GMOメディア Research Memo(7):クーポン・チケット購入サイトを運営するGMOくまポンを子会社化
[20/03/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. GMOくまポンの子会社化について
GMOメディア<6180>は2020年3月、GMOくまポンの株式をGMOインターネットから100百万円で取得し、子会社化(出資比率50.1%)した。GMOくまポンは、2010年から「ビューティー」「健康・医療」など幅広いカテゴリのクーポンを取り扱うクーポンサイト「くまポン」を運営しており、2018年11月より特に需要が旺盛であった美容医療カテゴリを切り分け、チケット購入サイト「キレイパス」として運営を開始するなど、インターネット上での購買を通じた価値ある体験を提供してきた会社で、2019年12月期の業績は売上高で1,428百万円、営業損失で84百万円となっている。営業損失の要因は「キレイパス」への投資負担によるものとなっており、「くまポン」については若干ではあるものの収益化している。また、従業員数は2019年末で43名だが、今後「キレイパス」の事業拡大に向け増員していく予定となっている。
今回、GMOくまポンを子会社化した目的は、「お得なEC体験」という両社のシナジーをさらに追求し、クーポン・ポイントなどの集客・リピートノウハウを相互に活用することで、O2O(Online to Offline)※分野での事業拡大を目指すことにある。今後両社は、「コエテコ」「キレイパス」をはじめとする各サービスにおいて、相互のノウハウを生かし、更なるユーザーの利便性や提供メリットの向上を図るとともに、実店舗の課題解決に取り組んでいくほか、近接分野における新サービスの展開も図りながら、更なる成長を目指していく方針となっている。
※インターネットを活用し、実店舗への来店や店頭での購入などオフラインでの行動を促すマーケティング施策のこと。
「くまポン」「キレイパス」ともにビジネスモデルは同様で、ユーザーが商品・サービスのクーポンやチケットを当該サイトで事前購入し、その後、商品の送付や店舗でのサービス提供を受けることになる。同社はクーポン・チケットの販売額を売上高として計上し、販売手数料を差し引いた額を費用として計上することになる(見かけ上の利益率は低くなる)。掲載事業者から見れば、掲載費用やコンテンツの制作費など固定費が無料で完全成果報酬型となるため利用しやすいほか、美容医療などのサービス事業者にとっては、事前決済型のためキャンセル率が低いこともメリットとなる。
特に、美容クリニックに特化した「キレイパス」については、クリニックで追加料金を支払う必要がないため、ユーザー側の価格面での不安を取り除く効果もある。美容クリニックは料金が総じて高いほか、店舗によっても異なるため、検索機能があり、かつ事前決済型サービスを提供する「キレイパス」の潜在需要は大きいと同社では考えており、今後、積極的に広告宣伝費を投下し、認知度を高めて同サービスを拡大していく方針となっている。
同サイトにおける掲載チケット件数は2019年12月で2,464件まで拡大しており、掲載件数の増加とともに売上高も順調に伸びている。2020年1月にはスマートフォンアプリ(iOS版)もリリースしており、更なる成長が期待される。同社ではプロモーション施策として2020年は外部プロモーションを積極的に実施するほか、自社メディア(「ポイントタウン」や20代女性ユーザーが中心の「CoordiSnap」など)の女性ユーザー向けにもプロモーションを行い、「キレイパス」に送客していく。外部プロモーションでは、テレビCMを地方局で試験的に行い、効果が認められれば全国規模で実施していくことも視野に入れている。現在は掲載店舗も首都圏が中心のため、2021年までは認知度向上のため積極的にプロモーションを実施し、掲載店舗数も全国規模で拡大していく計画となっている。美容医療の国内市場規模は2017年時点で3,252億円となっており、女性の社会進出とともに年々拡大が続いているだけに、「キレイパス」の成長ポテンシャルも大きく、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. GMOくまポンの子会社化について
GMOメディア<6180>は2020年3月、GMOくまポンの株式をGMOインターネットから100百万円で取得し、子会社化(出資比率50.1%)した。GMOくまポンは、2010年から「ビューティー」「健康・医療」など幅広いカテゴリのクーポンを取り扱うクーポンサイト「くまポン」を運営しており、2018年11月より特に需要が旺盛であった美容医療カテゴリを切り分け、チケット購入サイト「キレイパス」として運営を開始するなど、インターネット上での購買を通じた価値ある体験を提供してきた会社で、2019年12月期の業績は売上高で1,428百万円、営業損失で84百万円となっている。営業損失の要因は「キレイパス」への投資負担によるものとなっており、「くまポン」については若干ではあるものの収益化している。また、従業員数は2019年末で43名だが、今後「キレイパス」の事業拡大に向け増員していく予定となっている。
今回、GMOくまポンを子会社化した目的は、「お得なEC体験」という両社のシナジーをさらに追求し、クーポン・ポイントなどの集客・リピートノウハウを相互に活用することで、O2O(Online to Offline)※分野での事業拡大を目指すことにある。今後両社は、「コエテコ」「キレイパス」をはじめとする各サービスにおいて、相互のノウハウを生かし、更なるユーザーの利便性や提供メリットの向上を図るとともに、実店舗の課題解決に取り組んでいくほか、近接分野における新サービスの展開も図りながら、更なる成長を目指していく方針となっている。
※インターネットを活用し、実店舗への来店や店頭での購入などオフラインでの行動を促すマーケティング施策のこと。
「くまポン」「キレイパス」ともにビジネスモデルは同様で、ユーザーが商品・サービスのクーポンやチケットを当該サイトで事前購入し、その後、商品の送付や店舗でのサービス提供を受けることになる。同社はクーポン・チケットの販売額を売上高として計上し、販売手数料を差し引いた額を費用として計上することになる(見かけ上の利益率は低くなる)。掲載事業者から見れば、掲載費用やコンテンツの制作費など固定費が無料で完全成果報酬型となるため利用しやすいほか、美容医療などのサービス事業者にとっては、事前決済型のためキャンセル率が低いこともメリットとなる。
特に、美容クリニックに特化した「キレイパス」については、クリニックで追加料金を支払う必要がないため、ユーザー側の価格面での不安を取り除く効果もある。美容クリニックは料金が総じて高いほか、店舗によっても異なるため、検索機能があり、かつ事前決済型サービスを提供する「キレイパス」の潜在需要は大きいと同社では考えており、今後、積極的に広告宣伝費を投下し、認知度を高めて同サービスを拡大していく方針となっている。
同サイトにおける掲載チケット件数は2019年12月で2,464件まで拡大しており、掲載件数の増加とともに売上高も順調に伸びている。2020年1月にはスマートフォンアプリ(iOS版)もリリースしており、更なる成長が期待される。同社ではプロモーション施策として2020年は外部プロモーションを積極的に実施するほか、自社メディア(「ポイントタウン」や20代女性ユーザーが中心の「CoordiSnap」など)の女性ユーザー向けにもプロモーションを行い、「キレイパス」に送客していく。外部プロモーションでは、テレビCMを地方局で試験的に行い、効果が認められれば全国規模で実施していくことも視野に入れている。現在は掲載店舗も首都圏が中心のため、2021年までは認知度向上のため積極的にプロモーションを実施し、掲載店舗数も全国規模で拡大していく計画となっている。美容医療の国内市場規模は2017年時点で3,252億円となっており、女性の社会進出とともに年々拡大が続いているだけに、「キレイパス」の成長ポテンシャルも大きく、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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