結従業員数は227名(臨時従業員含む)となっている。

2. 事業内容
事業セグメントはCMP事業とCMS事業の2つで、CMP事業が売上高、利益の8割以上を占める主力事業となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。

(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業のインターネット広告や各種データ・コンテンツをサイト利用ユーザーに配信する事業となる。売上高としては、Webメディア上に掲載するインターネット広告や、EC物販を含むデータ・コンテンツ販売が主なものとなる。このため、いかに広告費等の費用をかけずにWebメディアの媒体価値(PV数)を向上していくことができるかが収益拡大のカギを握っている。

同社が運営するWebメディア・コンテンツ数は2020年6月期第2四半期末時点で20ジャンル60サイト(前期末比1サイト増)となっており、自動車やIT、エンターテイメント、暮らし、EC分野など幅広いジャンルのWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「Response(レスポンス)」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、同社が運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。

(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供する事業となる。リサーチソリューションに関しては、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで提供しており、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえ、インターネットを活用したリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。一方、ECソリューションでは、EC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。


Webメディア・コンテンツを効率的に運用する自社開発システムが強み
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社の強みは、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを効率的に運用するためのシステムとして、「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発していることにある。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現可能としている。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上UPの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。

(2) M&A戦略
同社はM&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。M&Aについては、経営陣のこれまでの人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間で5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。

2020年6月期第2四半期末までに資本出資も含めて取得したWebメディア・コンテンツは49サイト(うち、14サイトは撤退)で、取得総額は1,507百万円(内訳は、事業取得総額789百万円、出資総額718百万円、撤退サイト含む)となっている。1サイト平均30百万円で取得した計算となっている。そのほか、自社で事業開発したWebサイトが35サイト(うち、10サイトは撤退)となっている。「iid-CMP」のプラットフォームを活用することで、これまで手掛けたWebサイトのほとんどで目標を達成している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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