コスモ・バイオ Research Memo(7):自社製造・サービス事業のメーカー機能拡大
[20/03/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■コスモ・バイオ<3386>の中長期成長戦略
1. 前中期経営計画で自社製造・サービス事業のメーカー機能が拡大
2017年12月期−2019年12月期の前中期経営計画(経営目標数値は非開示)では、経営ビジョンに「生命科学の研究者から信頼される事業価値を高める」を掲げ、市場伸び悩みや円安環境下でも利益を確保する高収益構造の確立を目指し、基本戦略として、既存事業基盤の強化(商社としての情報力・製品力・提案力の強化、メーカーとしての自社製品・サービス開発力の強化)、新たな事業基盤の創出、企業価値の向上(業務効率化、人事評価制度改革、リスク管理、CSR活動)に取り組んできた。
この成果として、既存事業基盤の強化ではWeb版抗体百科と商品検索システムのリニューアル、新商品・受託サービスのラインアップ拡充、販売代理店・エンドユーザーへの課題解決型営業、札幌事業所開設による自社事業拡大、オフィス集約による業務効率化やグループ3社協業によるシナジー創出を推進した。
特に製造・自社受託サービスの拡大として、2016年12月にはペプチド合成受託・抗体受託製造(ペプチド・抗体作製サービス事業)に本格参入、2019年7月には「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(鶏卵バイオリアクター事業)を開始した。
そして2017年12月期から2019年12月期の2期間で売上高の伸び率を見ると、仕入販売が104%、受託サービス仲介が102%だったのに対して、利益性の高い製造は113%、自社受託サービスは258%と大幅伸長している。また自社製造・サービス事業の売上高は、コスモ・バイオ単体売上高の1割強を占めるようになった。メーカー機能の拡大と高収益化が進展している。
新中期経営計画で更なる高収益化目指す
2. 新中期経営計画で更なる高収益化目指す
2020年12月期−2022年12月期の新中期経営計画(経営目標数値は非開示)では、引き続き経営ビジョンに「生命科学の研究者から信頼される事業価値を高める」を掲げ、10年後の姿を見据えた事業戦略として、現在の収益の柱である研究試薬卸売に加えて、メーカー機能を中心とする第2の収益柱の構築、ライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場への展開も推進する方針を打ち出した。
事業戦略として、新たな事業基盤の創出(新規事業の開拓、資本提携・業務提携)、商社機能の強化(顧客情報管理と活用、原料供給ビジネスの売上拡大、流通改革対策)、製造機能の強化(新商品・受託サービスの拡充、ペプチド・抗体作製サービス事業と鶏卵バイオリアクター事業の成長)、企業価値の向上(生産性向上と効率化、人材育成など)を推進する。
更なる高収益化に向けて、特に製造機能の強化では、ペプチド・抗体作製サービス事業と鶏卵バイオリアクター事業の成長・収益化を加速する方針だ。また新市場への展開では食品、医薬品、素材などの分野を構想しているようだ。
ペプチド・抗体作製サービス事業は順調に拡大
3. ペプチド・抗体作製サービス事業は順調に拡大
ペプチド・抗体作製サービス事業はライフサイエンス基礎研究に欠かせない重要な研究ツールの1つである。2016年12月開始し、順調に拡大しているようだ。
更なる事業拡大に向けて、周辺技術を持つ企業とのアライアンスも推進している。2017年12月には(株)Proteomedix Frontiers(PF)と業務提携し、2018年4月にはAQUAペプチドの配列デザインから合成までの一貫サービスを開始した。
2018年6月にはペプチド創薬ベンチャーのメスキュージェナシス(株)とペプチド創薬支援事業に関して業務提携(2019年4月出資)、2018年9月には名古屋大学発ベンチャーのiBody(株)(IBD)とモノクローナル抗体スクリーニングサービスに関して業務提携、2018年10月にはエムティーアイ<9438>と抗体作製支援システムに関して業務提携した。また2018年11月には、がん免疫療法開発の(株)Cancer Precision Medicine(CPM)(オンコセラピー・サイエンス<4564>の連結子会社)と、ペプチド合成に関する委受託基本契約を締結した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
1. 前中期経営計画で自社製造・サービス事業のメーカー機能が拡大
2017年12月期−2019年12月期の前中期経営計画(経営目標数値は非開示)では、経営ビジョンに「生命科学の研究者から信頼される事業価値を高める」を掲げ、市場伸び悩みや円安環境下でも利益を確保する高収益構造の確立を目指し、基本戦略として、既存事業基盤の強化(商社としての情報力・製品力・提案力の強化、メーカーとしての自社製品・サービス開発力の強化)、新たな事業基盤の創出、企業価値の向上(業務効率化、人事評価制度改革、リスク管理、CSR活動)に取り組んできた。
この成果として、既存事業基盤の強化ではWeb版抗体百科と商品検索システムのリニューアル、新商品・受託サービスのラインアップ拡充、販売代理店・エンドユーザーへの課題解決型営業、札幌事業所開設による自社事業拡大、オフィス集約による業務効率化やグループ3社協業によるシナジー創出を推進した。
特に製造・自社受託サービスの拡大として、2016年12月にはペプチド合成受託・抗体受託製造(ペプチド・抗体作製サービス事業)に本格参入、2019年7月には「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(鶏卵バイオリアクター事業)を開始した。
そして2017年12月期から2019年12月期の2期間で売上高の伸び率を見ると、仕入販売が104%、受託サービス仲介が102%だったのに対して、利益性の高い製造は113%、自社受託サービスは258%と大幅伸長している。また自社製造・サービス事業の売上高は、コスモ・バイオ単体売上高の1割強を占めるようになった。メーカー機能の拡大と高収益化が進展している。
新中期経営計画で更なる高収益化目指す
2. 新中期経営計画で更なる高収益化目指す
2020年12月期−2022年12月期の新中期経営計画(経営目標数値は非開示)では、引き続き経営ビジョンに「生命科学の研究者から信頼される事業価値を高める」を掲げ、10年後の姿を見据えた事業戦略として、現在の収益の柱である研究試薬卸売に加えて、メーカー機能を中心とする第2の収益柱の構築、ライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場への展開も推進する方針を打ち出した。
事業戦略として、新たな事業基盤の創出(新規事業の開拓、資本提携・業務提携)、商社機能の強化(顧客情報管理と活用、原料供給ビジネスの売上拡大、流通改革対策)、製造機能の強化(新商品・受託サービスの拡充、ペプチド・抗体作製サービス事業と鶏卵バイオリアクター事業の成長)、企業価値の向上(生産性向上と効率化、人材育成など)を推進する。
更なる高収益化に向けて、特に製造機能の強化では、ペプチド・抗体作製サービス事業と鶏卵バイオリアクター事業の成長・収益化を加速する方針だ。また新市場への展開では食品、医薬品、素材などの分野を構想しているようだ。
ペプチド・抗体作製サービス事業は順調に拡大
3. ペプチド・抗体作製サービス事業は順調に拡大
ペプチド・抗体作製サービス事業はライフサイエンス基礎研究に欠かせない重要な研究ツールの1つである。2016年12月開始し、順調に拡大しているようだ。
更なる事業拡大に向けて、周辺技術を持つ企業とのアライアンスも推進している。2017年12月には(株)Proteomedix Frontiers(PF)と業務提携し、2018年4月にはAQUAペプチドの配列デザインから合成までの一貫サービスを開始した。
2018年6月にはペプチド創薬ベンチャーのメスキュージェナシス(株)とペプチド創薬支援事業に関して業務提携(2019年4月出資)、2018年9月には名古屋大学発ベンチャーのiBody(株)(IBD)とモノクローナル抗体スクリーニングサービスに関して業務提携、2018年10月にはエムティーアイ<9438>と抗体作製支援システムに関して業務提携した。また2018年11月には、がん免疫療法開発の(株)Cancer Precision Medicine(CPM)(オンコセラピー・サイエンス<4564>の連結子会社)と、ペプチド合成に関する委受託基本契約を締結した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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